見出し画像

冬の御岳山も、いいもんだ

昨年の話になりますが、12月初旬、友人でnote仲間でもある下村さんと、東京都青梅市の御岳山へ行ってきました。
コロナ前に何度か滝へご案内したことがありましたが、山滝ハイキングをご一緒するのは初めて。今回は、山と滝を両方楽しめるコースにして、JR中央線御嶽駅からスタートです。

御嶽駅は関東の駅百選のひとつ。「ホームが山の斜面に位置し、駅舎が古風な神社造り」が選定理由とか。

御岳山へ行くには、駅からバスに乗り、その後ケーブルカーで登るのが一般的ですが、今回は歩きます。下村さんは100キロマラソンを完走するランナーなので、なるべく歩くコースにしました。

御岳渓谷の遊歩道にて。
御岳山がいちばん美しいのは、新緑と紅葉。
新緑は、山も川もきらきらと輝き、紅葉は、あたり一面が錦の絨毯です。
紅葉が終わった12月は、シーズンオフ。ときおり色褪せた紅葉が残っているものの、葉は落ち、草木は枯れて、閑散としています。
でもこの静けさ、わたしはけっこう好き。

バスだと10分もかからずケーブルカー乗り物の滝本駅に着きますが、歩くと40分くらいかな。御岳渓谷は苦労なく歩けるのですが、この鳥居から先は、なにげに傾斜がキツくてこたえました。

滝本駅に到着。

ケーブルカーで6分のところを、約1時間かけて登ります。その前に、鳥居の左の杉に注目。

「滝本の大スギ」
参道の杉並木のうち最大のものである。
(中略)
乗り物の便のなかったころ、ここまでやっとたどり着いた御岳道者たちが、落ちる滝水をうち眺めつつ一息入れるのは、いつもこの木のところであった。
掲示板より

ほう、「滝水」ですって!

鳥居の右手に落ちている、こちらのことですね!
わたしも「落ちる滝水をうち眺めつつ一息いれ」たいところですが、真上にある駐車場が気になる…。今は味気なく感じるこの場所も、かつては一息いれる好スポットだったのでしょうね。

ここからは九十九折のアスファルト道を登っていきます。

御岳山はケーブルカーで楽々登れるので、お手軽なイメージがありますが、歩くとやっぱり山でした。いつもはケーブルカーを降りて、山頂の武蔵御嶽神社に着くと、「さあ、ここからがスタートだ!」と思うのですが、今回はすでに足がガクガクです。

この階段がツラい…。

安全で楽しいハイキングとなりますように、とお参りして、いよいよ本番です。ちなみに御岳山の標高は929m。ちょっとキツめの準備体操でしたね。

御岳山には、七代の滝と綾広の滝があり、今回はこのふたつをめぐりながら歩きます。
まずは七代の滝へ。せっかく登ったのに、一気に急坂の登山道を下りて向かいます。

七代の滝は、大小8段の滝が連なる全長約50mの大きな滝です。でもふつうに観られるのは、下から4段目のみ。わたしは、どうしても、その下の滝が観たかった。
そこで、登山道からワープして行ってみました。(注・道はありません)

七代の滝の(たぶん)2段目と3段目。
狭まったゴルジュがカッコイイ!!

写真はピンボケで残念ですが、ぽっかりとした空間と、まるくて深そうな滝つぼが神秘的でした。滝の水が、長い時間をかけて岩を侵食していったのでしょうか。自然が創る美しさと凄さに、思わずため息が出ました。

登山道に戻って、七代の滝へ。
ハイキングコースで観ることができるのは、この部分です。

滝の前が開けていて、休憩場所にちょうどいい。すぐそばまで行けるので、滝飛沫も存分に楽しめます。
下村さん、七代の滝は初めてだそうで「歩いていく滝はいいなぁ」と仰っていました。
それ、分かる。気軽に行ける滝より、歩いてたどり着く滝のほうが「逢いにきた」という気持ちになるんですよね。

冬の陽は森の中まで差し込まず、明と暗のコントラストが鮮やかです。

木々の間の景色を映して、水面は黄金色に。

七代の滝を楽しんだら、次は綾広の滝へ向かいます。がっつり下りたぶん、今度は登る。

七代の滝に沿って、鉄階段を登ります。4段目より上の滝は、ロープが張られており、(いちおう)行けないようになっています。

最後に根っこのジャングルジムを登ると、ロックガーデン(御岳岩石園)というハイキングコースに到着。

案内板によると、昭和10年、東京緑地計画に基づいて、渓流と露岩などを利用して作られたとか。歴史あるハイキングコースです。

ここは、明るく穏やかで、まるで天国みたい。

新緑や紅葉のロックガーデンは、たしかにとても美しいです。でもわたしは、冬も好き。さっぱりとした山、澄んだ空と濃い影が、なんだか神々しい。

コースの最後に、綾広の滝があります。
武蔵御嶽神社のみそぎの行事に使われる、落差10mの滝。規模は小さいですが、幽玄な雰囲気が漂っています。

パワースポットとしても人気があり、多くの方が立ち寄っていました。

このあと、どこを歩こうか下村さんと相談して、日の出山を経由して白岩の滝へ下ることに。

埴輪のような天狗の腰掛け杉を通って、日の出山へ向かいます。

日の出山山頂 902m

そのまま麻生山へ。

麻生山山頂 794m


ここまでアップダウンを繰り返しながら歩いてきましたが、この先は下りになります。

麻生平。少し陽が陰ってきました。

白岩の滝の源流。ここからは沢沿いを歩きます。

小さな滝が続くタルクボ沢

白岩の滝の、すぐ上にある滝。流れが優美で、お気に入り。

白岩の滝を横に眺めながら、下りていきます。

白岩の滝・上段。
スタートに寄ることが多い白岩の滝ですが、今回は最後に。
冬の滝は、水量が少なく、色味もさみしいですが、枯れた感じもいいものです。けっきょくのところ、春夏秋冬、いつでも滝が好き(笑)
「この滝も良いなぁ」と下村さん。歩いたあとに観たので、余計に沁みたかもしれません。

白岩の滝・下段。

白岩の滝遊歩道の入り口にある、小さな滝を過ぎると、ハイキングはおしまい。
バスでJR五日市線の武蔵五日市駅へ向かいました。

帰り、乗り換えの拝島駅にて。富士山が見えました。

山滝ハイキングは初めての下村さんでしたが、「良いコースでした」と仰ってくださいました。山と滝、どちらも楽しんでもらえてよかったです。

飲み仲間でもある下村さん。
良かったら、またお付き合いくださいませ。

この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

山であそぶ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?