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コンテンツを「そそられるもの」にするためにできること

※この記事は2022年3月23日にstand.fmで放送した内容を文字に起こしたものだ。


マーケティングの勉強をしていると、今まで気づかなかったことを色々と学ばされる。例えば「人が持つ好奇心」についてだ。人がどういう時に好奇心を感じていて、それを引き出してもらうために自分のコンテンツをどう作り込んで、届ければ良いのか?それをよく考えることが大事だということだ。
ところが、作る側になると途端にこれを忘れてしまう。そうならないためにマーケティングをよく知る必要があるんだなと思っているんだが、今回の話の肝になるのも、まさにこの「好奇心」という単語だ。

心理学者のジャン・ピアジェとダニエル・バーラインの研究によると、人間は期待していることと実際に経験することの間に最適レベルの乖離がある時、最も強い好奇心を抱くという。

例えば、「僕は昨日何時に寝たか?」みたいな、ほとんどもしくは全く期待していないものには好奇心をそそられる理由がない。一方、「金持ちになるための金の扱い方」みたいな強い期待を持つようなものに対しては、結論が「支出を削って投資に回す」という、至ってシンプルかつ実践しにくいものであるが故に、そういう「真実」の発見を避けようとする傾向がある。ほとんどの人が、もっと短期間でお金持ちになれるような方法を知りたいと思っているからだ。なのでこの場合もやはり好奇心のレベルは低い。
マーケティングでは、これら人間の好奇心のメカニズムを理解した上で、顧客に魅力的な知識を適量与えることによって最適な好奇心を生み出す必要がある。

では、そのためにどんなアプローチをしたら良いのか?それが、「コンテンツ・マーケティング」と呼ばれるアプローチだ。これは、顧客の生活に関係があり、しかも特定のブランドと強く結びついているコンテンツを作成・配信する一連の活動のことをいう。

代表的な例を挙げるとゼネラル・エレクトリック(GE)やなどがそうだ。
GEは科学に関連するコンテンツをWebサイトやポッドキャストで提供していて、その内容を顧客が詳しく探索すると、GE作ったブランドが魅力的なコンテンツの背後にあることに気づく。この構成によって、コンテンツを見た顧客はGEのブランドを高く評価する可能性があるのだ。コンテンツの構想・制作段階では顧客に関係があると同時にブランドにもつながるテーマを見つけ出す必要がある。

そして、コンテンツの配信の拡充をどうやってするかも重要だ。
コンテンツと一口言っても、記事やプレスリリースのような文書形式もあれば、コミックやゲームのような図形形式もある。それらを自分の扱うテーマとの相性を考えて選び、適切なメディアに掲載しなければならない。一番簡単な方法は自分たちのウェブサイトやソーシャルアカウントを使うこと。追加で予算が組めるなら広告を作るという手もある。
総じてポイントになるのは、コンテンツが「検索可能」で「シェア可能」であるということだ。そうして、顧客がいつでも簡単に身つられる形でコンテンツを掲載することが、コンテンツ・マーケティングの要になるのだ。

こうして見ると、コンテンツというのはただ作って終わりじゃないんだと、よく分かる。もちろん量は必要だが、どれをどう届けるか?そもそもテーマが適切なものになっているか?そういう土台を固めて策を考えることが、顧客の満足につながるということだ。消費者目線から言えば、興味をそそられるものを買いたくなるのは自然なことだが、いざ作る側になると、自分がこれまでどうやって商品を買っていて、その商品はどんな売り方をしていたかを思い出せなくなる。なので、自分が何か作る時こそ、消費者としての自分の行動を意識する必要があるし、自分が買った商品のことについても、よく研究して見る必要があるということだ。

参考文献: コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

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