講師は二流がやるもの

昔、僕が舞台監督をやり始めた頃、先輩舞台監督がとある専門学校で裏方スタッフ養成の講師をされていました。

別の舞台監督はそれに対して「講師をするのは二流だからだ。一流はそんな暇がない」と言ってて、その時は僕もなるほどなぁ、と納得していました。

時は流れ、数年前から吉本のスタッフ養成所から講師のオファーが来ました。上記のことはずっと覚えていましたが、そのオファーを快諾しました。

僕自身が一流じゃないのは解っているし、数いる裏方の中で僕を指名して貰えたことに対する感謝と、自分の考えを若い人に教えることが出来るチャンスを得れたからです。

講師のオファーを受けた時「養成所で色々教えて、舞台監督を目指して他社に入られたら、ライバルが増えて自分の首絞めるぞ?」と社内からの反発もありました。実際、舞台監督の会社はウチだけではないので。

なんて狭窄的な考えなんだろう…とため息出ました。若い人に追い掛けられても追い付けないくらいの仕事をすればいいだけだし、抜かれたら自分が悪いだけの話しで、若くて仕事が出来る舞台監督が増えるのは、個人を切り取れば悲劇かもしれないけど、舞台のことを想えば素晴らしいことです。

美談っぽく書いてますが、実際後輩に抜かれる気もさらさら無かったし、本気で後輩たちを突き放し、先輩を追い抜く気持ちでした。それは今でもそうです。

そして今となれば、自慢ではなく客観的にみて関西のお笑い系舞監の個別発注量は、現状僕が一番多いと思います。仕事は会社に発注が来るパターンと個人に発注が来るパターンがあります。

講師は二流だ」と言った人のスケジュールよりも遥かに忙しくても講師の仕事は楽しいし、技術的なことより、スタッフとしての心構えや、考え方を伝えることが出来るのが何よりありがたい。

実際はそんなに何回も授業をする訳ではないので、そこまで「先生」と名乗れるものでもないのですが…(^-^;

技術的なことは現場でイヤというほど学べるけど、心構えはこれからの技術向上の角度を高くすると思います。自分が誰の為に仕事をするのか、どんなスタッフを目指すべきなのか。何が喜ばれ、何が嫌われるのか。

(写真はNSCのTwitterアカウントから頂きました)

今年で四年目になり、生徒だった人が現場にも出てきています。講義で伝えた心構えやスタッフの在り方を現場で僕が実践出来ていなければ、あっという間に信用などもなくなるでしょう。

実際、技術スタッフを目指す人もいればマネージャーやプロデューサーなどに就く生徒もいて、彼らはあと数年すれば出世して今度は僕が仕事を貰う立場になります。

義務教育の学校の先生たちと僕はそこが少し違うのですが、オファーが来続ける限りはどれだけ忙しくても講師をやらせ頂きます。

偉そうに喋ってても、
現場で普通に怒られたりします。
失敗もします。集中力も欠如しています。
舞監としては不完全な部分も認識しています。

冒頭に先輩の舞台監督が何気なく言った「講師は二流の仕事」というのも、まぁ僕がやっている段階で間違えてはないのかもしれません(笑)

しかし暇だから講師をするのと、講師をする為に時間を捻出するのでは全然違うと思います。

いつか僕が教えたことあるスタッフばかりの現場の日が来れば面白いし、そんな時は舞台袖で

「NSCビジネスコース~!!」

と叫んだら元生徒のスタッフたちが

わー!!

と言いながら寄ってきて

金八先生のオープニングみたいに胴上げしてもらうのを夢見て

スタッフの養成に励みたいと思います(*^^*)

というか、わざわざYouTubeで「金八先生 オープニング」で検索して、タイミングのいいとこをスクショして、画像をトリミングして、貼り付けて…

もしかすると

僕は暇なのかもしれない。。。

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前田 拓也

舞台監督をしています。吉本新喜劇、漫才、落語、演劇、が中心です。 野球、将棋、囲碁、歴史、宇宙、深海、昆虫、AI、政治、宗教、百人一首、旅行に興味を示します。

考察

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