見出し画像

間違った常識!?グレインフリーを正しく理解しよう!後編

どうも、takuです。今回も『現実的なフード選び』やっていきましょう。前回に引き続きグレインフリーについての話です。前回は、グレインフリーだけが正解とは限らないよ!!ということを解説しましたが、否定的な意見だけでは情報の偏りがひどいのでグレインフリーを与えるべき犬とはどのような犬なのかを解説した記事になります。よかったら最後までご覧下さい。

前回の記事はこちら→【前編】

◆ グレインフリーを与えるメリットとは

グレインフリーがもつ、獣医学的に正しいと言われているメリットはたったひとつです。それは、

『穀物に対して食物アレルギーをもつ犬へ与えることができる』

という点です。しかし、皮膚トラブルを見つけたら真っ先に食物アレルギーを疑う飼い主がいますが、皮膚トラブルの原因が食物アレルギーであることは珍しく、実際に割合として多いのは外からの刺激によるトラブルです。原材料の種類が原因なのではなく、栄養の偏りや体質によって皮膚のバリア機能が低下していることにより、デリケートな皮膚になっていることのほうが原因としては多いそうです。

『本当にメリットはそれだけしかないの?』

と思った方がほとんどかと思います。おっしゃるとおり、記事にするくらいなら当然それだけで終わるはずもないです。すべてのグレインフリーに共通して言えるメリットがこれしかないというだけで、もっと細分化すれば色々なメリットが見えてきます。

◆ グレインフリーとは、大きく分けて2種類ある

一言でグレインフリーと言っても、すべてが同じ特徴をもっている訳ではありません。大きくカテゴリー分けをしてみると

『機能性グレインフリー』

『生物学的グレインフリー』

この二通りに分けられますので、それぞれの解説をしていきます。

・機能性グレインフリーとは

なにやらそれっぽい呼び方ですが、私が勝手にそう呼んでみただけで、正式な何かではないです。

グレインフリーのメリットである、穀物アレルギー対策フードとしての機能性を持ち、一般的な飼育環境にある家庭犬の向けの栄養バランスが摂れるフードがこれにあたります。穀物の代わりに豆や芋などを使用していますが、栄養バランス自体は穀物を使用しているフードと同じような感じです。メジャーなところでいうと、『アボ・ダーム』や『スーパーゴールド フィッシュ&ポテト』などですかね。もう少し凝ったものだと『アディクション』や『ピナクル』などもありますね。一般的な家庭犬と同じ飼育環境にあり、食物アレルギー対策が必要な場合の選択肢になります。ヒューマングレードと謳っているグレインフリーは大体こっちですね。ヒューマングレードということもあり、肉食動物の食事!!みたいなグレインフリーとは別物です。しかし、

『ヒューマングレードとは原材料の安全性に配慮するものであって、それが肉食動物に合わせていないことにはならないのでは?』

と思われた方もいるかもしれないですが、次の項目をご覧いただければわかるはず。

・生物学的グレインフリーとは

肉食動物が食べている食事を再現することに特化したフードがこちらにあたります。肉食動物が食べている食事とは、捉えた獲物の肉や内臓、骨や腱などをまるっと食べることです。特に、私たち人間が普段食べている正肉ではなく、内臓を優先的に食べます。その理由のひとつが、内臓には肉食動物が生では食べられない植物から摂れる栄養が詰まっているためです。ビタミンやアミノ酸などが豊富なこともあり、嗜好性が高い部位です。野性動物のドキュメンタリー映像で、肉食動物が獲物の腹部を中心に食べて、正肉としてお馴染みの筋肉が豊富な脚部などは食べ残されている場面を見たことがある方もいらっしゃるかと思いますが、それは私たち人間が普段食べている正肉だけでは肉食動物にとっての栄養が賄えないからです。ちょっと脱線しますが、人間が食材として利用できるものしか使わないというヒューマングレードが安心安全というのは、あまりにも雑な括り方です。ヒューマングレードとは『安心感は金で手に入れないと不安』という飼い主に向けた、犬目線ではなく飼い主側のこだわりに応えるためのものであり、犬の健康に最適ということを表すものではありません。

話を元に戻します。生物学的グレインフリーの特徴としては、

『本能的に好まれやすい』

『高カロリー』

『高タンパク質』

『肉の含有率が高い』

雑に挙げるとこんな感じです。具体的にどんな犬に向いているのかというと、

『好き嫌いが多い』→本能的な食い付きとしてのアプローチ

『少食で痩せやすい』→カロリーが高いため比較的少量で済む

『運動量が多い(散歩以外にも運動習慣がある)』→高タンパク質なので筋肉量を増やすのにオススメ。

『筋肉量が多い』→高タンパク質なので豊富な筋肉を維持するのにもオススメ。

こんな感じです。毛が伸びるし筋肉質なため何かとタンパク質が必要な犬種であるプードルなどにはオススメかと思います。

逆に、与える上で注意が必要な犬は

『腎臓病の犬』

『高齢犬』

『運動量が少ない(かるく散歩するくらい)』

『お腹が弱い犬』

こんな犬たちには与える際には注意が必要です。肉の含有率が高いということは、『リン』の含有率が高いということです。内臓機能が衰えてきている高齢犬や、特に腎臓病を抱えた犬などは、リンによる腎臓への負担が大きいため注意が必要です。(リンはカルシウムなどのように栄養として必要なものですが、現代の犬の食事においては不足より摂りすぎのリスクの方が高いそうです。)

運動量の少ない室内犬などは、筋肉の使用量が少ないことや気温の変化によりカロリー消費が少ないため、与える際は量をしっかりと調節する必要があります。栄養価が高く給餌量が少ないブランドが多いので、満足感を感じにくいこともあります。

お腹がデリケートな犬にも注意が必要です。犬は人間とは違い脂肪よりタンパク質のほうが消化が難しいため、高タンパク質なフードが多いこのジャンルは消化吸収に負担がかかることがあります。

換毛気の影響が大きく季節によって必要なタンパク質の量が変わりやすかったり、お腹を壊しやすかったりする柴犬なども与える際には注意した方がいいです。

生物学的グレインフリーのブランドとしては、『ジウィピーク』『オリジン』『アカナ』『ペットカインド』などがあります。全体的に高額なことと、一般的な室内犬にはハイスペックすぎるところがあり、やはり特徴に合わせた選択肢としての役割が強いです。

まとめ

前編後編があるしそれぞれが長くなったので最後におさらいをしましょう。

・グレインフリーは機能性のみのフードと生物学的アプローチのフードの二通りに分けられる。

・機能性グレインフリーの場合、食物アレルギー対策が必要で、飼育環境が一般的な家庭犬向け。

・生物学的グレインフリーの場合、推奨できる犬とそうでない犬がより明確である。イメージとしてはアスリート向け。

・結局のところ、グレインフリーは犬の状態に合わせた選択肢のひとつにすぎない。

以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?