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(翻訳)今、注目すべきファッションスタートアップ 10選

お疲れ様です。noteの改行の仕方を今日理解した、たくみ@NY2年目です!ずっとスペースキーで改行してましたわ。。さて、NYと言えばファッション。探してみたら、きっと面白い話題があるはず・・・!と思いつつも、わたし自身がこの業界に疎く検討がつかず、ひとまず記事の翻訳から始めてみました。訳していく中で、外見の美しさだけでなく機能面での使いやすさや素材の独自性を追求したスタートアップが沢山あることを知り、俄然興味を持ち始めた次第です。(笑)
6,000字以上あり、とても長いので先にサマリーを載せておきます。興味があれば深掘りしてみてください!

サマリー
・大手アパレルによるファッションスタートアップ買収が相次いでいる。自社だけではデジタル化に対応できないから。
・今後買収劇が起きそうな、良い頃合いのスタートアップを10社紹介する。
All Birds
柔軟・快適なスポーツシューズを開発するシリコンバレー発ブランド
Away
ファッショナブルでお手頃な旅行カバンブランド
Stitch Fix
パーソナライズされたコーディネートを提供するECブランド
Rockets of Awesome
子供服のコーディネートを提供するECブランド
Everlane
少量生産の洗練されたファッションブランド
Poshmark
ファッション専用のフリマアプリ、転売を生業にする人も
Reformation
洗練されたデザインコンセプトを持つ、LAのドレスブランド
Kendra Scott
ターゲッティングを絞った、お手頃アクセサリーのブランド
Warby Parker
ECで成功を収め、店舗拡大も行う眼鏡ブランド
Outdoor Voices
コミュティ主導のブランド作りを行うスポーツウェアブランド

興味を持ってもらった方は、翻訳をどうぞ!!
(翻訳元:The Top 10 Venture-Backed Fashion Startups

カルバン・クラインなど世界的に有名なブランドを保有し、年商80億ドルを誇るPVH社は2017年3月、サンフランシスコに本拠を置くTrue&Co社を買収しました。同社はデータを活用して顧客と直接つながる事業展開をしているランジェリーメーカーです。 2012年に設立されたTrue&Co社は、初めてサービスを利用する顧客に対して「フィットクイズ」なるものを提供する企業として知られています。回答は数百万ものデータとリンクされ、クイズの終わりにはパーソナライズされたショッピングリストを見ることが出来ます

(出典:True&Co

契約で見ても、この買収はかなり意味があると言えます。 PVH社は今やビクトリアズシークレットに後塵を拝した、かつての伝統的下着メーカーWarnaco社とOlga社を所有していますが、True&Co.社の企業価値は、それらランジェリーメーカーを遥かに超えて評価されているからです。一方True&Co社としても、これまで競合と比べて少額の1300万ドル程度の資金しかVCから調達できていませんでしたが、PVH社のサプライヤーネットワークを利用し、より良い製品を安価に提供することができると見込まれています。

発表の際、PVH社のEmanuel Chirico CEOはこの買収について「当社の長期的な成長を支えるためのデジタルプラットフォームに対する戦略的投資を行うことへのコミットメントを示しています。グローバルブランド管理、製品ノウハウ、サプライチェーンなど、当社が知見を持つカテゴリーの専門知識を活用しつつ、True&Co.社というデータ経営企業が持つ、分析ツールとの間にシナジーを起こせることが出来ると確信しています。」と述べました。

取引条件は明らかにされていないものの、TechCrunchのある筋に述べたところによると、「投資家の資金は目減りしてはいないが、それ以上でもなかった。」とのこと。この結果はTrue&Co.社が追い求めた、勝ち逃げ成功のストーリーではないかもしれませんが、それより大事なのは、この取引がより大きなトレンドを反映しているということです。すなわち、保守的な大企業が今の市場を破壊されずに自らの未来を守りたければ、技術力を持った破壊者を自ら買収すべし、ということです。ちょうど最近、ウォルマートがModcloth社とBonobos社というスタートアップの買収に乗り出したように。

(出典:Fox school of business

スタートアップと旧来の小売大手におけるM&A活動は魅力的な機会となってきていると確信しています。」アーリーステージのVCでありポートフォリオにWarby Parker、Reformation、2016年にユニリーバが10億ドルで買収したDollar Shave Clubを抱えるForerunner Ventures社の創設者であるKirsten Green氏はそう述べています。「 最も魅力的なマッチアップは、お互いに成長とエネルギーのあるブランドを探している企業の間で起こります。エンゲージメントを促進し、データを使用して在庫計画、マーケティング、プロモーションを改善するのに適したモデルをつくりあげることに繋がります。」

スタートアップにとってはブランド、ビジネスモデル、テクノロジー、またはこれらの3つを組み合わせて手に入れられることが、魅力的な買収であるわけですが、一方、資金調達というのは事業規模を拡大するために行うためのものであり、投資家に多くのリターンを提供するために行うべきものではありません。というのも、極端な例では 2.7億ドルを調達した後、2016年1月にHudson's Bay社によって2.5億ドルで買収されたGilt Groupe社や、6500万ドルを調達した後に、たった20万ドルで英国の小売業者Boohoo社によって買収されたNasty Gal社(その後、倒産)など、事業規模を求めて増資をした後に、シナジーを求めてそれより安く買収された企業なども存在しているのが現状だからです。

FarFetch、RealReal、Rent the RunwayなどのマルチブランドのEコマース企業のように成長を持続させるためには、首尾よく規模を拡大し続けつつ、更に多くの資本を必要とした場合、IPOを行うことで資金調達の柔軟性を高めるといったこともありえるでしょう。ではこのような前置きをふまえた上で、どのスタートアップが健全で、グロースしており、買収に良い頃合いといえるでしょうか。BoF(Business of Fashion、以下本誌)は独自の内部調査と分析を行い、多くの業界専門家と話し合って、10社のファッションとアクセサリーのスタートアップを特定しました。

All Birds 

(出典:All Birds)
設立:2015年
売上高:5,000万ドル(2017年時点)
資金調達:MaveronとLerer Hippeau Ventures等から1,000万ドル

ニュージーランドの元サッカー選手であるTim BrownとバイオテクノロジーエンジニアのJimmy Zwillingerが創設した、この急成長するシューズブランドは、まだファッション業界では目立たない存在です。しかしシリコンバレーでは、ベンチャーキャピタリストや技術者たちがテクノロジーユニークなユニフォームシューズとして評価しており、超快適な「ウールアッパーシューズ」の成功は確実と言えます。

業界関係者によると同社は2017年に5,000万ドルの売上高を達成し、2018年には2倍の1億ドルに達する見込みです。しかし、将来の成功のカギは商品のバリエーションを複数展開出来るかどうかにかかっていると言えます。今、BrownとZwillingerは、スリッパとVansクラシックの真ん中のような雰囲気の "Lounger"と呼ばれるスリッポンシューズを、次なる目玉商品としてハイライトしています。

Away 

(出典:Away)
設立:2015年
売上高:未公開
資金調達:Global Founders Capital、Accel Partners等から1100万ドル

元Warby Parker(眼鏡小売のスタートアップ)のエグゼクティブ、Jen RubioとStephanie Koreyは眼鏡市場での市場破壊の経験から学んだことを、デザインの悪さと価格の高さに悩まされている旅行用カバン事業に適用しました。カバンには旅行者がトランジット中にスマホを充電できるデバイスを取り付け、300ドル以下で売り出しました。2016年、LVMH社による総額7.16億ドルの企業買収のうち、80%がドイツの鞄会社「Rimowa」に費やされたことで、カバン市場への関心が更に高りつつある一方、ある投資家は本投資はRimowaが持つカバン用ホイールに関する技術が目当てで行われた投資である(から鞄業界自体が注目されているわけではない)とも述べており、事実は明らかになっていません。

なおAwayにはそのような優れたホイールの技術はありません。その代わり、NYに本拠を置く同社の最高の資産は、極めて洗練されたブランドそのものであるといえます。SOHOにある店舗には、作家Susan Sontagの言葉が引用されています。
“I haven’t been everywhere, but it’s on my list"(すべての場所に行ったわけではないが、私のリストには載っている)これが、同社の哲学を総括しています。

Stitch Fix  

(出典:Stitch Fix)
設立:2011年
売上高:7.7億ドル 
資金調達:Benchmark、Baseline、Lightspeed Venturesから4200万ドル

パーソナライズされた洋服のセットを提供するアルゴリズムを開発しているスタイリングサービスStitch Fix(常連の間ではサービスを使うことは、「Fixする」と呼ばれている)は、買収よりもIPOを狙っています。しかし、豊富なデータを活用したい大企業にとっては、魅力的な買収候補先であることに疑う余地はありません。 2016年、同社は本誌に顧客の70%が90日以内に2回目の「FIX」を行い、39%の顧客が自らの予算の半分以上を本サービスに費やしていると語りました。同社はサードパーティの製品も販売しているものの、うまくデータを使用してサービスの独自デザイン性を維持しています。

売上高は購入した顧客がどのくらい商品を使い続けているかの指標にはなりませんが、Stitch Fix曰く「FIX」して気に入らなかった商品は、全て返品可能であるため、実際、売上の成長と商品満足は相関していると言えそうです。財務情報機関PrivCoによると、Stitch Fixは2012年から2015年にかけて年率76%の成長率を達成し、2015年に売上高2.4億ドルを達成しました。

Rockets of Awesome

(出典:Rockets of Awesome)
設立:2016年
売上高:未公開
資金調達:August Capital、General Catalyst等から2,000万ドル

シリアルイノベーターのRachel BlumenthalとM. Gemi社のBen Fischman CEOが立ち上げたRocket of Awesome社はStitch Fixのビジネスモデルを子供服市場に当てはめて展開しました。 同社は、子供服大手であるStella McCartneyと品質的には近いものでしたが、販売価格としてはGap Kidsにさえ匹敵する、1着平均22ドルという安さがヒットの引き金でした。Stitch Fixの方が最初は注目度が高かったものの、徐々にコンペティタとして台頭しつつあります。

Everlane

(出典:Everlane
設立:2011年
売上高:5100万ドル(2015年時点)
資金調達:14W、ブライアン・シュガー等から1800万ドル

Everlaneは大量生産とは一線を画す、少量生産のディストリビューションモデルを持ち、美しいデザインへの美学と透明性を大切にする、非常に基本に忠実な小売店です。同社の話を古くからのファッション大手各社は皆口々に噂しています。 2016年5月、アパレル大手のユニクロは、EverlaneのデザイナーであるRebekka Bayを引き抜いて米国市場の拡大に乗り出しました。このことからも、老舗プレーヤーがこのサンフランシスコの小さなスタートアップのことをどれほど気にしているかが分かります。Recode誌によれば、昨年同社は2.5億ドルの評価額で資金調達を開始したものの、それ以降の音沙汰は一切無いということです。 Recodeは2016年までに少なくとも1800万ドルを調達したと推定していますが、これまでのところ資金調達の進展については入ってきておらず、同社の最大の課題は継続的な成長であると言えます。

Poshmark

(出典:Poshmark
設立:2011年
売上高:1億ドル(2017時点)
資金調達:GGV capital、Munro Venturesより7,000万ドル

再販専門のPoshmarkは、ソーシャルセールとアプリベースのモデルを組み合わせて成長を加速させています。在庫管理事業はせず、全てピアツーピアの取引とすることでコストを常に下げており、また同サービスで物を売る人を「フリーランスの起業家」として扱っています。実際、Poshmarkを利用する250万人の売り手の中には、eBayなど他社の口座を利用して1年あたり50万ドル以上もの年商を上げている人もあります。多くの人が卸売で買った新製品の再販にも携わっていますが、他の市場と同様に、それ以外の成長の道筋を見つける必要があります。 (今年Poshmarkは、総額で5億ドルもの取引が行われると予測しています。なお、eBayの総流通額は2016年時点で840億ドルでした。)最新のアプリアップデートにおいて追加されたサービス「Posh Dressing Room」は売り手と買い手の間のバーチャルなスタイリングシュミレーションを提供しており、エンゲージを高めるための工夫を次々に行っていると言えます。

Reformation

(出典:Reformation
設立:2009年
売上高:2,500万ドル(2014年時点)
資金調達:アンドリュー・ローゼン、ミロスラバ・ドゥマ等から1200万ドル

ファストファッションとの違いを明確に区別できる独特の美学を持ち、シャープでセクシーなドレスを展開することで大変有名になっている、ロサンゼルス発のReformationは一貫したブランドのコンセプトを持っているだけでなく、certified B Corp(※企業の独自性や透明性を調査する企業)に総合スコアで100点(中央値は55点)の評価を受けたブランドです。CEOのYael Aflalo氏はブランド立ち上げ当初、卸売に依存するブランドを設計してしまった経験を持ち、その反省を生かして、むやみな規模拡大や利益追及をしないよう慎重に改革を行った結果、現在は常設・仮設を含めてわずか5店舗のみを展開、カテゴリーもドレスに加えてブライダルや水着に対してのみ、展開をしています。

Kendra Scott 

(出典:Kendra Scott
設立:2002年
売上高:2.5億万ドル(2016年時点)
資金調達:未公開

オースティンを拠点とするジュエリーデザイナーKendra Scott氏は、自宅の寝室で500ドルではじめたビジネスを通じて一躍有名になりました。彼女のポイントはお手軽な価格帯(平均価格は1つ100ドル程度)と極めて絞り込んだ小売戦略に重点を置いている点です。ほとんどの店舗は大学のある町やブランドのオンライン販売高が高い地域にあり、市場評価は10億ドルに達しています。

Warby Parker

(出典:Warby Parker
設立:2010年
売上高:未公開
推定資金:ゼネラル・カタリスト、メンロ・ベンチャーズ等から215百万ドル

Warby Parkerは12億ドルの評価を受けるファッション業界の唯一のユニコーンであり、IPOの本命候補にもなっています。同社のリテール戦略は、店舗内の経験を正しく設計するのに苦労している大手小売業者やベンチャー企業にも賞賛されています。今年は店舗数を70以上に拡大する計画を立てており、ECで溜め込んだデータを使用して対面販売における経験をより明確に定義しようとしています。同社のCEOである Neil Blumenthal (妻は、なんとRockets of Awesome社CEOのRachel Blumenthal 氏!)は2017年1月にWallsteet Journalの取材に対して「小売自体が死んだとは思わないが、平凡な小売経験は既に死んでいる」と語っています。

Outdoor Voices 

(出典:Outdoor Voices
設立:2013年
売上高:未公開
資金調達:14W, Forerunner, Burch Creative Capitalより2300万ドル

肥大化したスポーツウェア市場が徐々に改善しつつある中で、Outdoor Voicesはコミュニティ主導の独自ブランドを築き、スポーツ市場の外にいる顧客もふと興味を持ってしまうような魅力を持っています。APCのような、企業ともコラボをしており、既にオープンしている4店舗に加えて、2017年にはさらにもう4店オープンを見込んでいます。CEOのHaneyが2016年に本誌に語ったのは、「私たちは変化にとてもスピーディに対応している。多くのファッション業界にいる会社はその姿勢を失ってしまったと思う。」ということです。

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以上、ファッション10選でした!6,000字の翻訳は正直大変でした・・・が、知らなかったサービスを沢山知れてテンション上がりました。どこもECはマスト存在するものの、用途が様々、という点に心を惹かれました。次は1店ずつ回ってリサーチをしてこようと思います!
なお早速、Everlaneに行こうと思って検索したところ、NYの4店舗のうち3件は何と既に閉店していました。ここでメディアに心配されている通りのことが起こっとるやないかい。ちなみにわたしのオススメはUrban outfittersです。もはやここでしか服を買っていない可能性があります。ここでは何と100ドルでターンテーブルが買えます。NYを訪れる際は行ってみてください。では。

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