49・キャデラックからバギーetc そしてベンツへ


タタオが最初に買った車はキャデラックだった(もちろん中古)。
それまでは、夫は 自分は仕事用の軽に乗って、自分の車はタタオに使わせていた。
「オレの車だったら、タタオは改造しないだろ」
親心だったのね。
 
しかし、とうとう手に入れた自分の好きな車。
この車に乗ってるころ、タタオの祖父危篤の知らせで、タタオが家族を乗せて田舎に駆けつけた(私は一足先に行っていた)。
タタオ「おやじったら、
『お前の車だったら、追い越しても誰も文句は言わねえ、とばせー!』ってあおるんだよ」
 
バギーという なんだか耕運機のような4輪のオープンカーにのっていたこともある。サッカー仲間で買い揃え、みんなサッカーに行くときは、これに乗って行ってたそうだ。
事実、バイクと間違われるらしく、警官に停められては
「ヘルメットをかぶっていない」と注意される。
タタオはいばって
「これは四輪で、ヘルメット着用の義務はないんですよ。ナンバー見て下さい」とほざいてたらしい。
タタオ「小さいけど四輪だから、渋滞にしっかりはまるんだよ」
バイクのように車の脇を通り抜けることはできないのだ。
 
近所の人も珍しいのでタタオにいろいろ聞いている。
そのたびにタタオが「これは耕運機と同じ扱いでナンバー取ってるんで、公道も走れるんですよ」などと答えてる。
近所の人は、タタオがバイク乗ってるときも、「ちゃんと、この辺くると、エンジン切ってるからだいじょうぶですよ。バイクは楽しいから」などと好意的に見てくれてすごくありがたかった。(実は、タタオがバイク乗ってるとき、大通りに出たとたんすんごい音が聞こえて、私は生きた心地がしなかった)
 
そのうち、タタオ 本当のオープンカーが手に入った。
タタオが道を歩いていたら、たまたま先輩が車を洗ってた。
かっこいいオープンカーで思わず「いい車ですね」と言ったら
先輩「これ、売るつもりなんだよ。仕事には使いずらいから」
タタオ「オレも車売ろうと思ってるんですよ」というと、なんとタタオが乗ってた普通の車(もちろんバギーではない方)と交換でもいいと言ってくれたのだ。なんだか、わらしべ長者のようである。
そして、寒い十一月の夜、オープンカーに乗ってご帰宅。
いっしょに乗ってた彼女(今は奥さん)
「この寒いのに、タタオくんたら『きょうは、開けたい気分』とか言って二人してダウン着てふるえながら乗ってるんですよ。ありえないんだけど。」
 
タタオは出来るだけ切り詰めてはいるものの、とにかく車関係の出費が大きい。そして、昼も夜も働くタタオくんだったが、なんとかアパート借りて独立した。そうなるとガソリン代その他で生活していけないから、とうとう軽自動車にした
「ああ、やっと、タタオも分相応という言葉がわかるようになったのね」と、安心してたのも束の間、
タタオがベンツ買ったらしいというウワサが・・・・。
 
 
 

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