新築戸建賃貸の企画と進め方

新築戸建を企画してみて、感じたこと・こうすれば良かったこと等のまとめです。これから新築を計画する方の参考になれば幸いです。(随時加筆中)

土地の仕入れ

不動産ジャパンとアットホーム、地場不動産より更地引渡し、上下水引込済の相場より安い土地を探します。(下水の公共桝が無い場合は受益者負担金が納められている土地か役所でチェック)立地はファミリー層をターゲットにしたいため小学校及びスーパー近くの一種低層住居地域をメインに探しました。土地面積は建蔽率を考慮し、延べ床30坪の2階建て(近年、一番ポピュラーな建売モデル)が建築でき3台の駐車場が確保できる坪数がベストです。建蔽率は各自治体の都市計画を確認しましょう。用途地域による境界からのセットバック距離も重要です。

賃貸需要・想定賃料の調査

収支計算を行うための新築プレミアムの考慮された賃料の調査についてです。私のエリアは新築戸建賃貸が全くないエリアでしたので、大東建託の新築家賃の確認や地場不動産屋やターミナル駅の不動産屋へのヒアリングを行い決定しました。

一番参考になった話は地場不動産屋とのヒアリングで町中の賃貸需要やターゲット、反響、競合物件のスペック・空室率など具体的な話が掘り下げて聴けます。

あと周りより家賃を高く設定することによる考察ですが、①高品質の住宅②賃貸派の借主③家賃補助のある会社

上記条件が揃えば住宅ローンの返比を超えた家賃設定でも戦えます。

建築費用の算出

各社の建売間取り図等から建てたい間取りの決定を行い、一般的な建材で建築ための仕様書を入手します。ローコストハウスメーカーのカタログ等に記載があったりしますので利用しましょう。間取りと仕様が決まったらその同一条件で、見積り依頼を行います。見積り先は地場工務店、パワービルダー、設計事務所等より5社程度とることをお勧めします。各メリットデメリットは下記のとおりです。

パワービルダー:○○ビルド、○○グループ等大手で分譲や建売を行っている会社。企画住宅となり坪単価は安いが融通は利かない、追加オプションはかなり割高。人件費を削っているため現場監督が施工管理をできていない印象で施工も荒いか。見積り担当や設計担当がおり、分業化できているため施主の待ち時間は短いです。○○ビルドは施工単価が単価表として用意されており一般ユーザー用と建売業者用のものが存在します。建売業者用の単価表は配られていないため気になる方はメール頂けましたら対応します。

地場工務店:デザイン力や提案力は弱く建築基準法・都市計画法などの法律関係の知識も不安が残るが、積上げで見積りしてくれる会社は融通が利き適正価格で変更設計も対応可能。会社によるレベル差が激しく見極めが難しい。知り合いや職人の口コミを参考に最良の会社を見つけたいところ。図面作成や見積りにかなりの時間を要します。

設計事務所:設計監理を建築士に委託する形となる。ビルダーは設計事務所に付き合いのある工務店何社かと入札となり設計事務所と工務店が仲がいいため一般ユーザーより割安に施工してくれる傾向。建築費と別に設計監理費を払う必要があるため割高になる傾向がある。施主の明確な思いを伝え設計に反映させる必要あり。設計士によっては賃貸の知識が全くないため優秀な設計士を探す必要あり。施主がマネージャーとなれるくらいのマネジメント力がないと設計士や工務店をリードできない可能性ありです。

私は各々に相見積りをとり、最終的には設計事務所に依頼することとなりました。この方は賃貸に関する知識はありませんでしたが、地元ではそれなりの建築数であり抱えている工務店が2社だったため、ある程度の発注量を各社に提供しているためスケールメリットで割安に発注できると思い採用しました。

上下水道、付帯工事、諸費用の算出

面倒な方はトータルで見積りをもらいましょう。ただし、見積りは割高になる傾向があるため知り合いの業者等に頼んだほうが安いことが多いです。ちなみに上下水道工事は市の指定業者でないと施工できません。下水道工事は下水道負担金が納められている土地であれば公共桝までは役所が施工してくれます。ちなみに、このあたりの見積り作成はパワービルダーが早くて段取りいいです。分筆や保存登記、ローン諸費用なども意外とお金がかかります。

コストカットの工夫

掃出し窓の削除で一箇所あたり15万の削減

クローゼットの削除で一箇所20万の削減

外壁をシンプルな形状にして0.4万/m2の削減

フローリングからメンテしやすいタイルフロアに変更0.2万/m2の削減

掘削土砂は現地敷均しで処分で約10万の削減

オール電化からプロパンガスに変更。ガス工事、ガスコンロ、エコジョーズが10年無償貸与に。約20万の削減

量産クロスでもオシャレに見える配色にする。AAクロスと比べm2あたり300円の削減

屋根を切妻から片流れにすることにより屋根面積の減、ロフトも使いやすい形状に

ロフトへは固定階段から収納兼ねた棚兼用の階段に変更、約15万の削減

道路法24条等の書類作成は自分で行うことにより1案件約10万の削減

利回りの計算

建築費や諸費用の見積りが揃うと、想定年間家賃/(土地+建物+諸費用)*100で利回りが出ます。それをもとに、事業計画書を作成し金融機関を回りましょう。融資期間は一般的に木造住宅で22年から25年の回答を頂けました。イールドギャップ10%前後、空室率95%でシミュレーションしてもCFでるようなら安全かなと思います。(基本的には何があっても大丈夫なように他の所有物件でリスクヘッジしましょう)

現状の建築プラン・コンセプト

建築内容ですが希少性と地盤改良費や維持管理費を削減するために、平屋建としました。

希少性ですが①町内に新築戸建賃貸がないこと②競合物件の延べ床60m2程度、自社物件80m2程度③小学校徒歩3分の立地、立地適正化計画の中心部④20畳弱のリビング、大空間の吹抜け、広いロフト、1616ユニットバス⑤ガルバリウム外壁と片流れ屋根のシンプルなデザイン⑥駐車場3台

上記の内容で勝負してます。

次にコストですが、地盤改良で50〜100万かかります。また、定期的なコーキング打替えを削減するためガルバリウムの外壁材を採用してみました。

なお、下記は概要となります。

延べ床:約24坪(内ロフト6坪)

駐車場3台(土間Co)

外壁、屋根:ガルバリウム鋼板

断熱材:グラスウール

内装:タイルフロア、量産クロス(一部AAクロス)

建築費(税込み、設計監理費含む):1050万

請負契約

仕様書、図面、見積書が完成すると請負契約となります。(続く)

不動産や株式投資のノウハウを実体験をもとに感じた事を書いています。もしよろしければ、サポート頂けたら嬉しいです。