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あべのハルカス

兄一家が関西に来ていて、一緒に天王寺へ。大阪を離れてから二十年が経つ兄にとって、天王寺の激変ぶりはさぞ驚くだろうと連れてきた。かつて大阪で青春時代を過ごした四十代にとっては、梅田や難波よりも天王寺の変化のほうが驚くんじゃないだろうか。ましてや、兄は高校が天王寺徒歩圏、子どもの頃は兄弟で天王寺まで英会話に通っていた。
あべののaの形をした歩道橋からぐるりと見渡す。近鉄百貨店はハルカスに、ステーションビルはMIOに、ずっと進まなかった阿倍野再開発はキューズモールに、青空カラオケの横はてんしばになった。変わったな。。。ユーゴー書店もなくなった。やまちゃんも並ばなくなった(美味しいのに)。

ハルカスに登り、大阪を見晴らす。
展望台好きを公言するという兄が舌を巻いていた。スカイツリーは高さでは全然ハルカスを凌ぐが、眺めても面白くない。建物は小さすぎるし、ハイライトが感じられない。ハルカスはビルだけあって、展望台というか展望フロアは広く、ガラスは全面。ゆったりと過ごせるカフェもあるし、やらないけど高いところを歩ける体験もできる。
梅田も難波も新世界も淡路島も南港もヨドコウも前方後円墳も新地も四天王寺さんも動物園もよく見える。足元には村野藤吾のもと事務所も、村野さん設計の南大阪教会も見える。大阪を知っている人ほど、たぶん楽しめる。観光客が多いかもしれないが、大阪人こそ来てほしい場所なのだ。
自転車二人乗りして天王寺まで来ていたあの頃の僕らだって見下ろせるのだ。橋の上でゆずのコピーしてた友だちも見下ろせる。
ずいぶん変わってしまったけど、カオスなところはまだまだある。天王寺、すき。

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