日本とアメリカでは全然違う!インフルエンサーマーケティングと、従業員のソーシャル発信

お疲れ様です。外はマイナス1度。
NYは寒すぎて家から一歩も出たくない、たくみ@NY2年目です。

出不精な僕ですが、なんと先日、ひょんなことから憧れに憧れてやまないライター・インフルエンサーの塩谷舞(@ciotan)さんとお会いすることができました...!!(感涙) そこで情報発信や、インフルエンサーにまつわるあれやこれやを教えていただき、夢のような2時間だったわけですが。ほぼ同じタイミングで、noteでも同様の記事が発信され、インフルエンサーにまつわる情報や課題意識のシャワーを浴びることとなりました。

僕は日系電機メーカーのブランド部門で3年働き、アメリカに来てからもマーケティングの仕事をしていますが、正直日本にいた時はインフルエンサーマーケティングの世界がちょっと縁遠かったのです。なんかキラキラしてる感があって...笑

これはコスメやファッション、飲料などコンシューマの中でもトレンドや嗜好性に左右される商品だけに適用できる手法で、自分はメーカーの中でもB2B寄りの発信を担当していたから、正直あまり関係のないアプローチだと思っていたのです。

ところが!アメリカにきたら全然違う。YouTuberやインフルエンサーの中に技術を深く理解している人がいる。特定業界のニッチなニュースを発信し、業界で一目置かれる個人メディアが、至るところにある。B2Bを担当する僕も、インフルエンサー関係の仕事にばりばり絡む...。

なんだこの世界は!!

ということで、今回はアメリカで働いてみて気づいたブランドとインフルエンサーの関係と、そこから転じて個人メディアのあり方、ひいては働き方についてお話できればと思います。


「物流」「電池」(!?) ニッチに刺さる、B2Bのインフルエンサー

例えば当社が今年、ラスベガスの展示会で物流ソリューションを紹介した時に出演してもらったのが、Supply Chain QueenことSheri。ハーバード卒のフリーランスでインフルエンサーとして発信をしながら、IBM Futuristにも選ばれています。

この発信の肝はRFIDという個別の商品を管理するタグのようなものの紹介だったのですが、ここでは商品を作る製造現場から、お客さんがクレジットカードをスキャンするPOSシステムまで当社はやってる、だからRFIDを搭載することで一貫して商品の管理ができるというポイントをしっかり押さえて話してくれました。

続いては電池のインフルエンサー。エコ・グリーンエネルギー分野で、書籍も出版しているSethに車載用リチウムイオン電池について紹介してもらいました。彼はTwitterで6万人にフォローされており、発信力抜群の動画は47,000回以上も再生され、大人気でした。

これ以外でも、エンタメ・自動車など、合計で5人のインフルエンサーに技術を紹介してもらいました。(全部見たい方がいれば、こちらから...(宣伝))このように、英語圏でのインフルエンサー活用は芸能やコンシューマ商品の枠を出て、B2Bや技術のブランディングにも広く行われています。マスにウケる情報でなくとも、ニッチで深い情報を、世界に発信することでインフルエンサーとして活躍している人は数多く存在するし、実際うちのような大企業も積極的に彼らとコラボレーションしているのは、日本での事例と少し異なるのではないでしょうか。


ブランドとインフルエンサーの関係の変化

さて、インフルエンサーすごいぜ的なことを言ったけど、実は課題も抱えています。象徴的なのは、今年のカンヌライオンズ広告祭。

ユニリーバの最高マーケティング責任者のキース・ウィード氏は6月18日に、ユニリーバはフォロワーをお金で購入するようなインフルエンサーは起用しないと宣言した。そして、ユニリーバのブランド群は、ボットなどを使った偽のフォロワー獲得といった偽証行為を働いているインフルエンサーたちを、その起用リストから根絶するため積極的に取り締まるとも述べた。
サムスンの最高マーケティング責任者であるマーク・マシュー氏は、最近広告にユーチューバーであるキャセイ・ネイスタットを起用した。だが、彼によると、それはキャセイが持つインフルエンスではなく、キャセイのクリエイティビティが理由だという。「ただインフルエンサーを使うということはしたくない。実際に我々のプロダクトを使う人たちを使ってマーケティングしたい」。

ここでは、広告やボットを使ってフォロワーの数だけを増やしたアカウントをインフルエンサーとして扱い、彼らを使って広告をすることは、ユーザーを裏切る行為であり、ブランドを毀損することになることが述べられています。

また人間同士のコミュニケーションをとってフォロワーから愛されているインフルエンサーが、嘘のない言葉でプロダクトの良さを語らない限り、インフルエンサーマーケティングは成功しない。ブランドとインフルエンサーの信頼関係も非常に大事で、ますます企業や有名人のコミュニケーションも対個人同士のそれと変わらなくなっているということが述べられています。


社員インフルエンサープログラムで成功した事例も

そんな中、Macy's(大手百貨店)が面白い取り組みを始めました。社員をインフルエンサーにしようというもので、今のところうまくいっているとのこと。

メイシーズの従業員であれば、誰でもこのプログラムに応募できる。応募が承認されると、事実上、同デパートのすべての製品への無料アクセス権が与えられ、オンラインで販促活動を行う。
従業員は#macysstylecrewやそのほかのさまざまなハッシュタグを使用し、自身のインスタグラムのページ上部に固有のURLのリンクを貼って販売促進をする。
300人を超える従業員がプログラムに参加し、現在はSnapchatやInstagramを含むソーシャルメディア全体で、400超のアカウントがアクティブな状態にある。
従業員のインフルエンサーは、レジ係から幹部に至るまで、売り上げを促進するたびに報酬を得るが、その歩合ははっきりとは定まっていない。

こういう従業員参加型のプログラムは、コンテンツのクオリティがイマイチなんだよな...と思いつつ、#macysstylecrewでインスタ検索したところ、出て来たのがこんなアカウント。


めっちゃ良くないですか(驚)おしゃれ!
こんな従業員、Macy'sで見かけたことないぞ!

更にブランド発信専用アカウントではなく、あくまで個人アカウントで会社のブランドを発信している点が素晴らしいと思います。後者の方が本人のパーソナリティを知れるし、宣伝くささが無い。かつ自分のアカウントだからこそ、ダサいコンテンツを出したく無いという思いも持ちやすいと思います。こうやって個人のアカウントが積極的に情報発信する中で、徐々に魅力的なインフルエンサーとしてブランディングされていくって素晴らしいな〜と思います。

会社がコンテンツ(商品・サービス)を発信した際に、社員が専門性と意欲をもって、自らのアカウントで情報発信をする。うまくいけば沢山の優良コンテンツがうまれ、社員のエンパワーメントと企業のブランディングが両輪になるようなモデルになるのではないでしょうか。

自分のアカウントをつくってわかったこと

Twitterとnoteを始めて5ヶ月。ありがたいことに色んな方に見てもらえて、Twitterはフォロワー1,000人、noteも10,000PVが見えて来ました。まだまだ内容の深さも広さも足りないのだけど、これまでコンテンツを見る側だったソーシャルの世界が、徐々に作る方に変わって来て、それによって絡む人や出会う人の幅が広がったのが本当に嬉しいです。最所あさみさんや塩谷舞さんのツイート(巷ではしおたん砲というらしい)には何度も励まされました。深謝。


元々発信を始めたきっかけは、何気なく登録した転職サイトでのエージェントとのやりとり。「大手企業の経験」「マーケ」「駐在経験」「話せる言語」などを入力すると、ほぼ自動的にポストや待遇が計算され、自分のことを何も知らないエージェントから仕事を推薦される。自分がしたい仕事はこんなことで、将来なりたい姿はこうで...と必死に訴えても、欲しい情報は転職サイトには載っていないし、エージェントも知りようが無い。

思い上がった考えだとわかっていながらも、自分のことをもっと理解して欲しかったし、自分が信頼する人とのコミュニケーションを通じてキャリアを作っていきたかった。そのためには「自分を発信して、周囲にわかってもらうしかない!」という思いで発信をはじめました。この考え方は今の会社でキャリアを磨く場合もそうでない場合も、どちらにも有効だと思ったから、会社の人にも紹介して、記事を見てもらうようにしました。

5ヶ月の取り組みを通して、徐々に自分を発信して自分のタグを作ることの面白さ、意義がわかってきました。更にもう少し規模が大きくなったら、次なる段階としてこの取り組みをどうやって仕事につなげていけるかを考えられたら良いなと思っています。

# デザイン、#デジタル、#働き方、#エンジニアリングなど、社内に存在する素晴らしいタグをもつ社員が、同じようにニッチだけど深い情報を高いクオリティで発信できたら何が起こるか。

会社がそれに寄り添い、個人と企業が対等な関係でブランディングを行った先に、ワークスタイル変革と企業のブランディングが両輪になるような世界があるような気がしてなりません。そんな取り組みができたらいいなと思って今回の記事を書いてみました。

まとめます。

アメリカのインフルエンサーの事例のように、B2Bであっても業界で一目おかれる個人メディアが存在する。自分のタグを作ってどんどん発信したほうがいい。
企業のブランディングにも、もっと個人メディアは活用出来る。プロのインフルエンサーもいいが、社内で専門性を持って活躍する社員を起用して情報発信をサポートすれば、良質なコンテンツを沢山うみ出すことができるのでは。
個人で発信することは、個をエンパワーメントし、独立した生き方をつくることに繋がる。会社はそのような個人を対等に扱い、会社のブランディングに活用することで、働き方とブランディングが両輪になるような形を作ることができると思う。

記事にする前のことをいろいろつぶやいています。


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