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風にのって

ご無沙汰しています。

去年の夏を過ぎたあたりから、なんだか慌ただしくなり、目の前のことをこなすのが精一杯でnoteから遠ざかっていました。

ちょうど今の職場に就職して、一年ちょっと経った時期でした。
職場では、非常勤だけど専門職として働いていますが、実力が伴わなくて。
そこで、もっと勉強しようと、ある研修に申し込みました。
その研修では同業の先輩方に話を聞く課題があり、職場の上司や、知り合いや、かつての同級生にお願いして時間を作ってもらいました。
そのときに感じたのは
「みんな信念を持って仕事しているんだなぁ」
ということ。同級生なんて、わいわい飲んでいた記憶しかないのにね。

そのときに、この仕事に就いたきっかけから今までのことも聞かせてもらいました。
みな、いろんな物語があって、紆余曲折しながらここにいて、そのすべてが信念に繋がっている、そんなことをひしひしと感じました。ふだんの姿からは見えない、その人の熱さに触れて、一年ちょっとの経験ではまだまだだよな、と思った次第です。

そして、学びってゴールがないよね、ということも思うようになりました。
若い頃は
「これを学んだら(卒業したら、合格したら等々)、一人前」
と思っていたんですよね。私の場合、資格を取って就職したので、いちおう自分の中では一人前なんだけど、いつまでも半人前のままで苛立っていました。どうすれば一人前になれるんだー!と、もがいたり、迷走したり、自信がなくなったり、けっこう苦しかったです。
先輩方も、もしかしたら同じだったのかもしれません。働きながら資格を取ったり、大学院に通ったり、勉強会に参加したりと、現状に迷ったら学ぶことを選んでいました。
「学ぶことで何か変わりましたか?」
という私の問いに
「自分のやり方が、理論に裏付けされて自信となった」
と、みなさん同じことを答えていたのも響きました。

もうひとつ、学びについて最近感じたことがあります。
趣味で茶道の裏千家を習っているのですが、縁あって一昨年から表千家も習うことになりました。とはいえ私は物覚えが悪いので、大丈夫かなぁ、と不安もありました。
茶道は、動作のひとつひとつが決まっていています。そして裏千家と表千家では、ほぼすべてが微妙に違う。お点前しながら、これはどっち?と混乱することも多いです。
でも、道具を運んで、お茶を点てて、片付けるという流れは同じ。
次第に、違う部分と、同じ部分が見えてきて、不思議と以前よりすんなりできるようになりました。
友達にそんなことを話したら、
「立体的に見えるようになったんだね」
と言い表してくれたのでした。
この気付きは、大きかった。
私は不器用なので、ひとつひとつ正面から取り組まないといけない、と思っていたのですが、必ずしもそうではないのですね。行き詰まったら違う方向から取り組んでみる。なんなら少し放っておいて、ほかのことに取り組むのも良いのかもしれません。

冒頭の写真は、夏にシャワークライミングのツアーで出会った友達が撮ってくれたものです。
神奈川の丹沢にある大棚という滝なのですが、ずっと行きたいと思いながら行けずにいた場所でした。滝だけならひとりでも大丈夫そうだけど、せっかくなら山も登りたい、でも山はちょっと不安、と躊躇していたのです。
ツアーで一緒になった彼女は丹沢の山に詳しくて、コースをいろいろ聞いているうちに
「今度一緒に行きましょう」
となり、実現したのでした。
沢に沿って登山道を歩き、天から降るような滝の前に立って(大棚はまさにそんな滝!)、峠で幾重にも連なる稜線を眺める。滝と山の繋がりを感じ、自然の美しさや雄大さを満喫しました。そして、この人と出会い、このタイミングで行けて良かった、と思いました。

一見脈絡なさそうなこれらの出来事は、私の中で少しずつ結び付き、かたちとなっていきました。
私は今、仕事に活きる力をもっと身に付けたい、と思っていること。
そのためには、ひとつの方向からではなく、いろんな方向から学んでいきたい、と思っていること。
関心のある物事はきっと縁があり、良いタイミングで目の前にやってくること。そのときに受け取れるように、心づもりしておくこと。そんなことも思っています。

この半年ほどの間、風にのって、いろんな出来事が運ばれてきました。そのひとつひとつにメッセージがあるように感じています。
それらを受け取りながら、私自身も風にのって、学び続けていきたいと思っています。

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