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今週の、いちばん。第19回/女友達と話すのは、なぜ楽しいのか?

人には「自分と同じ意見を聞いて安心したい」という気持ちと、「自分と違う意見を聞いて刺激を受けたい」という気持ちの2つがあると思う。
もしかしたら、つねに前者の気持ちが強い人もいるかもしれないし、逆にずっと後者のタイプだという人もいるかもしれない。
僕は、少なくとも今は、後者の気持ちがより強い。

だから(とつなげるのは、ちょっと無理やりかもしれないけど)、僕は「女友達」と話すのが好きだ。
なぜなら、彼女たちは、ときに女性ならではの見方で、自分が思いもつかないようなことを言ってくれるから。

卑近な例だけど、たとえば雑誌に出てるモデルを見て、僕が「この人、かわいいよね」と言ったとする。
男友達なら、「おお、かわいいね」と言うか、「う~ん、そうでもないね」か、「好みじゃないなぁ」くらいしか返ってこないだろう。
でも、女友達なら、仮に「かわいい」という結論は同じでも、そのモデルのポーズやら服やら顔立ちやらの何がかわいいのか、それは意識したかわいさなのか無意識のかわいさなのかなどを(ときに、聞いてもいないのに)事細かに解説してくれる。
これが「かわいくない」と思っている場合なら、なおさらだ。

こんなふうに、女友達と話していると、自分と違った見方やら、知りもしない情報がどんどん入ってくる。
それを「うるさい」と思う人もいるだろうし、かつての僕もそう思っていたかもしれない。
でも、今はそれが楽しい。
女友達と会うたびに、自分の見ている世界が広がるような気がして、飽きがこない。

ちょっと、話をずらすけど、最近、あまり積極的に出版系(とくに近いジャンル)の人に会わなくなった。
彼らは、僕にとって「男友達」に近いから。
おたがい、同じような知識と経験があって話もツーカーだけど、いつも似たようなことをしゃべっているようで、ちょっと距離をとったほうがいいように思って。
もちろん、中には柿内くんみたいな例外がいて、彼なんかもはや異星人と話している気分になるけれど。

話を戻そう。
この夏休みは、ご無沙汰してた女友達にけっこう会えて、いろいろ(といっても私生活のことばかりだけど)話せて楽しかった。
相変わらず彼女の一人もできないけど、僕の人生、女友達には恵まれすぎているくらいなので、それには改めて感謝したい。

で、よく考えたら、今週たくさん女友達に会ったので「いちばん」を決めかねていて。
なんで、いつもと締めの言葉は違うけど、今年、いちばん女友達がいてよかったなと思った瞬間。それは、この夏休みです。ま、たまにはこんな終わりも。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)


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