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2019/8/15

終戦記念日。
そして、私の亡くなった父方の祖父の誕生日だった。
とはいえもう14年もお祝いしていないから、毎年この日にお祝いしていただけで、8/16が誕生日だったのかもしれないとも思う。

私の祖父は海軍で、遠い南の島で戦っていたという話を、誕生日の日に親戚で食卓を囲みながら聞かされていた。
祖父の戦友が目の前で撃たれた話とかも、包み隠さず聞かされた。
亡くなってから随分たつので、もうその話も聞いてないけれど、毎年聞いていたから大体の話を覚えている。
幸い戦闘が激しくない部隊で、祖父は元気に戻ってきたようで、私にとってはそれがとてもありがたかった。
なんとなく最近の世の中というものが、その昔を生きてたわけではないのに、悲しい時代に近いものを感じとるのは、祖父の話が戦争の始まるところから終わるまでを、詳細に聞かされていたせいかもしれない。
2度と繰り返されず、悲しいことを新たに知ることなく戦後のままで時代が進んでほしい。

祖父は料理好きだったようで、海軍仕込みのビーフシチューを毎年この誕生日に自ら振る舞ってくれた。
近所のお肉屋さんで、塊で買ってきて、牛すじをことこと煮込むこと1日。
あくをとってまた煮込んでと、2~3日くらいかけてつくられるビーフシチューは、丁寧ながらも男らしく大雑把に切られた野菜が煮くずれていた。
それが泣くほど美味しくて、でも勿体ないからちびちびバゲットにつけながら食べて、また来年も食べれるよう、長生きしてほしいと毎年願っていた。

夏の暑い日なのに、今でもこの日はビーフシチューが食べたくなる。
レシピ残していってくれたらよかったなぁと思いつつ、今年はローストビーフを食べた。

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