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【J2 第6節】Vファーレン長崎vs大宮アルディージャ ~マッチレビュー~

今節は長崎サポなら誰しもが注目したであろう大宮アルディージャ戦です。

かつて長崎を率いた高木さんが指揮を執る大宮との試合をどう見たのか僕なりに分析しました。
あくまで個人的な意見です。

はじめに…

長崎の4-4-2に対して相手は前節同様の3-6-1。
配置で優位にたつ相手に対して劣勢を強いられるが要所でいい形、新しい発見なども見られました。

CKからの失点で勝ち点こそ逃したものの明るい材料も中には見えてきたと僕は捉えています。
僕的には今シーズンの試合で1番おもしろかった試合に感じました!(相手が高木さんやったけんかな?😅)

スターティングメンバー

今節は右サイド大竹ではなく翁長を右サイドに起用。ボランチには黒木ではなく島田を起用してきました。

大宮の配置
大宮は立ち上がり4-4-2のフォーメーションでスタートしました。スタートしたと言うよりは相手を紛らわすためのに1枚ずつポジションを横にずらしただけでした。

実際、4-4-2の形を見せたのは立ち上がりの5分間だけでした。

大宮は基本3-4-2-1のシステム。
攻撃時にはボランチが脇に入ったりしてビルドアップに参加してますが基本CB3枚でのビルドアップでした。
守備時には両WBが完全に引いた5-4-1とディフェンスラインを5枚にしました。

守備の狙い

■大宮のビルドアップに対した長崎の守備
前節の愛媛戦では引きすぎてボールをキープされる時間が長くなった長崎はこの試合、いつもより前から行くと言うような姿勢が見られたように思います。
3CBでビルドアップする相手に対して、玉ちゃんとジョンホの2人で追いながらサイドハーフが両端のCBにプレッシングすると言うセオリー通りのプレスからサイドに追い込むのが長崎の狙いに見えました。

■自陣内での長崎の守備
極力ディフェンスラインとMFラインの間を狭めてファンマ選手への縦パスの遮断と中盤の選手に簡単にゲームを作らせないのが狙いのように見えました。

この試合よかったのはSHとSBの守備の連携でした。
SHが中途半端に前に出過ぎず、下がり過ぎず適切なポジショニングを取れたのが良かった点です。
SBがでた方がいいのか、SHが下がった方がいいのか。ここの判断のところで相手の判断を遅らせることができて、それほど効果的な攻撃をされてませんでした。
この点で言えば少し改善が見られたと思います。

守備に関してはほぼ崩れがなかったため、CKでの失点が悔やまれます。
あとはまだ被シュート数が多すぎます。

攻撃時の狙い・改善

いつも通りボールを保持しながら攻撃。
相手の守備時のフォーメーションは5-4-1。
WBが下まで下がって5バックを形成するため、どこにスペースができるかは明確でした。
5バックのメリットはコートは縦に5分割した時(5レーン)各レーンに人を配置して守備ができます。守備を固めたいチームが採用することが多いです。

キーポイントは相手の大前&茨田選手のポジショニングです。

このポジショニング次第で簡単に前進してゴール前まで行くことが可能になります。
例えば上の画像のポジショニングの場合、SBの前に大きなスペースがあります。
CBがボールを持った時そのポジションでSBがボールを受ける事が出来れば大宮の全線3枚を簡単に剥がす事ができます。
そしてそのままサイドで数的優位の状況を作れます。

逆に、大前&茨田選手がサイドを埋めるポジショニングをとるとします。

この場合は2ボランチのポジションがフリーになります。
島田&新里君がゲームを作る事が容易になります。
逆に、相手のボランチが島田&新里君にプレスを掛けに食い付いた場合その後ろのスペースが空き玉ちゃんとジョンホがそのスペースを使い、相手のバイタルゾーンに侵入が成功するのです!

このように相手の配置を見ながらどこにスペースが開くのかで攻め方が変わります。
しかし、これはあくまでも大宮がリトリート(引き込み)した場合の形であり、常にこのポジショニングを保てているわけではありません。
5バックを整えられた時今の長崎ではマンチェスターシティのように上手く崩す事はほぼ不可能に近いです。
そのため、長崎はカウンターがカギになったと攻撃面では思います。

**ポジティブトランジション 守→攻 **

この試合リトリートした時5バックになる大宮に対して長崎が狙うべきはカウンターでした。
大宮は攻撃時3バックでビルドアップします。
そのためポジトラ時、瞬間的に後ろ3枚の局面がうまれます。
要するに、相手WBに戻られる前にその空いたスペースを突くと言うのが長崎が狙うべきポイントでした。

時折奥井選手の出た裏のスペースを狙うランニングがジョンホ選手から見られました。
しかしそれをチームとして狙っていたのかと言うとそうではないように見えました。
カウンターを仕掛ける時のロングランは極端に少なく感じます。

長崎が改善すべきポイント

長崎に今もっとも足りないものなにか?
それはみなさんが分かっている通り『得点』である事に間違いはありません。
では、何故得点が少ないのか。
もちろん決定機を外すという事もあれば常に相手に攻め込まれ続けているから。という事も理由として考えられます。
しかし僕が考える1番の理由はカウンターへの意識の低さです。
2トップという優位性をいかせていないというのがひとつの要因です。
ボールを保持する事に重きを起きすぎるあまり、サポートの位置が常に下になっています。
長い距離を駆け上がり、前でサポートする事で速いカウンターに繋がっていくと思います。

呉屋・吉岡の可能性

後半途中から出場した呉屋&吉岡。
間違いなくこの2人が入ってゲームのテンポや流れが良くなったと思います。
吉岡は守備や中に切り込んでの左足のシュートなど、スローインのリスタートでも賢さや運動量を見せてくれました。
呉屋はバイタルエリアでボールを受けたり、裏への抜け出し、ニアゾーンを狙ったチャンネルランなど、決定機も演出。
2人の活躍には今後期待できる明るい材料になったと僕は思いました!

最後に…

今節は愛媛戦とは違い自分たちがボールを保持する時間がある中で、どのように前進して5枚のディフェンスラインを破るのかが重要になりました。
その中で攻撃面で紹介したようにスペースを共有する事が必要になります。
マンチェスターシティなどはこのスペースの共有や認知に長けています。
今季の長崎のようにボール保持からゴールを目指すためにはそれなりの個人の能力が求められるのです。
しかし、今節だけでなく6試合を通して簡単なパスミスやトラップミスなどが目立ちます。
戦術どうこうの前にそこの個人のミスを減らさなければポジショナルプレーは実現しません。

課題は山積みです。
そしてその課題は明確です。
次節は共にJ1から降格した柏レイソルです。
基本フォーメーションは4-2-3-1ですが、攻撃時は4-4-2のフラットになり守備時は4-1-4-1で全線から3枚でプレスを掛けてきます。
狙いは相手のアンカー脇です。そこのスペースを上手く使えるかと、柏は右サイドバックの小池選手が攻撃参加が持ち味なのでどんどん上がってきます。
守備から攻撃に切り替わった時にその裏をカウンターでつけるかも見どころになります!

次節の長崎の勝利に期待しましょう!
以上です!

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