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社会的自立について

私たちは色々な不安をかかえて生きています。自分だけの力ではどうしようもない問題はそこに留まり暗然と私たちの行動を抑制します。また他人が力を行使しているわけでもないのに、自分で行動をコントロールしていたり、”空気”に合わせて行動していたりします。これらの影響がなかったらどれだけ自由に自分のやりたい事ができるだろう、と考えたときに自分に足りない事は”自立”なのではないかと思い調べたところ、Scott H. Youngという方のホームページに出会い、社会的自立について学びました。英語の文章を日本語訳してみましたので、以下にシェアしたいと思います。

英語ページのリンクは以下の通り。https://www.scotthyoung.com/blog/2008/06/09/social-independence/?fbclid=IwAR0WQNCE8DDA_D8x7JQKUaz-Oc60vsPgLiolIIDOd5QNlPmBv7M6-cYCxB0

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<<< 社会的自立 >>>

自立とは幸せで道徳的な生活を送る為にも必要なものです。
経済的な自立もさることながら、社会的な自立はさらに重要なものです。

- 社会的自立とは -

まず一般的に”自立”とは、”他人に与える量”が”他人から与ええらえる量”よりも多い状態です。逆に”依存”とは”与えられる量”が”与える量”より多い状態です。また自立は孤立を意味しません。色々な仕事の分業で成り立っている世の中で経済的自立は孤立を意味しません。ビルゲイツの様な経済的成功者であっても、孤立して生きる事はできません。ですがビルゲイツは経済的には自立して(経済的に与えられる量ものに頼っているのではなくその逆の状態)いて周りの人の助けなど必要としていないかもしれませんが、それでも慈善活動に出資するなどして、一見経済的自立とは逆方向の行動をとっています。(この行為の意味は以下の”自立の段階”の項でご説明します。)

”社会的自立”は全く同じ考えですが、仲介する媒体として金銭があるわけではありません。人間関係には金銭は介在しませんが、価値の交換が行なわれています。社会関係を結ぶことで愛情や、友情や助けが受けられ、それは金銭よりも価値のあるものです。


- 社会的自立とは孤立ではない -

社会的に自立している人は社会に対して行なう貢献の量が他人から受けとる量よりも多い人です、自立はしていますが孤立はしていません。さらに重要な事は社会的に自立している人はその貢献の意味をしり、逆に貢献を損なうような詐欺的行為を許しません。お店でおつりをごまかされた場合は、以後そのお店で買い物をする事を避ける事ができます。おつりをごまかされてもその店で買い物を続けることを強制される依存的な関係い留まる必要はありません。同様に社会的に自立した人は人間関係に反するようなことが起こった関係には留まりません。自分の価値観を持ち、そのような劣悪な人間関係から離れ、新しい人間関係をつくることができる自信を持っています。自分自身にとって重要な判断に影響力を及ぼすような他人の意見に依存する事がありません。


- 自立の段階 -

経済的であれ社会的であれ、自立は0か100かではなく段階があります。
経済的な自立の段階は以下のようになっています。

<乞食>
経済的に他者に完全に依存して、他人から金銭を与えられなければ生きて行けません。
<せびる人>
社会に対して経済的な貢献はしていますが受け取る方がずっと大きく。返せないほどの借りをつくっていて、友達の助けや政府の力がなければ生活を維持できません。
<取り替え可能な従業員>
経済的な援助もありながらそれと同じだけの経済的貢献もしています。ですが雇い主にとっては取り替えのきく人材なので、実際には他に生きて行く選択肢がありません。
<自立した事業家>
少なくとも収入と同等の経済的な貢献を社会に返し、さらに複数の収入源を持つため誰からの強制も受けない立場にいます。この段階にいる人はフリーランサーとして複数の顧客を有し、またスキルを持つため仕事を探しやすい状況にいます。
<慈善家>
経済的な負債をカバーするだけではなく、その富を他の人の自立の為に使うことができます。援助する人達を自分とのしがらみに結びつける事をせず、その人達がより自立できる方法を考え出します。

同様に社会的自立にも以下のような段階があります。
<孤独な人>
社会的な繋がりとなる数人の友人に完全に依存していて、その友人がいなければ完全に孤立してしまいます。それを避けなければいけないので友人の好意を得る為には何でもする状況にいます。
<意気地のない人>
社会に価値を創出し貢献していますが、社会的関係を維持する為に多くの妥協をしています。自分の人生に対する悪影響を及ぼす家族や友人の意見や気まぐれを受け入れてまで社会的関係を保っています。
<ただの友達>
受けているものと同等の社会的貢献を返していますが、自らのすべての社会的な繋がりををひとつのグループに依存しています。スキルに欠け、新しい友人を作ったり新しいグループとの繋がりを維持する事もできません。
<自立した社会活動家>
多くの友人を持ち、社会関係を自力で築いていく自信を持ち、不当な人間関係を拒むことができます。親密な人間関係を持ちながら、その関係が尊重されない場合には新しい関係に移行できる自信を持っています。
<社会的支援家>
最高レベルの社会的自立性をもち、自身が完全に社会的に自立しているだけではなく、他の人達の依存状態を改善するために自らの自立の力を行使します。

経済的自立は社会的自立に比べ理解しやすいものです。一方で社会的な自立を達成している人は多くないのではないでしょうか、依存の状態にいる人も多いと思います。自身では自立していると思っていても、上の分類に当てはまらない人も多くいます。


 - なぜ社会的に自立することが難しいのか -

経済的な自立状態は分かりやすく、それを損なう詐欺など行為についても法律の制限があります。また経済の健全性を保つ為にも個人が経済的自立する方向に力が働きます。社会的自立には同様の力学が働かず、人々が社会的自立を目指す事はなかなかありません。一方で社会的自立を謝って認識して、有名になることや信用する価値のない友人関係に忠実にコミットするという人もいます。

また社会的自立は経済的自立より実現が難しいです。
金銭の場合、経済的な問題を解消すればその先は経済的に自立した状態を維持する事ができできますす。ですが社会的貧困にいる多くの人達(友情や愛情や安全が不足している人達)は、その不足を補う為に自分自身を社会的な依存関係に縛りつけます。自ら依存的な関係を維持するあるいは強める選択をしてしまいます。


- 自らの自立の不足を知る -

自立とはは極めて重要な価値でありながらそれを達成している人はいません、ですがそれに向かって努力する事は可能です。健康に向けた努力は不健康さを自覚する事からはじまるように、自立の重要性をまずは認識し、自らを振り返る事で改善を始める事ができます。


- 自立とは力だ -

自立は力を持っています。但しそれは自分自身に向けたものであり他人に影響を及ぼす物ではありません。他人に対する影響力は他人を依存を生むため、自立の概念とは反するものです。自立がなければ、与えられる物に対し依存しなければなりません。ですが自立をしていれば自由でいることができます。

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