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【J2 第8節】Vファーレン長崎vsレノファ山口 ~マッチレビュー~

今節は最小得点の長崎vs最多失点のレノファという構図で若干の注目を集めた試合となりました。
結果は2-2のドロー。
その中で長崎の良かったところ、こりゃひどいなぁ〜って所を探しなぜこのような形になったのか僕なりに分析してみました。

スターティングメンバー

今節のスタメンはCBに初めて組む韓国人コンビを起用。前節スタメンの徳永に変えて左に香川、右に亀川を起用。FWに長谷川を起用しました。

▪️山口の配置
山口の配置は4枚のディフェンスラインに1枚のアンカーを配置。この利点は4-4-2のフラットの2トップを1枚削り、ライン間に掃除役であるアンカーを配置してスペースを消すことが1つの利点と言われている。

山口の攻撃と長崎の守備

▪️山口の攻撃
まずは山口の狙い?と言うか多かった攻撃の形を簡単に僕なりに説明します。
山口の攻撃で多く見られたのが、右サイドの3人の関係です。
SBの前選手がインナーラップしてIHまたはFWの選手がサイドに流れます。そのIHまたはFWに食いついた長崎のCBが元々居た場所に大きなスペースが出来たところをつくのが山口の1つ攻撃の形に見えました。
この形は3 on lineに似たような形に見えました。狙ってるのかはわかりませんが、スペースの作り方とそのスペースの使いたかは素晴らしかったです。

▪️長崎の守備
この試合の長崎の守備は散々でした。
それは全体もそうですが、ディフェンスラインの統率力のなさが目立ちました。
裏の取られ方であったり、ラインの上げ下げ、コーチングなどが目立ちました。
韓国人の2人という事で、2人の間にコミュニケーションの問題はなかったと思いますが縦関係(DFとMF)のコミュニケーションがなかったのが原因なのかと思います。

手倉森監督の指示ではディフェンスラインを高く保てと言うコーチングがありました。
しかし、立ち上がりの2失点でディフェンスラインは下がりライン間が広くなる傾向もありました。
そこに、MFとDF間でのコミュニケーションがあれば全体でリトリートする事もできたしボールフォルダーに対してもっとプレスをかけてディフェンスラインを高く保つ事もできたかと僕は分析しました。

残念ながら1番中途半端な形になったところで2失点をくらったことになり、非常にもったいない失点になりました。

▪️失点シーン
2つの失点シーンを振り返ると互いに裏を取られたという共通点があります。

最初の山口の攻撃で紹介した形から簡単に裏を取られました。
イ・サンミンは相手IHにつられてサイドまで流れてしまいました。
ここまでCBが流れてしまうともちろんそこには大きなスペースが出来ます。
それに対してキュベックのカバーリングの距離も遠ければ黒木もマークをもってるのでサンミンのカバーは難しい状況です。
最後に決めた選手をマークしていた吉岡も完全に相手を見失っています。(これが山口の狙い)
この現象は全体のスライド・マークの受渡し・サンミンの判断などからズレが生まれてスペースを与えてしまった失点です。

2失点目はシンプルに無責任なラインコントロールです。
キュベックは相手を見ているにも関わらずラインを止めてしまいました。
そしてなぜ亀川が間に合わなかったかと言うと攻撃に備え高い位置をとっていたからです。
亀川の戻りが遅れたこともひとつの原因ですが、やはり失い方が悪かっただけに難しい局面でもあります。
これは非常に残念でもったいない失点です。

残念ながらCBの2人に判断のミスが出てしまいうんでしまった失点です。
しかし、CBだけのミスではありません。それまでの過程を見てみれば失い方が悪かったり、マークの受渡し、ボールフォルダーへの寄せの緩さなどが出た失点でした。

長崎の攻撃

この試合の攻撃は悪くなかったし今シーズンで1番連携の取れていた形も見られたと思います。
その中でも目立っていたのは澤田です。
両SHが中に入ってサイドレーンをSBに使わせると言った形で攻撃に持っていきました。
中に厚みを持たせ、黒木が下がってCBを含めた3人でビルドアップ、もしくは相手が1トップだったので2CBでビルドアップと言う形でした。
相手のアンカーの両脇にはスペースがあります。そのスペースを長谷川・玉田・澤田・吉岡が上手く使いながらそこを潰されたらチャンネルランと言うように狙いにも見えました。

バイタルエリアに侵入するシーンはココ最近の試合と比べても増えた傾向にあると思います。
それはやはり澤田・吉岡のポジショニングが効いているのかなと思います。

そして、今節は2トップの一角に入った長谷川も高さをいかして起点になるなど存在感を示しました。

ポジティブトランジション

今節僕が変わったなと思ったのはポジトラです。(守→攻)
相手ボールを奪った次のパスがほとんどバックパスではなく前へのパスが多くなったように感じました。
その1つの要因として、早く攻撃に持って行くと言う意識から前にサポートをとる選手が増え、FWには起点になる長谷川がいてそこに上手くボールが収まっていたからだと思います。
特に両SBの運動量は素晴らしかったです!
アグレッシブに飛び出すSBのスプリントが目立っていました。

最後に…

今節は以上です。
不用意な失点で勝ち点3を逃したと言うようなゲームになりました。
しかし、失点には偶然はありません。
全ての失点が必然であり、その失点には必ず原因があります。
原因を追求し改善が必須です。
攻撃面では配置を崩しながらバイタルエリアへの侵入の回数が増えました。しかしバイタルエリアに侵入したあとのプレーの質、ラストパスの質、アイデアなどこれからまだまだ追求して行かないといけない事はたくさんあります。

僕はこの試合を見て思いました。
噛み合ったら必ず面白いチームになると。
チームとして戦術理解度を追求していければ必ず上位への道が開けてくると思います。
これからの長崎にも期待しましょう!

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