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ライブコマースのゴールドラッシュに金を掘りに行く人とツルハシを売る人の違い。

中国ライブコマース市場は2019年7兆、2020年17兆、2021年予測は34兆円以上。とんでもない速度で拡大している中国ライブコマースだけど、日本では絶対に広がらないと思ってました。僕が中国暮らしをしている中で、偽札や偽物商品が横行する性悪説の環境を実感し日本とは前提が違うと思っていたからです。
でも、日本の市場環境が激変。ちょうどライブコマース市場の拡大にジャストフィットする環市場境に変わり、一気に爆発的に拡大する準備が整いつつある。
今からやってくるライブコマースのゴールドラッシュをどう迎えるべきか。について。


ヒトモノカネ、と、天地人の関係

経営資源を重要な順番に並び替えたのが「ヒトモノカネ」。
その経営資源をどこに投資するのかを決める判断軸が「天地人」。

経営資源の中で最も重要なのがヒト。
やはりヒトは誰もが納得する最重要な経営資源です。
ただし、強い経営資源を持っていたとしても、
その投資先を誤っていれば成果は見込めません。
では、経営資源の投資先はどうやってきめるのか。
それを決める基準を重要な順番に並べたのが「天・地・人」。
つまり、天=タイミング。が大事です。
タイミングが合ってないと何をやっても、もうだめ。
早すぎてもいけないし、遅すぎてもだめ。
逆に、タイミングさえバッチリ合えばアホでもパーでもうまくいく。
良い話は向こうからいくらでもやってくるようになる。
やはり最重要なのは機を逃さない事。
強い資源をどう集め、それをどこに投資するか。
これだけが戦略であり、それ以外はすべて戦術レベルです。
戦略で負けていたら、どれだけ戦術を駆使してもうまく行きません。

今から家電の価格比較をするwebサイトを作るのは、
すでに価格コムがあるのでどれだけ工夫しても難しいし、
動画投稿サイトを作っても既にyoutubeがあるので難しい。

経営資源を投資するのに最重要なのは、タイミング。
5年後、10年後に、
「なぜあのときに私は挑戦しなかったんだもったいないコトをした。」
と後悔するだろうから、挑戦するのは今しかない。
そこへ、とんでもない”ライブコマース”がやってくる。ってことです。
スルーするのもあり、挑戦するのもあり。


日本の市場環境の変化

●”語り尽くす”という同質化

ネット通販でPB(プライベートブランド・独自商品)販売は供給過多になり、競争が激化し同質化の果てに。差別化が難しくなりました。
既に、成長性は鈍化しています。天をのがしたって事ですね。
だから市場は次を渇望している環境だし、購入する側からしてもとても良い商品を選びにくい環境になって新しい買い方が求められています。

誰も彼もが長ーいLPを作成し、どれだけ感情的価値や機能的価値が高いのかを”語り尽くす”事にフォーカスしていて、全員の技術が高度化した結果、高度が高い次元で全体が同質化しています。
情報を受信するお客様側からすると、アイキャッチも、わかりやすいLPも、絶対評価において高いレベルの訴求で相対的に同質化して選びにくい環境。
それと高度に同質化した結果、コモディティー化もしていくのでLPを作る人々の仕事単価も下がり、ますます加速度的に同質化が進む。同じやり方で皆が戦うと、資金的余裕のある企業が必ず勝つ環境です。
つまり差別化しないといけない弱者側には、”語り尽くす”ための別の手法が求められている。”という市場環境になっていってますね今まさに。
LPやSNS発信だけじゃなくライブコマースで直接顧客と対話して魅力を伝えるという蓋が開いた瞬間に一気に溜まっていた需要が流入する直前。が、今の環境です。


●DtoCトレンドの加速。

今まで裏方だった工場やメーカー、問屋というプレイヤーに今、DtoCというトレンドワードが飛び交っている。ICTはあらゆるコネクトを行うけれど、より端と端をつなげていくという進化が加速している。美容室の評価をする次元から美容師の評価へ、工務店の評価から大工や左官職人の評価へ、時代はより端っこ同士をつなごうとする流れが加速しており、モノビジネスにおける上流においてもそれは同様です。新しいDtoCという商流が水面直下で爆発寸前の環境ですね。今。


●既存商流への配慮。

日本の独自の商文化である商社や問屋が何層も重なる流通構造があり、さらにチェーンストア構造で巨大な発言力がある大手小売店がある。上流層に所属する原材料業や加工業、メーカーたちのプレイヤー達は、この既存商流に配慮しなければ未来を描くどころか明日が危ぶまれるので、上記のDtoCで爆売りすることや、中間流通を排除した上流と下流のコラボは行いにくい。
直接に顧客にコンタクトできて、かつ既存商流に配慮しながらできる手法を上流層のプレイヤーは待望しているという環境が揃った。


では、どうすればいいか

金を掘るならば。一番、金の濃度が高い初期に一気に大量の金だけを掘り出して、純度が低い状態になったらすぐに撤退です。すぐに次に行く。

もしくは、
金を掘る相手に対し、ツルハシ売ったりジーパン売ったり鉄道ひいたりすること。

自分にとってどちらが必勝の方法か。
それを早く見つけて最速でやってみる判断軸が大事です。

●体験や接客を伴うことで欲しくなる商材やサービスなのか。
 制作過程や調理過程、コツ、出来の映えを上げる方法、
 試用や試食時の盛り上がり、
 途中経過の楽しそうな様、かわいさの様、コト訴求ができるか。
 産地・原産地のインタビュー、出来不出来を見分けるコツ、
 体験や接客を伴うことで欲しくなる商材やサービスなのか。

●地域限定感。
 現地にいかないと買えない感。
 道の駅で買ってしまう特産品のように、
 この地域ならではの特徴が詳しく語れる商材か。
 
●安心安全本物感。
 方言によるたどたどしい説明による安心感。
 素直感、漁師や農家、工場の職人の、
 下手な喋りだけど伝わる本物感で語れる商材か。
 
●独自ドメインECへのリピート。
 ライブコマースで好感度を伴った流入を獲得し
 独自ドメインECへのリピートに繋げれる商材か。
 繰り返し購入いただく商材を用意できるか。
 ライブコマースは今だけ限定で圧倒的に新規獲得に使える。
 でも、コレだけやる人はいつまで経っても
 労働集約型ビジネスになり
 上限も限られていつまでも労働に迫られ、
 競争激化に取り込まれて搾取される側に変容していきます。
 投資回収型に切り替えるために。
 「ここでは3つの味のみお持ちしています。」とか、
 「この場には3色のみお持ちしました。」
 などの演出を行って独自ドメインECへのリピートに繋げれる商材か。
 
●専門家と直接コンタクトできる”繋がり感”を提供できるか。
”語り尽くす”という同質化の中で買う側はニセ専門家だらけの中から本当の情報を探さなければいけなくなっている。ここで重要なのはwebや書籍に載っているような価値の低い情報や実体験を伴わないニセ専門家になってしまっていないか自分を再点検しなければいけない。オリジンの本当に高い価値を提供できるかどうか。は自分がめちゃくちゃ勉強して知識を得る人と、本物を求めているユーザーにコンタクトできる仕組みを提供する人にわかれる。専門家と直接コンタクトできる”繋がり感”を提供できる商材か。

●既存商流への配慮。
 ライブコマース初期は既存商流に配慮しなくていい。
 時代遅れの既存商流の人々はその存在にさえ気づかないから。
 ネットで安売りしてるから困る。
 と問題になるまでに20年くらいかかったからね。
 出品する側もメーカーも、既存中間商流へ配慮せず、
 誰かがかならず爆売りする。
 その火付け役になる勇気があるか。
 
●売価規制商材の限定値引き販売。が可能か。
 ライブコマースは履歴が残らないのでブランド毀損になりにくい。
 売価規制が効いている商材ほど有利に。
 在庫処分なども含め、それを有利に活用できる商材や環境か。

●独自セット。
 限定値引き販売が難しい場合、
 独自におまけをつけたり、
 色々なセットになっていたり。
 特に先述の新規獲得の面で言えば、
 初心者向けスターターセット。などが有利に作用する商材か。

これらの条件への合致度合いで金を掘るべきか、ツルハシを売るべきかを判断するといいと思う。


最後に。既に始めている少数派の人へ。

天然石や雑貨販売など今いるライブコマースのプレイヤーは、ほんの一握りの本物だけが生き残り、一気に淘汰されていなくなるだろう。
90年代後半のEC市場でzozoもGDOもナチュラムもwebikeも育てられたし、2003年のブログでナチュログが育ち、2008年のiphoneと2010年のInstagramの波に乗ってWEARやルームクリップ、GREEN SNAPは成長した。でも、その勢いを逃すタイプの初期プレイヤーの言うことはおなじ。今、ライブコマースをやってる人はほぼ口を揃えて「ライブコマースを広めたい!」と言う。それは当時「ECを広めたい!」、「iphoneをひろめたい!」と言っていた人たちと同じだ。大丈夫。キミがいなくても広まるものは広まるし既にキミは同質化に飲み込まれて終わっていく自分に早く気づいたほうがいい。後発で参入してくる本物との殺し合いで瞬殺されて淘汰される前に。今しかできない、やるべきことを考えたほうがいい。
先立って始めた人は今、誰も知らない事を知ってる事を自慢する事に優越感を得る方が多いが、先に始めたことだけを自慢するような彼らはほぼ淘汰される。いましか出来ない事の本質に気づいていないからだ。

今からやってくる大波をどう迎えるのか。

それとも、セカンドライフ、マストドンやClubhouseのように、そもそも来ないのかもしれないけれども。

とりあえず楽しい。

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