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ミサイルが飛んだ。日本を超えた。

朝5時58分。
ミサイルが飛んだ。
日本を超えた。

1日は昨日と同じように動きはじめる。
スーツを着て、
満員電車に揺られ、
デスクに向かう。

世界は大きく変わっても、
その変化は、
滑らかに、
なんて言葉が通用しないくらい、
ゆっくり、ゆっくり、
生活にインクが滲むように、
気付いた時に、
目の前が変わっているだけ。

たぶん、
遠くで戦争が起きても、
近くで大きな事件が起きても、
誰かにとっての"目の前のこと"は、
一切何も変わらない。

時に、人は死ぬ。

3ヶ月後、旅行に行こう!
と活き活きしていた母は、
予定を立てた一ヶ月後、急逝した。

あの一週間後に行けたはず。
自分はどうにでもできた。
頼み込んだら仕事の予定なんかどうにでもなったんじゃないか。
僕をかけがえのない人としてみてくれる人は、誰だ。
僕のかけがえのない人は、誰だ。

後悔は止まらない。

今、この命は、
誰にその期限を決められているのだろう。
その終わりの瞬間に、
どれほどの後悔を持って、
僕らは命を燃やすのか。

その終わりの瞬間に、
どれほどの愛を抱いて、
僕らは次の命へ向かえるのだろうか。


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