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そこが違う!?アメリカに住んで分かった、住宅事情5選

NYはめっきり寒く、冬の勢いが増してきました。
寒空の下からこんにちは。たくみ@NY2年目です。今回は少し視点を変えて、日常生活の中での気づきについて触れてみたいと思います。

思えば、30年もの期間を過ごした日本を離れて、初のアメリカ生活。色々なトラブルや驚きがありました。その中でも特に日本との違いにあふれているのが、住宅事情です。

アメリカといえば郊外の一軒家で地下室があって、庭ではゴールデンレトリバーが走っている...というイメージを持ちがちですが、アメリカでも特にミレニアム以下の世代は、狭くてもOK・都市部のマンション・車は所有しない、という価値観が増えて来ているようです。わたしの住むJersey City/Hobokenエリアもまさにそんな雰囲気。アパートの大きさは、日本とさほど変わりません。

New Yorkの人口増に伴い、猛烈な建築ラッシュを続けるJersey city

(参照:jerseycityfyi

もちろん一番の違いは、家賃です。70平米の1ベッドルーム(日本でいう、1LDK)が共益費抜きで2500ドル(28万円)スタート。賃貸ならほぼ確実に、年間契約更新時に値上げを要求されます。私の友人はNYで証券会社に勤めた後、日本のゴールドマンサックスに転職しましたが、都内でNYと同じ家賃を払ったら、六本木の高級タワーマンションに住めたそう。恐るべき家賃の高さ...。

ただ今回は家賃は置いていて、暮らしてみた上での気づきや驚きについてまとめてみたいと思います。日本と同じマンション(アパート)暮らしで、一見すると殆ど同じに見えますが、結構色々違うのですよ。

1.家電は住宅設備。メンテは入居者イントラサイトから

最初の驚き。我が家は電子レンジ・冷蔵庫・洗濯乾燥機・食洗機などの白物家電が全て、入居する時に住宅設備の一部として取り付けられています。これはすごく便利。新しく購入する必要もないし、重たい家電を運ぶ必要もありません。入居したその日から、日常生活が可能です。

ちなみに洗濯機・乾燥機はBOSCH(ドイツ)、冷蔵庫、食洗機・電子レンジはWhirlpool(アメリカ)です。わたしは若干家電オタ入ってるので、入居時に「やった〜ドイツメーカーだ。頑丈なんだろうなあ」と期待しましたが、ぬか喜びでした。既に2回壊れています。なんなら1度、乾燥機が降って来たことある。その時の衝撃映像がこちら。

ただし、すごい!と思ったのが故障時の対応。入居してからの1年3ヶ月の間に電子レンジ1回、乾燥機1回、洗濯機1回が壊れました(壊れすぎ説)が、修理はアパート入居者のイントラサイトに書き込めば、大体翌日、仕事に行っている間に修理業者さんが入って来て、修理しておいてくれます

カテゴリにAppliance(家電)、Descriptionに修理依頼内容を書けば、すぐに直して(Work Completed)おいてくれます。メーカー名、気にする必要なし。

こうなると、家電がどこのブランドか、壊れやすいかそうでないかは、ほぼ価値がないことになります。入居した時から勝手に取り付けられてて、壊れても翌日には直っているのだから。おそるべし家電の住宅設備化。壊れないように作る、という概念は皆無。

違いその1:家電は住宅設備。壊れるけど、すぐ直してくれる。

2.天井照明は、取り付ける配線器具さえない

続いて照明いきましょう。空間の雰囲気を大きく変える照明。大事ですよね。一般的な日本の寝室をまずはご覧いただきましょう。

(参照:フリーダムな暮らし)

松下電工は1969年に「1部屋2あかり3コンセント」というコピーをつくり、住宅内の電化を普及したと言われていますが、現代の住宅は当然、天井照明があります。
続いてアメリカのアパートの寝室。

お気づきでしょうか。天井照明が無いことに。
友人にも聞きましたが、寝室には照明がありません。リビングもあってせいぜい1つ。
別の角度から見てみると。。。

これ!照明器具あったよ!
と思わせておいて、これは火災報知用のセンサーです。アメリカに来てすぐの時に天井照明を探して、このセンサーに電球を突っ込む人が(わたしの周りでは)続出しています。やめましょう。

代わりになるのが据え置き型の照明です。光量が足りなければ、ひたすら力づくでスタンドと電球を増やします。アメリカは間接照明が多くておしゃれ〜と言われますが、単純にシーリングライトをつける器具が存在しないだけかも、という疑いの目を向けざるを得ません。そして引っ越す時にいらなくなって、社内の駐在員帰任セールでいつもこのスタンドは5ドルくらいで投げ売りされております。無駄。

違いその2:天井照明が、ほぼ無い。

3.どんなに高級なコンドミニアムでも、ユニットバス

これはイメージ通りではないでしょうか。みんな基本的にシャワーしか浴びないのでお風呂はユニットバスです。思えば学生時代、横浜から徒歩40分のぼろい木造アパート(家賃45,000円)に住んでいた時に、社会人になったらバス・トイレ別の綺麗な家に引っ越すんだ・・と夢を燃やしていましたが、まさか日本で社会人していた時の倍以上の家賃を払って、ユニットバス生活を送るとは思っていませんでした。

驚いたのは、「どこまで家賃をあげても、ユニットバス」という点。
例えばこちらの間取り。

家賃5,000ドルだとこんな風に広くてゆとりのあるリビングやキッチンが手に入るわけですが、バスルームは「ユニットバスそのまま、数が増える」という摩訶不思議現象が起きています。

「ちゃうねん!!トイレと風呂を!!分けてほしいねん!!」

そう日本人なら突っ込まざるを得ません。
ただこれは、ルームシェアのためなんです。家賃が高すぎるから学生さんや若い人はルームシェアをしていて、それでも一人1個室・バスルームを確保したいのだと。日本のように「家賃を上げる=機能がアップグレードされる」という概念とぜんぜん違うな〜と思いました。

違いその3:家賃をあげても、部屋の機能は増えない。部屋の数は増える。

4.配管が凍る?セントラルヒーティング

我が家はオール電化で、アメリカは電気代めちゃ安いので、そこは助かります。先月の利用明細がこちら。

358kWhだと日本では1万円近くするのではないかと思いますが、我が家では56ドル。安いですね。更に象徴的なのがセントラルヒーティング。アパートが空調を一括管理しており、家電同様、入居した時から全部屋に空調がついています。

ありがたいのですが、問題は契約時に管理会社から言われた言葉。

「当建物はセントラルヒーティングなので、全配管がつながっています。もし、真冬にあなたが空調を切って旅行などに出てしまうと、配管温度が下がり、最悪凍ります。その際はあなたに建物全体の修理費を請求する可能性があるので、真冬は常に暖房をつけて、部屋を65度(摂氏だと20度弱)以上にしておいてください。

(これ、ほんとですかね...?そんなこと、ありえますか?)

ただまわりの友人も同様のことを言われているらしいので、我が家は誰もいなくても冬は暖房入れっぱなしです。建物全体の修理費なんて絶対無理。ご推察の通り、周囲の節電意識は皆無と言えます。

違いその4:外出時もエアコンつけっぱなしにしないと、大災害になる。

5.部屋がシンプルな分、共用部分はとっても豪華

愚痴大会になってきたので、最後は明るく締めたいと思います。共用アメニティはとても素晴らしいです。プール、ジム、バーベキューグリル、ドッグランまであります。大きなアパートなので普段住んでいる人との交流は少ないですが、BBQしてる時に横の住民と仲良くなってご飯をおすそ分けしてもらって...というのは嬉しい出会いです。

思うに、アメリカのアパートはどこも殆ど同じような間取り、内装なので部屋に違いが殆どありません。だから内覧の際にどれだけこのアメニティで「Wow!!」と思わせるかが、契約を取れるかどうかの重要ポイントなのではないでしょうか。

ここで紹介しているのは、あくまで「アメリカ都市部」の「新興住宅・アパートメント」の紹介なので、郊外の方や一戸建ての方などは全く異なる印象をお持ちかもしれません。

違いその5:差別化ポイントは共用アメニティ。

と言いつつ、日本でも大阪・横浜・東京などの都市部でマンション暮らしをしてきたわたしにとっては、近そうに見えて、こんなところが違う!という日米の差に気づくことが日々面白く、文化の違いを考えることにもつながっているので紹介をしてみました。

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