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【デュエプレ】赤青UKおぼえがき【400人大会優勝】

牛乳です。
1/4に開催された400人規模の公認大会で、赤青UKを使って優勝しました。

この日はバトルアリーナ二次予選の直前ということもあり、調整メンバーが不利益を被らないよう泣く泣くリスト非公開とさせていただきました。

二次予選が終わったいま、リストを隠す理由がなくなったため、簡単なリストの解説とプレイングについてまとめられればと思います。

使用リストと戦績

1回戦: 不戦勝 ⭕
2回戦: 白単サザン(先) ⭕
3回戦: 4Cアウトレイジ (後) ⭕
4回戦: 白単天門 (先) ⭕
5回戦: 黒単ワルボロフ (後) ⭕
6回戦: 白単サザン(後) ⭕
7回戦: 白単サザン(後) ⭕
準決勝: 白単サザン(後) ⭕
決勝: シータ刃鬼 (先先先) ❌⭕⭕

採用 / 不採用カードと枚数配分

調整方針

  • このデッキの基本戦略はあくまでビート。白を入れるなどして受けに寄せすぎるとデッキの強みを損なうため、赤青の2色が最適。特に23弾環境はUKが攻める側になるマッチが増えたのも大きい。

  • マナカーブがしっかりしすぎているせいで3ターン目以降の多色引きはほとんど許されない。多色枚数は最小限に抑える。デッキに白を足したくない理由のひとつでもある。

  • 一部マッチを除き3ターン始動でも間に合うため、最序盤のマナカーブは多少適当でも良い。2ターン目の《灼熱の闘志 テスタロッサ》を我慢した結果、その1枚分が《トンギヌスの槍》や《武闘将軍 カツキング》となる形で最終的な打点にお釣りがくることも多い。

  • デッキの39〜40枚目で悩んだら「特定マッチに劇的に刺さる」カードを優先。デッキの性質上、不要なカードは捨てて望むハンドをキープしやすいので、ピーキーなカードを若干枚積むのは問題ない。

  • よくある赤青UKのリスト40枚で対戦した場合、不利がつくのは祝門・天門・黒単・ビマナ・サザン辺り。大会のシェアを予想しながらメタカードの採用を検討する。

《灼熱の闘志 テスタロッサ》 3枚

一次予選では2枚だったが3枚に増量。

調整方針の節でも述べたように、このデッキで多色カードを後引きすることは基本的に許されないため、ゲームが進めば進むほどこのカードは邪魔になってくる。
更に《熱湯グレンニャー》とは違い、プレーすると自分の手札が減ってしまうため、引いてしまった場合の処理も非常に難しく、問題が多かった。
このことを踏まえて一次予選ではこのカードを2枚まで減らして臨んだが、自分が受ける側になったときに2枚では不十分であると感じた。
特に5マナ時に即座に2枚引き込みながらエメラルを出したい場面が多く、メタゲーム上でもビートは無視できない割合存在するので、再度の増量に踏み切った。

《アクア・スーパーエメラル》 3枚

一次予選では2枚だったが3枚に増量。

もともと2.5枚ほどデッキに欲しいカードであるが、現環境ではUKが攻める側になるケースが多いため、ならばと2枚にして調整していた。
一次予選終了後、デッキリストの再検討を行っていた際に39〜40枚目で悩んだため、テスタの再増量に併せて再増量したところ、感触が良かったので今のところ続投中。

《龍覇 グレンリベット》 3枚

一次予選では2枚だったが3枚に増量。

大前提として、現環境ではこのカードを2枚は入れることを強く推奨する。
ハンデスをしてくるデッキに対してこのカードは「あったら嬉しい」レベルではなく「一番太い勝ち筋」としてゲームプランに組み込まれるレベルのインパクトを持つからである。

黒ビマナや黒単などは、ドロン・ゴーのギミックに対処するためにハンデスを撃ってから除去をする展開が非常に多い。
上記2デッキはどちらも継続的なハンデスを得意とするため、マッドネスの賞味期限が非常に長く、ゲーム中どこかで1枚引ければ十分に機能する。
更にバトル以外での除去に頼っている上記デッキ群が《無敵剣 プロト・ギガハート》を装備したこのカードを除去するのは非常に難しく、「出たら勝ち」と言っても過言ではない。
対祝門では噛み合わせが悪いと十分に機能しないことこそあるものの、メタゲーム上で20%近くを占め、かつUKが苦手とするハンデス系に対して太い勝ち筋を用意できていることが偉い。

マッドネスの対抗馬としては《アクア闘士 サンダーボルト》が挙げられるが、《翔天と天恵の声援》にも引っかからず、場持ちが良い《龍覇 グレンリベット》のほうが優れていると筆者は考えている。

《エマージェンシー・タイフーン》 0枚

現状では不採用だが、《灼熱の闘志 テスタロッサ》の3枚目と交換するのは良さそうだなと大会中に感じた。

プレーすることで手札が減るうえ多色カードでもある《灼熱の闘志 テスタロッサ》に比べ、こちらは場に生物が残らないぶん手札が減らない単色である部分が明確に優れている。
「デッキは掘り進めたいけどテスタは出したくないな……」と感じる場面は一定数存在するので、その枠を《エマージェンシー・タイフーン》に譲るべきなのかもしれない。

《アクア・ハンマープライス》 0枚

一次予選では2枚だったが0枚に減量。

《灼熱の闘志 テスタロッサ》を出したくないが、ビート戦略は推し進めたいというマッチにおいて5〜6枚目の《熱湯グレンニャー》になるよう採用したが、凡庸な印象を受けたのでボツにした。
デッキ全体のマナコストが高めで、《電脳の女王アリス》でデッキトップの操作もできることから、ガチンコ・ジャッジとの相性自体は良い。

しかし《灼熱の闘志 テスタロッサ》と違ってゲーム後半に引いても何もせず、カードの賞味期限が短すぎることがとにかく気になった。

同じ役割のカードとしては《斬斬人形コダマンマ》が挙げられるが、モルト王全盛の現環境では、《翔天と天恵の声援》に当たらないことよりも盾を1枚減らしてしまうリスクが大きいと判断した。

《早撃人形マグナム》 0枚

バトルアリーナ調整中に数枚試していたが、最終的に不採用に。

元々天門・祝門対面のメタカードとして試しており、一定の効果こそ発揮したものの、《龍覇 グレンリベット》のマッドネスや《超合金 ロビー》との噛み合いがとにかく悪かった。
この2枚はいずれも先述の対面でプレーしたいカードなので、重なった場合にゲーム方針がちぐはぐになってしまい良くなかった。

余談だが《神聖牙 UK パンク》はデスパペットも蘇生できる。
《終末の時計 ザ・クロック》とセットで《早撃人形マグナム》を蘇生した場合、出す順に関係なく踏み倒しメタが解決される前にターンを飛ばせる。

これはデュエプレでは「『このクリーチャーが出たとき』→『クリーチャーが出たとき』」の順で効果が解決されるからである。
これを悪用すると、例えば自分の場に《早撃人形マグナム》と《神豚 ブータンPOP》、墓地に《終末の時計 ザ・クロック》がいる状態であえてブータンを自壊させることで、ドロン・ゴーを連鎖させて一瞬で《神聖牙 UK パンク》まで繋げる芸当も可能になる。

《炎龍秘伝カイザー・フレイム》 0枚

一次予選では2枚だったが0枚に減量。
ただし今回は試験的に0枚にしただけで、環境次第では2枚必要。

対天門専用カード。
天門系とUKの相性は最悪で、当たった瞬間負けがほぼ確定するレベル。
アリーナ一次予選までに天門の使用率は下がるだろうと読んでいたのだが、思いの外全く下がらず10%近いシェアを維持してしまったため、メタカードの採用を余儀なくされた形になる。

ただしこのカードの効能は劇的である。
あくまで筆者体感だが、「《炎龍秘伝カイザー・フレイム》入り赤青UKへの最適なプレーが分かっていない天門使い」を想定する場合、デッキに1枚入れると天門への勝率が30%、2枚だと60%ほど上がる。
(※ 分かっている相手だと勝利貢献度は半減するイメージ)

デッキスロット2枠で環境に10%存在するデッキへの勝率が60%も上がるというのは、環境に30%存在するデッキへの勝率が20%改善するのと等価。
これならデッキ1枠あたりの勝利貢献値としては十分だろうと判断して採用に踏み切った。

《トンギヌスの槍》3枚

本当は4枚欲しいが、UKが攻める側になりやすい現環境において、このカードを複数枚抱えながらゲームを進行するのがほぼ不可能なため3枚に減量している。

アタックチャンスで大量の《トンギヌスの槍》が飛んできて負けた経験のある人は多いかもしれないが、これを複数枚抱える展開に再現性を持たせられるのは、実はUKが守りに徹しているときのみ。
それ以外はだいたいドロソからたまたま都合良く2枚目を引いていることが大半。

以上の議論を踏まえたうえで、参考までに筆者がバトルアリーナの一次予選で使用した際のリストを掲載する。
今見ると細かい部分の調整が甘いなと思ってしまうが、リストから試行錯誤の跡を感じていただけると幸いである。

プレイングガイド

全体方針

  • 自分より高速なビートデッキ相手には《アクア・スーパーエメラル》で確定カウンターを狙いに行くだけなので、細かいプレイングの説明については割愛する。一方、同速あるいは自分より低速な対面ではこちらからビートすることが多く、プレイングも難しい。

  • 自分が攻める側の場合、どんなに頑張っても手札は3枚程度しか抱えられない。その中で「ドロン・ゴーのコスト」「ドロー効果付きの生物」「《トンギヌスの槍》」「《秘拳カツドン破》で出すカード」を上手にやりくりするのがこのデッキの本質。

  • 攻めるときは手札の《アクア・スーパーエメラル》や《秘拳カツドン破》を積極的に捨てて良い。野生のトリガーを有効活用するだけで7割拾えるのでそれで十分なのと、無理にカウンターの札を抱えようとすると手札管理がぐちゃぐちゃになって自滅しやすいからである。

  • 以下に記載する対面は基本的にUKが「攻める側」になる対面。
    (ただし天門・白単サザンのみ例外。詳しくは後述する)

モルト王

  • 攻守: 攻める側

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 《終末の時計 ザ・クロック》単騎

  • キーカード: 《神豚 ブータンPOP》《武闘将軍 カツキング》

基本の相性はUK有利だが、《龍世界ドラゴ大王》の採用枚数が増えるほどUK側が勝てなくなる。
基本戦略として、小型生物で盾を残り3枚まで減らした後、《二刀龍覇 グレンモルト「王」》によるリーサルを盾で受け止め、《武闘将軍 カツキング》でカウンターを狙うことになる。

相手の盾が3枚以下の状態で、エグザイルクリーチャーが生存した状態でターンを返すと、モルト王側は《武闘将軍 カツキング》によるリーサルを警戒するものの、ドロン・ゴーも警戒して面処理にも回れないため、結果的に《二刀龍覇 グレンモルト「王」》で無理やりリーサルを狙ってくるケースが非常に多い。
その場合盾トリガーの確率(約70%)がそのまま勝率に直結するため、UK側に分の良い勝負となる。

《秘拳カツドン破》で出すカードについて、4点トリガーで勝負する場合は《超絶合金ロビンフッド》1枚で返せるが、《熱血星龍ガイギンガ》着地後までケアする場合は必ず《終末の時計 ザ・クロック》を経由することになる。

このことから《神聖牙 UK パンク》を手札に抱えたくなるが、これは悪手。
《神豚 ブータンPOP》が場持ちの良い高速打点として機能するので、《終末の時計 ザ・クロック》を手札に残しながら《神豚 ブータンPOP》をプレーするのが王道。
後手かつ2コス生物を《翔天と天恵の声援》で除去されてしまうと苦しいため、《神聖牙 UK パンク》でカウンターすることを検討しても良いが、モルト王側が《龍世界ドラゴ大王》を採用している場合は相手もゲームを引き伸ばしてくるので裏目になりやすい。

あくまで基本はこちらが攻める側であることを忘れない。

黒単ワルボロフ

  • 攻守: 攻める側

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 考える必要なし

  • キーカード: 《超合金 ロビー》《龍覇 グレンリベット》

基本の相性はUK不利だが、《龍覇 グレンリベット》の採用枚数ぶんだけ相性が改善する。(3枚も入れると微有利くらい?)
後手の1枚ぶんのリソースが《爆霊魔 タイガニトロ》で帳消しにされるので、先後差が勝敗に明確に影響する。
基本戦略として、序盤にできるだけ盾を刻んだ後、《龍覇 グレンリベット》で押し込みリーサルを狙うことになる。

まず前提として黒単は横展開に弱いので、小型生物をばら撒きながらその過程で《龍覇 グレンリベット》を探す。
《超合金 ロビー》でドロンゴーをちらつかせながら盾を殴れると理想的。
中盤以降、相手はドロン・ゴーを封じるために毎ターンハンデスを絡めてくるので、どこかで引いた《龍覇 グレンリベット》をそこで活用する。

《龍覇 グレンリベット》から出すドラグハートは基本的に《無敵剣 プロト・ギガハート》だが、劣勢時は《銀河大剣 ガイハート》を検討する。
また、《爆霊魔 タイガニトロ》のハンデスで《龍覇 グレンリベット》を出した直後に《魔壊王デスシラズ》の龍解時効果で除去された場合に限り《天守閣 龍王武陣》を出す。

その他覚えておくべき豆知識に、《トンギヌスの槍》の対象が挙がる。
《神豚 ブータンPOP》の攻撃時に《トンギヌスの槍》を撃てる場合、盾焼却の前にまず墓地の《葬英雄 ゲンセトライセ》や《シバカゲ斎》を消すことを検討するべき。
相手の勝ち盤面には必ず大量のブロッカーと《葬英雄 ゲンセトライセ》が絡むからである。

祝門

  • 攻守: 攻める側

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 考える必要なし

  • キーカード: 《超合金 ロビー》《神豚 ブータンPOP》

ドロン・ゴーやマッドネスに加えて《トンギヌスの槍》まであるため、ビートデッキの中ではかなり戦えるほうだが、それでも筆者体感不利寄りのマッチで、先後差が致命的にゲームに影響する。
なんだかんだで《ウェディング・ゲート》は撃たれるし踏むので、それに対する備えをどの程度序盤にできるかが肝となる。

こちらができることと言えば、《超合金 ロビー》《神豚 ブータンPOP》を盤面に維持しながらなるべく手札にエグザイルクリーチャーを溜めて刻み続けることくらい。
先攻がとれていれば、《武闘龍 カツドン》や《トンギヌスの槍》のアタックチャンスで《祝儀の堕天チャーマジュン》を除去するのが間に合うためかなり楽。

《龍覇 グレンリベット》から出すドラグハートは《無敵剣 プロト・ギガハート》か《銀河大剣 ガイハート》。
最初の1点で《ウェディング・ゲート》を踏んでハンデスされたときは、《銀河大剣 ガイハート》装備でそのまま龍解まで繋がることをお忘れなく。

白単天門

  • 攻守: 受ける側

  • 刻むか溜めるか: 溜める

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 《神聖牙 UK パンク》+《終末の時計 ザ・クロック》

  • キーカード: 《超合金 ロビー》《炎龍秘伝カイザー・フレイム》

《炎龍秘伝カイザー・フレイム》0枚のリストはほぼ勝てない無理マッチなので、入っている前提で解説する。
基本戦略として、相手のリーサルをなるべく遠ざけながら7〜8ターン目に《炎龍秘伝カイザー・フレイム》でカウンターを狙うことになる。

こちらの生物は《護英雄 シール・ド・レイユ》で処理され、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》であっという間に面展開されたかと思えば、非破壊除去は《天命王 エバーラスト》で無効化されてしまう。
これらが最速で全部揃ってしまうと《炎龍秘伝カイザー・フレイム》を撃つ前にリーサルを組まれてしまうので、それを絶対に阻止するのが中盤までの目標となる。
《武闘龍 カツドン》や《トンギヌスの槍》による面処理は意識すべし。

序盤は《超合金 ロビー》で手札を伸ばしながら「槍+フレイム+UK+エグザイル+ドン破」の5枚セットを揃えに行くことを目指す。
この際、《超合金 ロビー》以外の小型生物は盾を攻撃しないのが吉。
相手は中盤以降手札を効率的に消費する手段が豊富にあることから、消耗戦に持ち込んだ方が分が良いためである。

《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》は手札を効率的に消費する手段の代表例で、面展開の起点になるため可能であれば《トンギヌスの槍》の手撃ちで剥がしておきたい。
《神豚 ブータンPOP》からアタックチャンスで槍を撃てばいいと思うかもしれないが、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》から《護英雄 シール・ド・レイユ》が出てくるのでこちらが損するだけ。
特に《精霊龍王 バラディオス》で《神豚 ブータンPOP》をフリーズされると大きな負け筋になりやすいので、生存が確約している場面以外は《神豚 ブータンPOP》を出すのを避けたい。

5ターン目から相手の盤面が仕上がってくるので、とにかくリーサルに来るのだけは躊躇わせる必要がある。
場合によっては6ターン目に《アクア・スーパーエメラル》で《秘拳カツドン破》を仕込むことで1ターンを稼ぐことも。
《トンギヌスの槍》も相手のリーサルを微妙にずらすという観点では有効。

7ターン凌げば、《炎龍秘伝カイザー・フレイム》で相手の盤面を更地にしてからこちらのゲームを作っていくことになる。
ダラダラ反撃すると再展開の隙を与えてしまうので、《秘拳カツドン破》を手撃ちするなどして速やかにゲームを畳みたい。
このように7マナが貯まるまで耐える必要があるので、マナは毎ターン絶対に埋め続けるべし。

ちなみに《炎龍秘伝カイザー・フレイム》不採用の場合でも方針は同じ。
7ターン目まで不用意に相手にリソースを与えず、手札を整えていく。
7マナ溜まったら代わりに《秘拳カツドン破》を撃って《神聖牙 UK パンク》で大量に盤面を伸ばすのがゴールとなる。

黒ビマナ

  • 攻守: 攻める側

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 考える必要なし

  • キーカード: 《龍覇 グレンリベット》

基本の相性はUK不利なはずだが、《龍覇 グレンリベット》の採用によってかなり有利なマッチへと変貌した。
基本戦略としては黒単ワルボロフと同様、盾を刻んで《龍覇 グレンリベット》で押し込みリーサルを狙うことになる。

黒ビマナのフィニッシャーは《「祝」の頂ウェディング》が多いが、このカードは手札と盤面リソースを削らないと十分に機能しない。
盤面処理に関してはエグザイルクリーチャーが非常に邪魔なため、《ガチンコ・ジョーカー》を絡めて安全に処理を試みてくるのだが、そこに《龍覇 グレンリベット》が刺さりやすい。
ひとたびマッドネスが誘発してしまえば、《無敵剣 プロト・ギガハート》を装備した《龍覇 グレンリベット》を黒ビマナ側が除去するのはほぼ不可能。

上記理由から、UK側は「必ず場に《超合金 ロビー》か《神豚 ブータンPOP》がいる状態でターンを返す」ことを徹底する。
これらに《ドンドン吸い込むナウ》が当たることを嫌うかもしれないが、場にエグザイルがいないとビマナ側は《ガチンコ・ジョーカー》を撃ってから《スーパー炎獄スクラッパー》で面処理することが安定行動になってしまう。
逆に場に《超合金 ロビー》か《神豚 ブータンPOP》さえいれば、万が一《龍覇 グレンリベット》を引いていなかったとしてもハンデス後のリカバリーが簡単になり、しかもその過程で《龍覇 グレンリベット》を引きに行けるので、いつか必ずマッドネスを踏ませて勝つことができる。

刃鬼

  • 攻守: 攻める側

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 考える必要なし

  • キーカード: 強いて言えば《神豚 ブータンPOP》

不利マッチだが《超次元リュウセイ・ホール》全盛の頃に比べるとずいぶんマシになったのと、刃鬼が弾幕型の場合は多少相性が改善するため、めげずに頑張るべきマッチ。
基本戦略としては小型生物でリソースを切らさずにビートをし続けるだけ。

《不敗のダイハード・リュウセイ》に対処できるのが《トンギヌスの槍》と《超絶合金ロビンフッド》のみで、後者は7コストと重すぎるので、相手が8マナに到達する直前ターンに《神豚 ブータンPOP》が設置できるとベスト。
ただし相手が弾幕型の場合、小型生物とセットでエグザイルクリーチャーを並べておけば相手は迂闊に《偶発と弾幕の要塞》をプレーできなくなるので、序盤から積極的にエグザイルクリーチャーを出すことが肯定される。

現環境は《超次元リュウセイ・ホール》から《勝利のプリンプリン》でエグザイルクリーチャーを固められることがないので、基本的には《ドンドン吸い込むナウ》だけケアすれば良く、ずいぶんと戦いやすくなった。

UK

  • 攻守: 臨機応変

  • 刻むか溜めるか: 刻む

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 臨機応変

  • キーカード: 《超合金ロビー》

究極的には《超合金ロビー》を先に押し付けたほうが勝つので先手有利の運ゲーだが、この《超合金ロビー》をめぐる攻防が意外と複雑なため、ちゃんと実力差で後手からも勝てるマッチ。

まずUKミラーは「お互いにビートを目指す中で、こちらが盤面上の優位をとって差し切る」か「盾から野生の《秘拳カツドン破》でカウンターする」かの2パターンしか存在しない。
《アクア・スーパーエメラル》による安易な盾仕込みはいつか必ず《トンギヌスの槍》で剥がされてしまうからである。

この2パターンのうち、ビートプランを進める権利は《超合金ロビー》を先にプレーした人の手にまず渡る。
そもそもこのカードを安全に処理する方法は《超絶合金ロビンフッド》によるバウンスと《トンギヌスの槍》しかない。
また《超合金ロビー》同士のバトルは効果の処理順の都合で殴られた側が有利なため、互いに《超合金ロビー》を出した場合はすれ違って盾を攻めるのが基本となる。
更にはタップ状態の生物を利用してドロン・ゴーすることもできるので、一度《超合金ロビー》が立ってしまえば、対面の《灼熱の闘志 テスタロッサ》や《終末の時計 ザ・クロック》は迂闊に攻撃することができない。
そうなると先に出したほうが順当に勝つのである。

従って受ける側はリスクをとって2000〜3000ラインでバトルに持ち込むか、何らかの絡め手を用いるかして相手の《超合金ロビー》に対処する必要があるのだが、このプレー難易度が非常に高い。
難しさを端的に示す例として、「《神豚 ブータンPOP》からの《トンギヌスの槍》で《超合金ロビー》を除去するプラン」を考えてみよう。

このプランは決まりさえすれば最も安全に《超合金ロビー》を除去でき、しかも自分の場に《神豚 ブータンPOP》が残るので、最も分かりやすく攻守を入れ替えることができる。
ただし、もし相手が先に《超合金ロビー》→《神豚 ブータンPOP》と動いてきた場合、自分の《神豚 ブータンPOP》を置いた返しに《トンギヌスの槍》で除去されてしまうリスクがある。
しかし裏返すと、これは「相手の《トンギヌスの槍》から盾を守れていて、しかも自分の場に《神》とあるエグザイルクリーチャーがいない状態」とも捉えられる。
ここで初めて「《神豚 ブータンPOP》が除去された場合は野生の《秘拳カツドン破》でカウンターする」プランに変更する筋が見えてくるのである。
であれば、次に検討すべきは「カウンタープランに切り替えられるよう手札に2枚目の《神聖牙 UK パンク》があるか」という観点になる。…………

『UKミラー大全』より

上記はあくまで一例に過ぎず、実際にはこのような複合的なゲームプランがいくつも存在し、与えられたハンドから最適なものを選ぶ必要がある。

これを実践するのは至難の業であるが、ゆえにかなり面白いマッチである。

白単サザン

  • 攻守: 臨機応変

  • 刻むか溜めるか: 溜めることが多い

  • 《秘拳カツドン破》の受け: 《神聖牙 UK パンク》+《終末の時計 ザ・クロック》

  • キーカード:《武闘将軍 カツキング》

小型ブロッカーがとにかく邪魔で、ドロン・ゴーは《制御の翼オリオティス》によって止められ、非破壊除去は《天命王エバーラスト》によって封殺されるので明確な不利マッチ。
しかし白単側も安全に詰めることが実は難しいため、相手のミスを拾って勝てることも。
筆者もこの対面に関しては対戦経験が浅く、大会中も探り探りプレーしていたので、以下にまとめる内容は半信半疑で読んで欲しい。

まずこのマッチは、前半と後半で攻守が入れ替わる。
前半こそUK側が攻めるが、《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》《精霊龍王アガピトス》の着地を期に受ける側になる。
この際、攻めの手番中にドロソを回すことで守る準備をできるだけ進めるのがゴールとなる。
先攻時は《トンギヌスの槍》や《武闘龍カツドン》で盤面に干渉して相手の大型獣の着地を遅らせる。
後攻時は不用意に盾を攻めず相手の手札管理をシビアにすると良さそう。

守りに入った後は《秘拳カツドン破》でのカウンターを狙いつつ、とにかく小型クリーチャーを横並びさせて《武闘将軍 カツキング》で少しずつ盾を削っていく。
実はこのマッチ、ある程度盾を削っておくとトリガーからのカウンターを警戒するあまり、迂闊にブロッカーをタップして盾を攻めることができなくなる白単使いが多い。
相手が盤面処理にこだわり始めたらターンを稼げるので、《アクア・スーパーエメラル》を引き込んでトリガーを仕込もう。

おわりに

最近筆者は「相手のミスを咎めて勝つ」ことを意識してデュエプレをするようにしていましたが、赤青UKはそんな自分の方向性に合致したとても良いデッキでした。

最後に、大会の全試合をリプレイで撮っておきましたので置いておきます。
動画で赤青UKのプレイングを学べる機会はあんまり無い気がしているので、これがひとつの教材として皆さんのお役に立てると幸いです。
後半の試合ほどプレミが酷くなっていますがそこはご容赦ください……

感想・リポスト・質問等いただけるととても嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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