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売上・利益も全公開!飲食業素人、デザイン会社の僕らがストリートバー"LOBBY"を始めたらこうなった

こんにちは。井澤卓と申します。株式会社and Supplyという会社で代表をしています。

& Supplyは、すごくシンプルに言うとデザイン会社です。企業向けにロゴやグラフィックを制作したり、壁画を描いたりしています。

そんな僕らが最近池尻大橋にバーを開きました。LOBBYというお店です。なぜデザイン会社が飲食業を始めたのか、実際経営状況はどうなのか。"ストリートバー"という新しい業態名を掲げて始めたこのお店について、これからnoteに綴っていこうと思います。

「いつか〇〇をしたいけど、経験ないし...」

「お金ってどのくらいかかるのかな...。」

好きなことで生きていくために、必ずついてくる経験やお金の悩み。僕らもそうでした。0から悩みながら立ち上げた僕らの経験をシェアすることで、いつか自分のお店を開きたい方や、何かを始めたい方の参考になればと思います。

強がりも見栄張りも一切なし!立ち上げる際のイニシャルコストや、日々の経営数字、課題まで明るみにしリアルな現場をお届けします。

(読了まで10分くらいかかる超大作になってしまいました…。心してお読み下さい笑)

1.株式会社and Supplyとは

& Supplyは、前述の通りデザイン会社です。僕ら自身がアーティストとして音楽フェスや企業のオフィスに壁画を描いたり、ロゴやグラフィックなど企業向けのクリエイティブ制作を行っています。

■GREENROOM FESTIVALやSUMMER SONICは毎年描いています


■オフィスでも描いています

2018年7月に一人で会社を立ち上げ、現在のメンバーは僕を含め4名。僕はYahoo!とGoogleで広告営業として働き、並行してチョークアーティストPaint & Supply、ペインティングチームRELISHとして活動してきました。 

COOの倉嶋は大学時代学生団体を一緒に運営していた友人です。広告代理店出身で、その後世界中を2年間旅した後、ケニアのスタートアップを経て今年4月にジョインしました。

デザイナーの土堤内は僕の高校の同級生。設計会社や不動産系の会社出身、同時にずっと僕と一緒にPaint & Supplyで活動しています。

現在LOBBYのマスターとしてお店の責任者を務めている元バリスタの松井を加えて4名で会社を運営しています。

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会社の事業としては、デザイン業に加え、僕自身がGoogle時代の経験を活かしながら、インターネット広告の運用業やコンサルタントしても活動し、色々なことをしながら生き延びています。

※アート事業に関しては、以前SENSORSで記事にしてもらったことがあるので、詳細はこちらをご覧ください

2.デザイン会社の僕らがなぜバーを開こうと思ったのか

元々30歳までに自分の店を持つという夢を持っていたものの、それを後押しした理由があります。

現状、& Supplyはグラフィックを中心にしたデザイン会社ですが、将来的には空間プロデュース業を事業の中心にしたいと考えています。

空間に特化したブランディングプロダクションとして、コンセプトメイキングから内装設計、グラフィックデザイン、メニュー開発等トータルプロデュースができるチームになりたい。そして僕個人の夢として、将来的にはホテルを経営したい。空間作りが大好きなんです。

※空間作りに関して以前記事にしていただきました。こちらも良ければ。

ただ、僕らには空間のバックグラウンドがありません。大手の設計事務所出身者がいるわけでも、空間プロデュース業出身者がいるわけでもない。そもそも、空間経営したことないのに、プロデュースなんて出来なくね?だったら一回自分で作るしかないよね。ということで始まったプロジェクトがこのバー開業でした。

「じゃあちょっと物件でも見てみようか。でも何かやるとしても、会社と並行するなら家の近くじゃないと回らないよな〜。」と、僕の家がある池尻大橋で物件を見てみると、いきなり面白い物件が出てきてしまったんです。軽い気持ちで内覧にいくと、珍しい高い天井、ビルなのに1Fと2Fが内側から繋がっているメゾネット構造、駅近ながらも奥まった場所にある隠れ家的立地など、空間の面白さに惚れ込んでしまいました。

そこからはもう、ここで何かやりたい。やれることは何か。どうしたらやれるか。という思考に切り替り、突然プロジェクトが現実的になっていきました。

とりあえずやることは決めたけど、そもそも何をやるか。

飲食出身ではない僕は、何も出来ないし、何もわからない。ということで、「やりたいこと」というより、「できそうなこと」ベースで考えていきました。

お店をやるに当たり、まずは「夜営業・お酒中心」に絞ることに。料理は単価を上げられない限り利益率が低く在庫リスクも高い。料理人じゃない僕らには難しい。コーヒーは同じく利益率が低いのと競争が激しい。その中で最初に考えついたのが、クラフトビアバーです。「ビール好きだし、お酒だから利益率高いし、注ぐだけなら俺達でもできそうじゃね?」みたいな軽い発想です。

早速ビアバーに回って色々と話を聞いてみると、クラフトビールは原価が物凄く高い、ビール樽用の冷蔵庫のカスタムが必須でイニシャルコストが大きい、ビールの管理次第で味が変わる、等々、経営的に難しい要因に直面。利益を生めるイメージが全く描けなかったので断念しました。

「ならば普通にバーをやるしかない!」と、今度はバーを周り始めます。それでたどり着いたのが、"ストリートバー"という業態コンセプトです。

3.ストリートバー:「誰でも入りやすい空間で、いつもより楽しくて美味しいお酒に出会える場」

バーをやることに決めてから、自分や周囲の友達のお酒の飲み方について考えてみました。すると、居酒屋だけでなく、レストランでもハイボールやレモンサワーを飲んでしまっている自分を振り返り、

「多くの人が、料理は毎回次の一皿を楽しみに待っているのに、お酒はいつも想定内の飲み物を飲んでいる。」

事に気づきました。

特段次に飲んでみたいお酒がなくて、お酒でワクワクする機会がない

レストランではお酒は一杯700円以上することもあるのに、思考停止してオーダーしている現状はもったいない。

じゃあ一杯を楽しみにするような、一歩上のお酒体験をするためにはどうすればいいか。するとオーセンティックバーに行くしかない。

そこでバーをたくさん周ってみると、日本のバーカルチャーは障壁が高い印象を受けました。僕のような普通のお酒飲みには価格的にも雰囲気的にも入りづらく、メニューが無いような店では、ある程度お酒の知識がないとそもそも楽しみづらい。

「自分のような普通のお酒飲みが、気軽な空間で、美味しいお酒に出会える場所がない」

加えて、技術を習得した熟練のバーテンダーはこのレベルの顧客層まで降りてこないのではと思いました。技術を高めて独立したら、それを理解できる顧客へサービスを提供したいはずだし、その方が単価も高くなる。

つまり、既存のお酒専門店業態の中に1つのギャップがある。

このギャップを埋めていく存在として、ストリートバーのポジショニングを定義しています。

ストリートバー:「誰でも入りやすい空間で、いつもより楽しくて美味しいお酒に出会える場」

ストリートファッション等のトレンドを意味してるのでなく、ストリートフードのような日常への親しみやすさをイメージしています。

バーテンダーの経験は一切ない。俺の技術と理想で勝負!というプロダクトアウト的な展開ができないため、マーケットインから考えて出たストリートバーのコンセプト。

業界未経験のアウトサイダーな僕らだからこそ、自分達の消費者目線を信じてこのラインを攻めていくべきだと決めました。

4.LOBBYとはどんなお店か

お店の名前は、ホテルのロビーのように、「色々な人が介在し、肩肘張らず、思い思いの使い方ができる場所」を 目指して「LOBBY」と名付けました。

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【空間デザイン】

店内には街のロビーとしての幅広い用途に対応するために、カウンターがあり、ベンチシートがあり、テーブル席があり、またアーティストの展示にも使えるようにギャラリースペースを備えています。

▼カウンターとベンチシート

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▼テーブル席

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▼ギャラリースペース

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住居だった物件をフル改装した空間です。

内装・設計はメンバーの土堤内が担当。
内装デザインは「再現性のない空間」を作るため、元々の廃墟っぽさを活かし、荒々しさをそのまま残しました。人為的に整いすぎていない空間が、入りやすさや居心地の良さを生み出しています。

空間づくりにおいては、旅先で訪れたベルリンのクラブ、シドニーやメルボルンのカフェやレストランを参考にしています。(空間についてはまた別の記事で詳しく書いてみたいと思います。)

▼Before & After
壊したらコンクリートが出てきました。階段を上がった2Fが僕らの事務所になっています。


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【ドリンクメニュー】

LOBBYで出すお酒は、僕の10年来の先輩が経営する目黒の名店バー「BAR014」に開発してもらいました。(お酒も空間も、絶対に裏切らない本当に素敵なお店なのでぜひ行ってみてください。)

ストリートバーのコンセプトに沿い、オーソドックスなジンやウォッカ、焼酎に果物やハーブを漬け込んで作った漬け酒と、普段大衆居酒屋で飲めるハイサワーやバイスなどの割ものでクラフトカクテルを考案。

「親しみある素材で作る、普段飲めないもの」を提供し、

「普通のお酒飲みを置いてけぼりにしないレベルで、みんながワクワクする一杯が楽しめるバランス」を意識しています。

▼パインラムハイボール

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▼バラとローズヒップのジントニック

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▼紅茶とシトラスサワー

No.1 紅茶のシトラスサワー (1) 2

ドリンクはうすはりグラスで提供。味はもちろん、見た目や香りにこだわり、次の一杯が楽しみになるお酒を目指しています。

価格帯は、カクテル¥800〜¥1200、ウイスキー・ハイボール等は¥700〜。グラスのクオリティや氷も仕入れて使っていることを考えると、単価は安いです。ストリートバーのコンセプトを維持するため、良いものをできる限り飲みやすい価格で提供しています。

そして作り手の僕らはと言うと、バーテンダー経験者は皆無。メニューが決まってから、カクテル作りの練習の日々が始まりました。

ここでYouTubeの登場です。
ジャパンバーテンダースクール会長坪井さんに勝手に師事。
そもそもなぜステアするのか、シェイクするのか、考え方からスキルまで丁寧に解説してくれます。

【店舗運営体制】

お店のスタッフは毎日3人。マスターの松井が常にお店に立ち、昼から働いている僕を含む3人は週に2,3回シフトに。加えてアルバイトスタッフが1名いる形です。

昼はデザインや広告の仕事をこなしつつ、夜はバーに立つ、という生活。昼に壁画の製作現場がある日は体力的に大変ですが、それでもお店に立つのは本当に楽しいですね。

以上がLOBBY開業までの背景と、LOBBYというお店の紹介です。
少しでも気になって頂いた方は、ぜひお店に遊びに来てください!

ここからは、実際に開業にかかったお金と経営状況の話です。

5.理想を追求して400万も跳ね上がったイニシャルコスト

開業資金は、それまでの広告関連業で出ていた利益をベースに、政策金融公庫から1,000万円、銀行から500万円を借り入れしたため、初めての飲食業開業にしては潤沢な資金がありました。

僕の場合は、お店をショールームとして機能させてデザイン案件の受注件数を増やす & デザイン案件の単価を上げる戦略に基づいて、コストをかけるリスクテイクを選択した形です。

素材やデザインには妥協せず、コストを投じるべきところは思い切って奮発することに。そのため、僕らの様な小さなプレイヤーが飲食開業にかける資金としてはかなり高い部類に入ると思います。

結果、日々の損益分岐点ラインも相当高くて大変。

具体的なコスト構成は以下です。

細かい項目が積み上がり、総額で約1,700万円もかかってしまいました。高い!

(当初は1,300万円を予算にしてましたが、到底無理でした...)

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特にお金がかかったのは、新しく作ったサッシ(約250万円)、と特性のカウンター(約168万円)。カウンターはアーチがかかっていることもあり、当初の想定より70万円程高くなってしまいました。

カウンターのハイチェアも一脚5万円強。6脚あるので35万円程かかりました。「マジ?こんな高いの...」と毎回思いながらもどんどんコストが膨らんでいきます。でも、後戻りできないんです。笑

■お店の顔となる緑色のサッシ

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■入ってすぐ目に入るカウンター

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サッシ・カウンターのデザインも土堤内が担当。施工はDIGWORKS22にお願いしました。アーチが最高にかっこいい。(けど最高に高価っす。)
無垢材のボディに、テーブルはテラゾーという施工方法で、人造大理石を流し込んで作っています。

お店を1から作った経験があると、素材を見るとなんとなく価格感がわかるので、他のお店に行った時にそのお店のスタンスが見えるようになります。内装だけじゃなくて、キッチン設備一つとっても「なぜそうしたのか」背景が見えてくるため、学びが増えてお店巡りが一層楽しくなります。

6.LOBBYのビジネスモデル・マーケティング

【ビジネスモデル】

LOBBYを始める際、ビジネスモデルとして、①店舗運営 ②スペース貸しの二軸で考えていました。

①店舗運営
お店としての営業売上をベースにしたモデルです。飲食に加え、Tシャツなどのグッズ販売も含みます。LOBBYの営業時間は週5:火曜日〜土曜日の19時〜翌2時。飲食店にしては休み過ぎと言われますが、僕らは飲食の激務薄利形態を変えたいので、しっかり休む=外でインプットができる経営形態を維持しています。ただし、この経営形態を維持するためには、店舗運営以外の収益化方法を模索する必要があります。

②スペース貸し
営業していない時間帯の撮影貸し出しや、展示ギャラリーとしての貸し出しモデルです。当初から自分達で昼営業はしないと決めていたため、その分空間を多用途に使えるように、テーブル席を最低限にする設計にしました。開店当初からスペースマーケットやSHOOTESTに登録し撮影案件獲得を目指していますが、これはまだまだ件数が取れていなく、当初の想定よりも売上インパクトが低くなっています。

当初はスペース貸しで家賃分くらいは払えると良いね〜なんて話してましたが、甘すぎました...。今後の売上拡大においては、空いている時間帯の収益化がかなり鍵になっています。

【マーケティング・集客方法】
資金を投じて対外的にマーケティング施策を行うということは実施せず、ひたすらデザインコンテンツ(コースターやメニューなどのグラフィックデザイン・お酒のメニューなど)を作ることに注力しました。

開店当初の集客は、僕ら自身が周りに編集者やライター・ファッション系・クリエイティブ系の友人が多く、「彼らが良いと思うものを作ればその界隈の中で自然に広がる」と考えていました。結果的にこの読みは的中し、口コミで多くの方に来て頂いています。

LOBBYのパートタイムスタッフも多様なメンバーを集めています。スポーツブランド勤務のオージー、編集者、フリーランスバリスタ、アパレルPR等、カルチャー界隈の多様なメンバーがLOBBYに集結。それぞれのメンバーが持つコミュニティを持ち寄ることで、新しい繋がりが生まれています。

加えて、アーティストの展示や、他飲食店とのコラボイベントを定期的に行い、戦略的に認知の裾野を広げています。

最近は雑誌やウェブメディアの取材も増え、記事を読んで来て頂く方も増加中。嬉しい限りです。

−キービジュアル
開店当初のキービジュアルはイラストレーターの高城琢郎さんに依頼。更に、シドニーで活躍するアーティスト Kentaro Yoshida君にもイラストを描いてもらい、現在は2種類のビジュアルイラストを用意しています。SNSでシェアされるなど、キーアイコンになってくれています。

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−印刷物・アパレル
開店当初からグラフィックTを作って販売しています。デザインが好評で、お酒を飲んだ帰りに買われる方も多いです。

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ECサイトも立ち上げ、デザイングッズ販売を強化しています。

店舗内で配るコースターは、前述の二人のデザインに加え、LOBBYで展示をしてくれたイラストレーター Masaki Nakamuraのデザインを9月に追加。再来訪した際に毎回楽しみがあるよう、今後もデザインを追加していきます。

などなど、できることを色々準備して開店に踏み切りました。
これから実際の数字状況を惜しみなく公開します!

7.全て公開!LOBBYの経営状況

LOBBYの初期投資(1700万円)の回収は3年を目標にしています。
(投資額にしては攻めた目標かも)
目標達成のために生み出す必要がある最低利益は以下の通りです。

−年間最低利益:1,700万円÷3=566万円
−月間最低利益:566万円÷12=47.2万円
−日時最低利益:47.2万円÷20.5営業日=2.3万円

月間で47.2万円、日額で2.3万円の利益を生んで始めてスタートラインに立てるイメージです。

こう書くと、そんな大変じゃなくね?と感じますが、赤字の日もあるので、結構苦労しています。

それでは僕らの経営状況を明るみにしたいと思います。

▼前提条件
坪数:16(54㎡)
家賃:¥324,000 (坪単価:¥20,250)
席数:25
営業時間:火曜日−土曜日 19時−翌2時
 −1日:7時間
 −1月:143.5時間
店舗立地:池尻大橋駅徒歩3分

▼売上

売上

オープンした5月から、8月までの売上を出しました。
月の平均売上は2,003,137円です。

1日の平均客数は39人。席数が25席のため、1.5回転する計算。LOBBYは回転が早いため客数は比較的多いです。ただ、ドリンク価格が安いため、客単価は2,224円と、オーセンティックバーに比べ低いと言えます。

客数が月を追うごとに減っている理由は、オープン時のご祝儀来店や、SNSで見て来た様子見来店(インスタに写真を上げたらもう来ない様な層)が減少しているためです。その分濃い顧客層が増えているため、顧客単価は上がっています。

日別の平均売上は¥79,149。
ただ、かなり波があります。少ない日は3万円台から、日によりイベント等で20万円近く行くことも。大人数のグループでも入れるお店である分、グループ客の有無で売上が大きく変動します。

5−8月の現状の売上割合はほぼ店舗運営が占めていますが、9月は撮影利用のスペース貸しで月10万円程の売上がありました。今後店舗として稼働していない時間帯の収益化が売上増加の鍵となりそうです。

▼支出

月々の支出は以下のような割合になっています。

支出

支出は月平均1,426,796円。固定費としての家賃(324,000円)・光熱費に加え、その他という項目には、お花等の装飾代や、追加グラスの購入費等が含まれています。人件費は店長とアルバイトスタッフの合算です。

平均原価は546,466円。お酒メインでロスリスクが低い事に加え、漬け酒を自分達で仕込んでいるため原価率は抑えられているはず。
(6月の原価が高いのは、アーティストの展示を行い、3万円〜15万円の作品の費用が原価として計上されているためです。)

ただ、この支出の数字には、昼から働く僕ら社員の人件費を含んでいません。そのため、今後僕らが現場に立たなくなり、その分のスタッフを入れると、人件費が固定費として重くのしかかってきます。そうなると利益構造が崩れるため、売上拡大は必須になります。

▼営業利益

最後に、売上から支出を引いた営業利益は以下の通り。

利益

オープン景気と、営業日数が多かったため、5月が最も利益が多く、その後徐々に減少気味。8月はお盆休みで営業日も少ないことが影響しています。

3年回収計画上、月の最低利益目標は47.2万円のため、7,8月は目標に対しビハインドとなってしまいました。
9月はスペース利用で売上が出ているため目標を達成できたものの、毎月余談を許さない状況。なんとか年間を通して目標達成したいところ...。

以上、LOBBYのリアルな経営状況でした。
毎月目標を達成!増収増益!とは言えず、余裕は全くありません。必死です。ただ、足元を整えながら、しっかり利益を生む構図が作れ、先につながる土台を作れたとは思います。

売上は継続的に上げていく必要があるため、オープン景気が落ち着き始めるここからが正念場ですね。

今後どのような戦略で売上を上げていくか、幾つか考えている施策があるので、また別のnoteにまとめてみたいと思います。


終わりに:やっぱり飲食は難しい。けど、超楽しい!

オープンから5ヶ月。ありがたいことに、LOBBYは沢山の方にご来店頂いています。お店を始める前に立てた仮説や、ストリートバーのコンセプト自体は間違っていなかった。未経験でもやれる!と手応えを感じた5ヶ月でした。

立ち上げ期は何よりPRが重要です。その点では、メンバーが多様な業界に根を張っている僕らは有利だったと言えます。僕らスタッフや、LOBBYに集まるお客様等あらゆるコミュニティがクロスし、新しいコミュニティが生まれる。その片鱗を感じています。

一方、その属人的な来店理由から脱皮し、街に馴染み、長く愛されるお店になるには長い道のりが待っています。

課題は山積み。正直、中々簡単ではありません。

飲食は難しいとよく言われますが、その理由は、動きながら考え続けないといけないことにあると思います。人間、体が疲れていると、頭が働かないんですよね。これが難しい。

毎日お店に立ち続けながら、目の前の営業をする。同時に、変わりゆく世間の嗜好や街の様子を見つめながら頭を回転させて、中長期の施策を考え続けないといけない。
考えることを放棄して、「今日はこんなもんでしょ」と改善を止めたら終焉が近づいている証拠。

だけどその分、反応がすぐに、ダイレクトに返ってくるから、めちゃくちゃ楽しいんです。

まだまだ荒削りな僕らですが、お客さんや街とともに成長していき、長く愛されるお店に作り上げていきたい。

3ヶ月後に、改めての経営状況を書こうと思っているので、興味があればまた見に来てください。

そして何よりも、LOBBYで皆様をお待ちしています!

株式会社 and Supply 
井澤 卓

【2020/1/18追記】

本記事に続く第二弾の公開記事も書きました。
9月〜12月の経営数字を中心に、OPENから8ヶ月の状況を公開しています。
こちらも是非!

【2020/12/16追記】

第三弾の公開記事を書きました。
1年半LOBBYを経営した結果を公開しています。



※僕らと一緒に働いてくれるデザインインターン募集中です!学生の方でもし興味があれば是非に!







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