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アリエッタ「優しいニンファのマリンコニーア」(ベッリーニ)

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、ベッリーニ作曲の『アリエッタ「優しいニンファのマリンコニーア」』です。(数字は27-211・名曲解説全集補3巻-P211)


ヴィンチェンツォ・ベッリーニ先生。1801年-1835年(33歳)の、イタリアの作曲家ですね。

4年目前にドニゼッティ先生が生まれ、2年後にベルリオーズ先生が生まれる、そんな時期です。


祖父・父は教会音楽の作曲家・オルガニストで、3歳ころから音楽を学び始め、6歳ころにはをしていたという、神童。

18歳ころには、ナポリの音楽院に入学し、在学中の24歳ころには最初のオペラ『アデルソンとサルヴィーニ』を作曲しました。

そしてこの作品が、いくつもの劇場の支配人をしていたバルバイアさんの目に留まり、サン・カルロ劇場からの依頼で『ビアンカとフェルナンド』を翌年には作曲し、成功をおさめます。

そしてその成功をみたバルバイアさんは、とうとうミラノ・スカラ座のための作品を依頼し、『海賊』を作曲。大成功を収めます。ロッシーニ先生がいなくなった後の後継オペラ作曲家としての地位を築いていきました。

ベッリーニ先生、この音楽院在学中に、オペラだけではなく声楽曲・交響曲(シンフォニア)・協奏曲も作っています。


本日の曲『アリエッタ「優しいニンファのマリンコニーア」』は、3作目のオペラの成功のあと、4作目のオペラ『異国の女』が完成された同じ年に作られた声楽曲です。そうです、名声を得ているその時期の作品という事になります。先生、28歳ころの作品です。

ちなみにこの2年後の30歳ころには、今日の先生の代表作『ノルマ』が完成し、33歳には先後の作品『清教徒』を作り、大成功を収めたまま亡くなります。


本日の曲『アリエッタ「優しいニンファのマリンコニーア」』は、「6つの室内用アリエッタ」として出版された、第1曲です。

ニンファ(イタリア語)=ニンフ(英語)は、ギリシャ神話に出てくる女神・精霊・妖精みたいな位置付けの方。

マリンコニーア=音楽用語の1つで、哀愁、悲哀、憂鬱みたいなイメージ。

これだけみると暗いイメージになりそうですが、人が本来見る事を許されないニンファを賛美し、願いが叶えられた喜びを歌っているそうです。


ロッシーニ先生、ドニゼッティ先生とともにベルカント・オペラを代表する作曲家で、ベルリオーズ先生やワーグナー先生、ヴェルディ先生にも大きな影響を与えています。

ベルカント・オペラは、「声自体の美しさや、自然なフレーズ間で歌う唱法を用いたオペラ」という感じでしょうか。歌唱装飾技巧に多くを求めず、力強い歌唱でドラマを表現するようになっていきます。


そんなベッリーニ先生、以前にも増して、言葉と音楽とを密接に関連付けようとしており、歌詞は正確に発音され、言葉もアクセントと旋律は一致し、感情を伴って歌われますが、言葉の意味の重視よりは、旋律と歌詞の音楽的な一致が重視されているようです。


2分に満たない短い作品です。

前半と後半で曲の雰囲気が変わりますが、確かに、上記を踏まえて聞くと、なるほどなと思います。

全体の雰囲気は、明るい印象です。


短い生涯だった事が悔やまれます。


本日の音源は、Rosenblatt Recitalsさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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