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Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 4Kの長時間バッテリ駆動

ああ長い。以下BMPCC4Kで。

この「とても軽くて画質もよくてお値段超お手頃な」シネマカメラを、プアな電源環境で使うためにはどうするべきか、いろいろ実験してみました。

プアな環境とはつまり日本以外です。ヨドバシとか近くにないといろいろ不便。Amazonもなかなか届かない上に、航空便で送れないバッテリ関係はやたら時間がかかるのよねー。

おことわり

最初にお断りですすみません。これはあくまで筆者保有のカメラ BMPCC 4K のモデルで実際に実験したうえでの話であり、他のカメラに適用できるとは限りません。とくに上位機種の6K (6K PROは電池が違うので...) では消費電流も増えている可能性があります。実際に運用する際には必ず事前に動作確認してください。
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定番は

これですかねー。

これにNP-F970とかあるいはその互換バッテリを装着して、

- DCカプラー(ダミーバッテリ)経由の7.4Vを供給
- 外部DCコネクター経由で12Vを供給

を選べます。同じNP-F970で試してみましたが、どちらも使用時間には大差なかったです。ただBMPCC4Kのバッテリーはカプラーを装着することを想定してないので、ふたが閉まらなくなるという欠点があります。それを考えると外部DCコネクタ12V供給のほうが自然かな。

ただNP-F970はどこでも手に入るというわけではありません。海外とかでどうしてももう一つ欲しいとなった時に入手性に難があるのと、充電器が結構かさばるのが問題。そこで、

モバイルバッテリーを使う方法 - (1)

を考えてみた。なぜなら今やモバイルバッテリーは世界中どこでも手に入るから。空港の旅行グッズショップでも買えるし、コンビニやスーパー、いろんなところで手に入るのは実は日本だけではありません。でも当然これだけではBMPCC4Kに電源を供給できないので、「アダプタ」が必要になります。

1つ目は、

- 5V USB出力を2つ束ねて
- 7.4V に昇圧し
- DCカプラーでダミーのバッテリー入力として

使用すると。USB type Aが二つあるバッテリーで使ってみたのですが、

モバイルバッテリーを選ぶ

んですよね。普通に5V 2A x 2となっているものでも、同時では3Aまでとか、あるいは 5V 2.4A + 5V 1A となっているのに、両方同時でも 2.4A とか。そして使える機種でも、カメラに接続すると容量的には足りてるはずなんですが

相当熱くなる

のがなかなか厳しい。このアダプタの場合、電圧変換はUSBコネクタ部分でやっているようで、そこがかなり熱くなります。また、

使っているうちに電圧降下する

BMPCCではバッテリ電圧を表示できますが、起動時7.2Vなのにしばらくすると6.9Vになったりする。2時間弱で6.7Vまで下がりました。おそらくコンバーター回路が熱ダレしているんじゃないかなと思うのですが。というか連続2.4Aとか用途としては作ってないのかもしれない。

ということであまりお勧めではありません。CANONのカメラにはいいかもですが、消費電力の大き目なBMPCC 4Kには向いてない感じです。

モバイルバッテリーを使う方法 - (2)

次は、 USB PDトリガーケーブルというちょっと特殊なケーブルを使います。モノとしてはコレです。

USB PDとは、電源供給側(この場合モバイルバッテリー)と機器(BMPCC4K)が通信して最適な電圧と電流値を決めるものです。つまり5Vだけじゃなくて9V、12V、20Vまで規格上は出すことが可能になっている電源供給規格です。ただ実際には20Vまで対応しているケースは少ないですが。

スマホだけではなく、Macbook Pro/AirやSurface Pro 7/Book 2-3などでもUSB PD対応になっていて、この規格にあったACアダプタやモバイルバッテリーで充電・動作が可能です。つまり非常に利用範囲が広い。

このケーブルは、その12V出力機能を利用して、ケーブル自体が通信機能を持ち、バッテリから12Vを引き出すものです。

ただいくつか課題はあって、

このケーブルとBMPCC4K電源ケーブルをつなげるコネクタがない

これは探しているんですがあるんですかね。結局BMPCC4K電源 -> オスの5.5/2.1mmのDCケーブル

と、この同じく丸型DC5.5/2.1mmオスのコネクタをつなぐケーブルを「自作」しました。といっても部品屋さんでメスのコネクタ2つを買ってきて、プラス同士マイナス同士で適当な太さのビニール線をはんだ付けつなげただけですが。既製品はまだ見つけられていません。

で、いくつかのUSB PDモバイルバッテリーと試してみたのですが

動いたり動かなかったり

BMPCC4Kがこのケーブルの電流上限の1.5A (= 18W)めいっぱい使うせいで、バッテリーによっては短時間で熱ダレして電圧が下がってくるものがあったりします。とりあえず正常に動作したのは、ウクライナ?で買ったドイツのブランドの

でした。リンクが見つけられないのですが、同じ筐体の違うブランドの製品を日本でも見たことがあります。これは長時間4Kで録画しても、なんとか11V台で持ちこたえてくれます。他にエストニアで買った 20,000 mAのものも試したのですが、こちらは規格内にも関わらず11Vを切って10V前半まで下がってしまい、BMPCC4Kがシャットダウンする、という結果になりました。

なので、規格内だけれど必ずしも出力できるとは限らないということです。つまり、動くものを見つけるまでいくつか試してみる必要があります。

うーん、むずかしいのう。

なんかもう少し抜本的な解決法はないのか、今後もいろいろ試して・調べてみたいと思います。








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