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わたしの好きな歌がだいすき

 今回は私が一番好きな映画と、その主題歌について語らせてください。
私みたいなもんのラジオ以外の話なんて誰も興味ないと思いますので、申し訳程度にラジオの話も絡めました。
宜しければ是非……


 昨年末、【星野源のオールナイトニッポン】で一通のメールを読んで頂きました。
『ちびまる子ちゃんって名曲多いですよね!私のオススメの曲は、映画「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」の主題歌、 高橋由美子さんの「だいすき」です!』
みたいな内容でした。

 この日は星野さんがアニメ「ちびまる子ちゃん」についてアツく語っていた回(2018.11.6)で。私の大好きな映画を星野さんとリスナーさんに紹介するチャンスでした。
でも、私の脳はチャンスでしくじるようにプログラムされていますからね。メールに間違った情報を書き込んでしまい、星野さんから『コノヤロー!!』と罵倒されました(笑)。
結果、私は一週間のオ○禁をする事になり、「わたしの好きな歌」の話題も うやむやになりました。世の中には何をやっても上手くいかない人間がいるんですね。


 「劇場版ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」は1992年公開の傑作映画です。
まる子と絵描きのお姉さんの友情と、出会いと別れを描いています。
王道ストーリーでありながらカルト的な人気を誇り、カルト的でありながら子供からジジイまで楽しめるという。
試しにツイッターで「”わたしの好きな歌” ”ちびまる子ちゃん”」で検索してほしいです。絶賛のツイートしかヒットしませんから。

 この映画の魅力は、アニメーションと音楽の融合にあります。
ストーリーの合間合間に、超オシャレなアニメMVがバンバン登場します。
これがすごくミュージカル的というか。しかもアニメだからこそ成立する表現がたくさんあって。
例えるならディズニー映画の「ファンタジア」。ビートルズの「イエローサブマリン」みたいな映画ですね、wikiにそう書いてました。

 あと、使われている楽曲もイカしてるんですよ。
大瀧詠一さん、細野晴臣さん、笠置シズ子さん、たまなど幅広く。
特に開始5分でおっぱじまる「1969年のドラッグレース」なんて、演出がLSDすぎて頭がクラクラしてきますよ。
そういったアート的表現を、国民的アニメで成立させたスゴい映画なんです。


 実は「わたしの好きな歌」はDVD化されていません。
版権の問題だとか言われていますけど、手軽に観られないって事は確かです。
で、そんな幻の名作が品川の名画座:キネカ大森で上映されると聞きまして。観てきましたけどまぁ~泣きましたね。
映画が終わった後、ダッシュでトイレに逃げ込んで、鏡を見たら目がまっ赤。関○連合にボコられた時の市川海○蔵の左目ぐらいまっ赤でしたよ。

 で、ずいぶん久しぶりに観ましたけど、新しい発見もたくさんありました。以下、少々ネタバレしますけど、25年前の映画の事なんで勘弁して下さい(笑)。
私はこの映画のエンドロールがすごく好きみたいです。
まる子が馬に乗って夜空をパカパカ駆けてゆく退屈なシーンなんですけど。この「馬に乗ったまる子」は、お姉さんが描いた「コンクールの絵」がベースになっています。
まる子を想いながら描いた絵から、まる子が飛び出し、遠く離れたお姉さんに会いに行く。そんなファンタジーにグッときてしまう訳です。

 その後ろで流れる主題歌「だいすき」も素晴らしくて。
作詞がさくらももこさん、作曲が筒美京平大先生の神曲なんですけど。この歌を歌っているのが、絵描きのお姉さん役の高橋由美子さんなんです。
この映画は、まる子からお姉さんへの想いを描いた作品です。ただ最後の最後、エンドロールでは由美子さん、いやお姉さんが、まる子への「だいすき」という想いを歌に込めて響かせます。
この歌の歌詞に、二人が出会った地下道のシーン、仔馬の歌のシーン、水族館のシーン、ジャングルジムのシーンを重ね合わせると、年齢を越えた2人の友情に「わぁ、尊い……」って胸が熱くなるんです。

 それと、今回改めて思ったのは、ちびまる子ちゃんってやっぱり不思議な作品だよなと。
半分以上フィクションではあるんですけど、幼少期のさくらさんを描いた実話でもある訳で。
だからエンドロールの最後、まる子が一瞬だけ、画面に向かってバイバイって手を振るんですけど。その姿に、亡くなったさくらさんが重なってしまって。
さよならするまる子の笑顔が儚くて、まる子とはテレビで毎週会えるのに、二度と会えない様に感じて。
泣いてしまいますよね、どうしたって。


 余談ですけど、昨年さくらさんが亡くなられた時、【阿澄佳奈のキミまち!】というアニソンリクエスト番組に「だいすき」をリクエストしたんです。さくらさんへのだいすきを盛り込んだ渾身のメールでした。
で、放送(2018.9.2)が始まったんですけど、アシスタントの方が『先日、さくらももこさんが亡くなられました。この曲にたくさんのリクエストが寄せられています。お聴きください……踊るポンポコリン!』とか言って、例の陽気なイントロが流れ出して思わずズッコケてしまいました(笑)
 「わたしの好きな歌」をラジオで紹介できる日は来るのでしょうか……


 そんな訳で、この記事で言いたかった事は、私は「わたしの好きな歌」がだいすきですし、「だいすき」がわたしの好きな歌という事です。
星野源ANNきっかけでも、この記事きっかけでも構いません。「わたしの好きな歌」に少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
そして、素晴らしい作品を遺してくれたさくらさん。
ありがとう。ずっとずっと忘れません。

●宣伝●
 2月16日から22日まで、神保町シアターで『ありがとう!さくらももこ先生 劇場版「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」レイトショー』が開催されます。この映画を観るとメールの採用率が上がるとか上がらないとか。是非スクリーンで神作品を拝みましょう!

http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/maruko.html

私は神保町シアターの回し者ではございません……