もっと、「手があがる」仕事がしたい。/今週の、いちばん。91

はじめて「Put your hands up!(プチャヘンザ!=手をあげな!)」というフレーズを耳にしたのは、いつだったろう?
当時好きだったラッパーのアルバムを聴いてたときか、それともTVKの「全米TOP40」で誰かのPVを見ていたときか。
いずれにせよ、YouTubeもまだなかった高校時代のこと。
ずいぶん昔の話だ。

先日、縁あって、あるラッパーの方のライブを観に行った。
普段、ほとんど音源を聴くだけで満足している僕としては珍しい。
それほど広くない渋谷のハコで、年甲斐もなくワクワクしていた。

弟分の若手のラッパーたちが盛り上げたあとに、主役登場。
何度も聴き込んだ最新のアルバムから、順に曲が披露される。
途中、当然のように、「プチャヘンザ!」とか「手ぇ、あげな!」とか「騒げー!」とか、あおられる。

でも、気づいた。
彼がそう叫ぶ前に、自然に、手はあがっていた。
カラダは素直だ。
本当に好きな曲、アガる曲を聴けば、勝手に動く。
目の前の素晴らしいステージに対して、僕ができるのは、レスポンスをすることくらい。
だから、手をあげるし、声も出す。
もしも、誰にも「手ぇ、あげな!」と言われなかったとしても。

そのライブから2週間ほど過ぎ、今日11月18日は、僕の37歳、最後の日だ。
あと数時間で、38歳の誕生日を迎える。
そんな日に、コツコツnoteを更新してるのもどうなのよ、という話かもしれないが。
でも、キーボードを叩きながら、自分なりに区切りをつけたいのだ。

この1年、新しい環境で色々もがいてきた。
もともと仕事好きなのだけど、これまで以上に仕事について考えていた日々かもしれない。
1冊1冊、力を込めて本を作ってきた。
けれど、それだけで満足しているわけではなくて。

抽象的に聞こえるかもしれないけど、もっと、「手があがる仕事」をしたいと思う。
自分の仕事に対して、もっともっと、レスポンスが集まってくる。
それは、単にヒットするということとも違う気がするのだけど。
とにかく、みんなが自然に手をあげたくなる、そんな仕事。

言葉を扱っているけど、僕は別にラッパーじゃない。
だから、1冊1冊の本で、それを表現する。
そうそう、そんな気分でつくった最新の担当作も、もうすぐ発売だ。
誰かの心を自然と揺らしまくる、そんな1年にしたい。


ちょっと前になるけれど、いちばん「人を揺らしたいな」と思った瞬間。それは11月3日、道玄坂のライブハウスで、あの人のラップに手をあげた瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です
(とはいえ、不定期更新です。また「書かないよりは、まし。」という文章も、たまに更新しています)

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滝啓輔

今週の、いちばん。3(2016年)

その1週間で、僕がいちばん心が動かされたことをふりかえる、週刊連載的読み物です(収録してるのは2016年分です)
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