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年子4人組〜それぞれの夢に向かって〜4


今日の〇〇はパジャマ姿のままベットの上で漫画を読んでいた

扉からノック音が聞こえる

〇〇「あーい」

オシャレに決まった鈴花が入ってきた

鈴花「〇〇出かけるよ」

〇〇「え?急にどしたの?」

鈴花「最近〇〇と出かけてないからデートしよ」

〇〇「えー」

面倒くさそうに返事をすると

鈴花「いいじゃん、ね!着替えさせてあげるからさ」

布団を剥ぎ取り〇〇の服に手をかけ脱がそうとする

〇〇「さっむ!何するの!?いいよ!自分で着替えるから、外行ってよー」

鈴花「すぐ着替えるか分かんないから見張っとく」

仁王立ちで動こうとしない姿勢を見せる鈴花

〇〇「はあ、はーい、着替えますよー」

何を言っても無駄だと分かり嫌々支度をし出す〇〇

鈴花「相変わらずすごい腹筋だね」

〇〇の綺麗な腹筋を触る鈴花

〇〇「邪魔しないでよ、もう着替えないよ」

鈴花「ごめんごめん」

〇〇「そういえば俺なんかと出かけるより彼氏と出かければいいじゃん」

鈴花「別れた」

〇〇「え!?早くない?あのバンドマンだよね?2週間も続いてなくない?」

鈴花「好きかもって思ってたけどバンド本気でやってないもん、信念無い男に興味なし、で別れた」

〇〇「そうなんだ、なら別れて良かったね」

鈴花「モーマンタイ!」

〇〇「付き合っては別れての繰り返しなのに最長続いたのどれくらいだっけ?1年はないよね」

鈴花「うーん、1年はないね、半年かな〜あの路上ライブやってたソロアーティスト」

〇〇「あー親の事情で地元帰った人か、冷めて別れてないから連絡取ってるの?」

鈴花「取ってないよ、勝手に消えた人に未練もありませーん」

〇〇「そっか、はい、支度できたよ」

鈴花「よし!じゃあドライブ行くぞー」

〇〇「おーってどこ行くの?」

鈴花「何となくドライブだね」

〇〇「まあいいや、行こう」

鈴花の運転でドライブに出かける

いつも歩いて通る街並みがいつもより早い速度で駆け抜けていくのがどこか心地よい

鈴花「何黄昏てるの」

〇〇「なんかいつも見てる景色が違って見えて心地よくて」

鈴花「キザな事言う様になったね〜」

〇〇「これは鈴姉のお陰だね」

鈴花「私?なんでよ」

〇〇「俺が中学くらいの時に男はこうじゃなきゃモテないよ!って色々教えてくれたじゃん」

鈴花「覚えてないな」

〇〇「それ聞いて学校でやったらドン滑り、女子に一時期冷たい目で見られたわ」

鈴花「アハハそうなんだ、それは申し訳ない事したごめん」

〇〇「その時だけだね、あの3人に心の底から感謝したのは」

鈴花「ひよりちゃん、ひなちゃん、優佳ちゃんか、もっと感謝しなよ、唯一の友達なんだから」

〇〇「唯一じゃないし、それなりに友達いるし!」

鈴花「はいはい、3人には最近あったの?」

〇〇「ひよりはモデルで忙しくて、優佳も大学が忙しいらしくて、陽菜とはほぼ毎日大学で喋ってる」

鈴花「2人は忙しいんだ」

〇〇「この前電話した時、次のファッション誌の表紙載るって言ってたよ」

鈴花「そうなの!?すごいじゃん!買おっと」

〇〇「みんなすげーよ、鈴姉も美穂姉も信念があって夢に向かってちゃんと歩んでる」

鈴花「〇〇もでしょ?」

〇〇「まあそうだけど」

鈴花「何?他にやりたいことあるの?じゃないとお父さんに怒られるよ、悔いのない様に生きれない様な奴に育てた覚えはない!って」

〇〇「それは大丈夫、松田家の家訓はちゃんと守るよ、俺はまだちゃんとゴールが見定まってないから羨ましくて」

鈴花「うーん、〇〇だけじゃないよ。有名な歌手みたいになりたいなとは思うけど、その人にはなれない。だからみんな試行錯誤してるからゴールなんて見えてないよ」

〇〇「そっか、俺はただ他の人の青い芝ばかり見て羨ましがってただけなんだね」

鈴花「そうそう。気にせず、〇〇はちゃんと夢に向かって着実に歩いてるから安心しな」

〇〇「ありがと、鈴姉」

車内で話をしていると磯の香りがしてくる

鈴花「そんな悩んでいる弟君には海をプレゼントしよう」

〇〇「そんな粋なことしてくれるの!?俺、女だったら鈴姉に惚れてるわ」

鈴花「いつでも待ってるぜ」

車を止め海岸に向かう

〇〇「久々の海だ!気持ち良い!!」

鈴花「やっぱり海は良いね、何もかも吸い込んでくれる感じがして」

〇〇「波の音好き〜」

鈴花「もっと近くで聞いてみたら?」

波打ち際まで行くと〇〇の背中を押し海に押し入れる

〇〇「うわっ!何すんだよ!びしょ濡れじゃんか!」

鈴花「海に来たらこれやるのが相場なんだよ」

〇〇「そんなの知らんわ!」

鈴花を捕まえ海に引き摺り込む

鈴花「きゃ!冷たい!」

〇〇「これでおあいこね」

すかさず水をかける鈴花

〇〇「冷た!この!」

水を掛け合う2人

ーーーーーー

それからびしょ濡れで玄関を入ると

好花「あんたら、何やってんの!!」

鈴花〇〇「ごめんなさい。」

好花「早く風呂入っといで!2人は入れんから鈴花先入って、〇〇は我慢できる?ほっとココア入れるから待っとき」

鈴花〇〇「ありがとうございます。」

すぐ風呂に行く鈴花、着替えを済ませリビングに行く〇〇

美穂「何やってんの〜」

リビングでテレビを見ていた美穂が振り向く

〇〇「鈴姉に海連れて行ってもらったんだ〜良いでしょ」

美穂「ええ!いいなぁ私も行きたかった、何で誘ってくれなかったの?」

〇〇「家にもういなかったから」

美穂「私も海で遊びたかった」

好花「しょうもない事言ってないの、びしょ濡れ3人も帰ってきたら家に入れないから」

〇〇「ごめんなさい」

好花「まあ気晴らしできたならええよ、はいココア」

〇〇「ありがとう、あったけ〜」

好花「うち明日大事な仕事やからなんかあったら自分でできるよな?あれ、美穂家おる?」

美穂「私学校〜」

〇〇「まあ風邪引いても自分でなんとかできるから大丈夫よ!気にせず出かけて」

好花「風邪引かない事を祈る」

鈴花「お風呂ありがとう、〇〇温まってきて」

〇〇「ありがとう、くしゅん」

好花「あ」

美穂「あ」

鈴花「ごめん、風邪引いちゃった?」

〇〇「ううん、大丈夫大丈夫、お風呂入れば治るって」

そそくさと風呂に行く〇〇

美穂「自分に言い聞かせてるな」

好花「やんな」

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