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ピルスナー・ウルケルの注ぎ

ピルスナー・ウルケルPilsner Urquell)は言わずと知れたピルスナーの元祖であり、ラガービールの醸造方法の基礎となったビールである。と言われている。

このピルスナー・ウルケルには、ミルコと呼ばれる独特の注ぎがある。チェコ語の「ミルコ Mlíko」とは英語の「ミルク Milk」、つまり牛乳。牛乳のように、まっ白な泡だけの状態でグラスを満たすのだ。

近頃、ピルスナー・ウルケルを常設するビアバーが増えており、お店で注ぎ分けを目にした方もあろうかと思う。
タップスターの来日イベントや、日本人タップスターの認定者が増えるなど、ABインベブ傘下に入ったことや、ABインベブと提携するサントリーが
後押ししているのが影響してか、結構盛り上がっているっぽい。

調べてみたら、ミルコだけでなくいろいろな注ぎ分けがあるようで、あちこち見て回ったところ、だいたい3~5種類が紹介されていた。
日本ではハラディンカ、シュニット、ミルコの3種に絞って展開しているようだ。

Na Dvakrát

ナドヴァクラットと読むらしい。
なんだか豪快な印象だが、ビール液を注いだ後に泡を上乗せする、日本のラガービールでおなじみの、ある意味普通の注ぎ。
炭酸が強く感じられる、爽快な飲み口となる注ぎだとか。

Hladinka

ハラディンカとかフラディンカとか読むらしい。
ナドヴァクラットとは逆に、まず泡を注いでから、泡の下にビール液を注ぐ。先に泡を注ぐことで程よく炭酸が抜け、喉越しが滑らかになるのだとか。
ピルスナー・ウルケルではこの注ぎが標準

Šnyt

シュニットと読むらしい。
ブルワーやバーマンがテイスティングのためにする注ぎで、グラスの上部に空間を残し、泡をやや多めに注ぐ。
グラス上部に残した空間によって、ビールの香りが豊かに感じられるそうだ。

Mlíko

ミルコだかムリーコだかムレーコだか。
泡だけを注ぐ。炭酸がほとんど抜けた状態となり、クリーミーな泡の風味を楽しめるのだそう。
時間が経つと、気の抜けた少量のビール液だけが残る。そうなる前に飲みきるべし。

Čochtan

チョフタン
ミルコとは逆に、ビール液だけ注ぐ。
泡がない分、香りの立ち上がりが良くなるが、酸化しやすくなる。速やかに飲まないと、みるみる劣化する。ラガーは酸化しやすい。

 
 
 

さすがに歴史の古いビールだけあって、注ぎにもいろいろな工夫とかこだわりとか目的があるようで、面白い。

これいろんなビールに応用してみると楽しいかも。
スタンダードでシンプルなビールほど、注ぎの違いが、香りや味わいの違いに現れることだろう(スーパードライの注ぎ分けが界隈では有名)。
少量づつ並べての飲み比べも試してみたいものだ。

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