見出し画像

友と滝へ行く 

9月のある平日、山梨県北杜市に移住した滝仲間・絢子ちゃんのところへ遊びに行ってきました。
ここ数年、コロナ禍や、家族や私のいろんな変化があり、気持ちを内側に向けて過ごしていました。そのおかげで自分を振り返ることができたし、次の一歩が踏み出せたと思います。
でも、そろそろ、自分の「楽しい!」も大切にしたい。そこで、仕事が休みの平日に、遊びにいくことにしたのでした。

子供の弁当を作ってから家を出て、自分は駅弁を買って特急あずさに乗車。母もたまには誰かが作ったお弁当を食べたい!

小淵沢駅で待ち合わせして、絢子ちゃんが車で最初に案内してくれたのは大滝神社。

社殿のとなりからこんこんと水が湧き出しています。清洌な湧水が筧から流れ落ちる音を聞いていると、心が静かになるような気がしました。毎日、要領悪くばたばたと仕事して、家事して、そんな日常から少しずつ離れていくかんじ。

本日最初の滝は、吐竜の滝(どりゅうのたき)。
しっとりと靄がかかって、いい雰囲気!
吐竜の滝は、潜流瀑といって、山の斜面から湧水が流れ落ちるタイプの滝です。山が育んだ恵みをダイレクトに感じられて、とても好き。

右に左に移動しながら、お気に入りのポイントや、今の自分にグッとくる場所を探していきます。いろんな人を滝へ案内し、魅力を伝えている絢子ちゃん。彼女に声をかけてもらいながら、滝との対話を楽しみました。

次は千ヶ滝。
美味しいサンドウィッチを買って、滝を眺めながらのランチです。
吐竜の滝も開放的な明るい滝だったけれど、こちらはさらに豪快。一緒にいたら絶対に楽しいタイプ。滝しぶきもブワーッと舞って、清涼感たっぷりです。
滝の気持ちよさ、心地よさを存分に味わいました。

そして大滝。こちらは私、初めてでした。
岩肌の紅、濃淡さまざまな緑、滝の白、滝つぼの深い青…なんて鮮やかなの! まるで絵画のよう。

前のふたつの滝と比べて、タイプも全然違います。吐竜の滝、千ヶ滝が陽なら、大滝は陰。それが良いとか悪いとかじゃなくて、どちらも魅力的です。じつは私、大滝にいちばんグッときました。神秘的というか、セクシーというか、かっこいいわぁ!!

滝の下流に架かる橋も素敵。(渡るときはちょっと怖かったけど)
どこを見渡しても絵になる空間で、うっとりしました。

ここまで車を降りるとすぐに到着する滝たちでしたが、次は少し歩くようです。ひとつ前の千ヶ滝の近くまで戻って、森に入ります。

絢子ちゃんと私は、滝が好きで知り合った友達。年齢も仕事も全然違います。それでも共に滝へ行き、滝の前で語り合って、いろんな刺激や気付きをもらってきました。

朝は曇りでしたが、昼頃から晴れてきました。
陽が差し込む渓流を眺めながら、満たされた気持ちで歩くこと約20分。

本日最後の宮司の滝(ぐうじのたき)に到着です。こちらも私は初めて。
少し離れた橋から全体を眺めます。それがまた良かった。

宮司の滝を、陽か陰で分けるなら陰だと思うのですが、ちょっと違う気がするんですよね。ひとつの滝に、いろんな流れがある。
右側の優しい流れだけなら陰だけど、左側の威勢の良さは陽っぽい。優しさと激しさを併せ持つ、そんなかんじ。そして、写真では分からないけど、左の威勢の良い流れの奥に、岩肌に沿ってさらさらと落ちる流れもありました。それは、秘めている部分か、それとも自分でも気付いていない部分か。

…そんなあれこれを、絢子ちゃんと話し合いました。滝好きじゃないと出来ない会話です(笑)
滝は無機物で、その造形に意志や意図がないからこそ、自分の思いを素直に重ねられるような気がします。そこからうまくかたちにならなかった感情が、ふっと言葉になることも。
絢子ちゃんと話しながら、そんな諸々が出てきて、深いひとときとなりました。

夏から秋へ、季節のうつろいを感じながら、友と過ごした滝時間。
絢子ちゃんをはじめ、いろんな滝仲間に支えられて滝へ行っていた私ですが、ここ数年は距離を置いていました。コロナ禍で、自分が感染者の多い東京に住んでいることや、子どもたちの学校生活が変わってしまったことが大きかったです。
でもこの日、絢子ちゃんと滝へ行きながら、誰かと共に観る楽しさをしみじみと味わいました。

変わっていくことは自然なことで、変化を受けとめながら少しずつまわりと馴染んでいく、調和していく。そんなことも、滝を見ながら感じたことでした。
私自身も、ゆっくりと変化している。それが良いとか悪いとかじゃなくて、自然なことだと受けとめていこう。そして、変わっていくことを楽しもう。

絢子ちゃん、ありがとう。また遊びにいくね!

この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?