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木造住宅では、ツーバイフォー工法はほんとに良いものなのか?~ツーバイフォー工法の「メリットのウソ」

こんにちは。

建築コンサルタントのtakumiです。

本日は、「ツーバイフォー」に関するホントのお話です。

ツーバイフォーというのは、在来工法(軸組工法)のように柱と梁(はり)で構成された日本古来からの工法ではなくて、

主に、2インチ✕4インチ(38㎜×89㎜)の厚みのパネル状の木材を使って組み立てる、「枠組壁工法」と言われるものの一種です。

この、ツーバイフォーは在来工法(軸組工法)と比較して、何かとメリットが多く優れているように書かれますが、

実は、結構、あやしい部分が多いのも事実なのです。

もちろん、在来工法と比較した際の「明らかな」メリットもありますが、本当に何が優れていて、デメリットはなにか、きちんと把握してもらうためにご説明しおきます。


◆まずは、ツーバイフォーで当たっているメリットは?

○工期が短くなる

工事の工期は在来工法と比べると早くなります。

パネルの組み立てが主ですから、現場での加工や調整が少なく、一気に形になってきます。

ただし、何ヶ月も早くなる訳ではありません。せいぜい1~2週間程度です。

短縮できるのは構造(木材)の部分だけですから、基礎や仕上げといった他の工程は在来工法と同じです。

そのため、この程度の工期短縮は施主さんにはあまりメリットとは言えないかもしれませんね。


○職人の技術力に左右されにくい

ツーバイフォーはパネル状の木材を組合われることが主な工法ですから、職人さんの熟練の技術があまりなくてもできる工法です。

そのため、経験が少ない大工さんでも作りやすい工法となっています。

近頃は熟練の大工さんの数も減ってきてしまいましたので、若い大工さんや外国からの労働者でもツーバイフォーは扱いやすいため、ハウスメーカーの中にはツーバイフォーに切替えるところもあります。

しかし、これも施主さんのメリットとは言えない部分ではあります。

○気密性に優れる

パネル構造のツーバイフォーは、外壁側や屋根面がパネル状なので、軸組だけの在来工法と比べると、構造的に隙間は少なくなります。

《 ↓↓↓こちらがツーバイフォー》

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《 ↓↓↓こちらが在来工法》

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高い気密性を売りにするハウスメーカーは、ツーバイフォーを採用する傾向にありますね。

ただし、在来工法でも最近は外壁側は筋かいではなく構造用合板などの面状 の耐力壁ばかりなので、構造面でも大きな差はなくなってきています。

さらに、断熱材にてウレタン吹き付けなどの「吹き付け型断熱材」を使うと、隙間がかなり少なくなることもあり、最終的には「気密テープ」によって気密性を高めるため、構造による気密性の差は、最終的な気密性能への影響は少なくなってきています。

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ウレタン吹き付けの写真

また、ツーバイフォーはパネルを組み立てるだけであまり細かな調整をしないため、かなり歪んでいたり隙間が生じていたりもします。(職人やプレカットの精度にもよりますが)

ツーバイフォーだから気密性が高い、というのは、微妙なところかもしれません。


◆では、ツーバイフォーのデメリットはなにか?

次に、ツーバイフォーのデメリットです。

○間取りに規制が多く、不自由な設計になる

ツーバイフォーはパネルを組み合わせて造る構造ですから、家自体は「箱を重ねる」ような仕組みになってきます。

そのため、形態的な規制が多く、間取りの自由度が少なくなります。

また、窓などの「開口部」も、あまり大きなものはできず、位置も限定的になる面があります。

○あまり良い材料(木材)を使わない

木材の材料にも在来工法とツーバイフォーでは違いがあります。

ツーバイフォー工法は北米で生まれた工法で、一般的にはSPF(スプルースやパインなどの総称)やホワイトウッド(欧州の白系針葉樹の総称)といった白木を使います。

これらの木は比較的柔らかく、加工がしやすいため使いやすいのですが、水や害虫に弱くに耐久性に難があるのが大きなデメリットです。


◆そして、メリットのウソとは?

では、いよいよ、よく言われるメリットとのウソについて。

○耐火性が優れるというのはウソ!

よく書かれているのが、「耐火性」です。

在来工法よりも燃えにくい構造だと解説されることが多いようですが、そんなことはありません。

なぜ、ツーバイフォーにしたから燃えにくいと言えるのかよく分かりませんが、ファイアーストップという延焼止めをつけるからという説明を見ます。

これは火事の際に燃え広がらないように、1階~2階の間の隙間を不燃材で埋めるものですが、別に在来工法でもすることです。

他にも、外壁や窓の防火性能も在来工法とツーバイフォーとでは何も変わりません。

このような「燃えにくい構造」には、建築基準法にある「準耐火建築物」の仕様や、フラット35の省令準耐火構造というものもありますが、これらは在来工法、ツーバイフォーともに可能なものですから、各工法で差はありません。

なんせ、木は燃えるものですから、いかに気の部分を燃えないもので被覆するかというところが、耐火の考え方ですから、在来工法とツーバイフォーでそんなに変わるわけないですよね。


○耐震性に優れるというのもウソ!

「ツーバイフォーはパネル(面)で構成さているので地震や台風に強い」という解説もよく見る気がしますが、これもウソです。 確かに、ツーバイフォーは窓の面積が比較的少なくなり構造の壁が多くなりますから、耐震性を上げやすい要素はあります。

ただし、耐震性というのは、

・構造計算などで安全性を確認する(高い耐震等級を目指す)

・硬い地盤に建てる

・ミスの無い丁寧で正確な施工をする

これが基本であり重要な要素ですから、ツーバイフォーだから安全とは言えません。

上記の条件を満たせば、当然、在来工法でも安全性の高い建物になりますし、逆にツーバイフォーでも上記の条件を満たしていなければ、地震で壊れやすくなります。

当然の話です。

◆まとめ

今回は、ツーバイフォーのホントとウソの部分を解説しました。

ツーバイフォーは悪い工法ではありませんが、施主さんにとってのメリットが在来工法と比べてそれほど大きいとは言えず、逆に間取りの限定性、不自由さが大きくデメリットになると思います。

間取り診断をしていても、ツーバイフォーなどの枠組壁構法は、制限があるために間取りを変更できないこともあります。

在来工法とツーバイフォー工法。ハウスメーカー選びにおいて、どちらが自分に適しているのか、メリットとデメリットを把握して、しっかり見極めていきましょう。


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