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【デュエプレ】オーフレイム不要論

先日、デュエプレの公認大会でオーフレイム抜きラッカ超次元が結果を残し、プレイヤー間で話題になりました。

このリストではオーフレイムホールどころか超次元ゾーンからもオーフレイムが抜けており、代わりのスペースに4枚のキルホールと2枚目のヤヌスが採用されているのが特徴的です。

「……なんかめっちゃ弱そうじゃね?」

そう感じるのも当然です。
不採用になったヤヌスオーフレイムのパッケージは、ラッカ超次元の原点でもあり (akiraさんの記事参照)、14弾環境では強力な勝ち筋でした。
オーフレイムを抜く行為は、自ら進んでデッキの屋台骨を抜いているようにしか見えません。

しかもオーフレイムに代わったのが1コスト軽いカード。
ただでさえ4ターン目にプレーするカードが足りないとされていたラッカ超次元です。
逆に4コストのカードを減らすなんてヤバすぎる。

「ヤヌスオーフレイムに頼らなくても勝てます!」

と仮に語られても、別にオーフレイムで勝てるし、大量打点を形成できなくなるデメリットの方が大きいのでは……と感じる人も多いでしょう。

本記事のゴールは、こうした疑問になるべく寄り添いながら、オーフレイム抜きラッカ超次元 (以後、キルホール型と呼びます) の強さを言語化することで、読者の方に納得感を持って理解してもらうことです。

記事の前半では、オーフレイム型とキルホール型のデッキコンセプトの違いに着目して、キルホール型の強みについて考察します。
具体的にはまず、オーフレイム型の問題点について、マナカーブの観点から議論を展開します。
その後、キルホール型がそれを解消するようなデッキコンセプトになっているということを解説します。
その後にようやく、デッキの採用カードを検討していきます。
非常に回りくどいですが、これにより高い解像度でデッキの全体像や採用意図を捉えられるようになることを目指します。

記事の後半では、キルホール型のプレイングについて実例を交えつつ、どの対面どの状況でも通用する汎用的な指針について述べていきます。

今回も長くなりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

1. オーフレイム型の問題点

1.1 ヤヌスオーフレイムのリスク

ヤヌスオーフレイムを通しにいくときの気持ち

オーフレイム型の短所のひとつは、オーフレイムをプレーすること自体にリスクがつきやすいという点です。

ヤヌスオーフレイムで勝つには「3ターン目の青ヤヌスが通る」「4ターン目にオーフレイムが撃てる」「4ターン目の3点パンチが通る」という条件をクリアする必要がありますが、15弾環境でこのプランは非常に通りづらくなってしまいました。

アクアバースター、ドラヴィタ、ジェニーダーツ、リーフストームなど、あらゆるリスクが存在します。
以前の14弾環境ではドラヴィタ着地までにオーフレイムで走れる展開が多く、盤面の定着率も高かったように思います。
しかし今ではフェアリーライフが入るデッキにドラヴィタが採用されているため、ドラヴィタの先出しが間に合ってしまいます。
また仮にオーフレイムが走った後でもガンヴィートで簡単に除去されてしまうようになってしまいました。

更に致命的な問題は、ヤヌスオーフレイムを決意した場合に途中からのプラン変更が効かなくなる点です。
例えば3ターン目に青ヤヌスを置いて除去やドラヴィタが当たった場合、手打ちした3コスホールぶんのリソースを失うだけでなく、手札に抱えているオーフレイムホールが完全に死に札になってしまいます。

また、ヤヌスオーフレイムの3点パンチでトリガーを踏んで盤面が壊滅した場合も、こちらのリソースはすでにカツカツなため、早急にゲームを決めなければ相手に与えた手札を有効活用されてどんどん劣勢になることが確定しています。

ヤヌスは急に止まれない

では、手札にヤヌスオーフレイムのパッケージがある場合でも、除去をケアしてアンタッチャブルから入りますか?確かにアンタッチャブルなら除去はかわせますし、序盤に盾をつつきながらどこかでパワードに覚醒させ、バルザークやゲンジと絡めてリーサルを決められるかもしれません。……では、手札に抱えたオーフレイムホールはどうするのでしょう?

1.2 マナカーブ重視のテンポデッキという「欠点」

ここで浮上するのが「マナカーブから一度外れたカードが腐りやすい」という問題です。

オーフレイム型のコンセプトは、各ターンでプレーするカードを構築の段階でほぼ固定することで、高い再現性でデッキパワーを押し付けられるようにするところにあります。

毎ターンマナを使い切って、マナカーブ通りにカードを押しつけるテンポデッキなのです。

言い換えるなら、「3コスホール→オーフレイム→5コスホール→ゲンジ」の動きを安定して押し付けていくのがオーフレイム型の強みとなっています。
バトルアリーナ8th準優勝のタンバリンわっしょいさんのリストなんかは、枚数が足りない4コスト域にブレインタイフーン、空白の2マナ域にショーを採用しており、まさにこのコンセプトを突き詰めたリストだと言えるでしょう。(リンク)

しかしこれは裏を返すと、マナカーブから外れたターンでカードをプレーしてしまうと、必然的にそのカードのバリューが下がってしまうことを意味します。

その典型例がオーフレイムホールです。

ラッカ超次元を使ったことがある人なら誰しも、5ターン目以降にオーフレイムを複数枚引いてしまい、めちゃくちゃ邪魔な思いをした経験があると思います。
ラッカ超次元はマナブースト手段がないビートダウンなため、オーフレイムホールを強くプレーできるのはマナカーブ上で想定されている4ターン目のみです。
それ以外のターンでプレーするにはあまりに弱すぎるのです。

そもそも、オーフレイムホールというカードはあくまでヤヌスとのシナジーを前提としたカードであり、カード単体のパワーはラッカ超次元の採用カードの中でも飛び抜けて低いです。
たまにオーフレイムホールがパワーカードという意見をネット上で見ますが、3コスホールや5コスホールのコストパフォーマンスとよく比べるべきでしょう。

さて、ここまでの議論をまとめます。
まず、15弾環境ではヤヌスオーフレイムをプレーすることのリスクが高いことを確認しました。
そして悲しいことに、このリスクをケアしようとするとオーフレイムがマナカーブから外れるため、デッキの性質上オーフレイムが腐ってしまいます。ここまでの議論ではヤヌスオーフレイムに絞って話をしましたが、オーフレイムチャブル2面覚醒、オーフレイムではなくジョンを展開する場合など、他のプランでも根本的な問題は同じです。

結局のところ、オーフレイムを採用している利点を最大限活かそうと思うと4ターン目にオーフレイムするしかない。
デッキコンセプトの段階で、リスクをとるゲームプランが最も有力になってしまうのがオーフレイム型の抱える問題点です。

2. リスクを抑えるキルホール型

オーフレイム型とは対照的に、リスクを最小限に抑える択を毎ターン生み続けられるようにするコンセプトで組まれたのがキルホール型です。

キルホール型ではマナカーブ通りにカードをプレーする必要はありません。
3コスホールを4ターン目に撃っても強いデッキなのです。

例えば「墓地対策のためにエクストラホールを1ターンずらして4ターン目に撃ちたい」場面を考えてみましょう。(対MRCの先攻時に起きるケースです)

オーフレイム型の場合、4ターン目にエクストラを撃つとマナカーブの都合上オーフレイムホールのターンと5コスホールのターンが被ってしまうため、オーフレイムホールを活かすことができません。

ところがこれがキルホールだった場合、キルホールを先撃ちすることで自分の手札を無駄なく使うことができます。
更にキルホールで赤ヤヌスから入る際、続くエクストラホールで青のサイキッククリーチャーを展開すれば、エクストラホールは単なる墓地対策に加えて1ドローの仕事をしたと考えることができます。

使用マナだけ見れば4ターン目に3マナのカードをプレーしているため、オーフレイムよりも見劣りするかのように思われますが、実際に起きる事象を考えると決してそんなことはありません。

  • 3コスホールを唱える順番を入れ替えられるおかげで、場面に応じた最適なプランを選択しやすい

  • ヤヌスのおかげで2枚目の3コスホールに付加価値を持たせられる

点で、どういう選択をしても一定の出力が保証されるのです。
ヤヌスオーフレイムのプラン以外が一段劣ってしまうオーフレイム型と比べるとこれは明確な違いです。

どのプランもそこそこ強いから、あとは対面や状況に応じて裏目の少ない最適なプランを選択する。
これがキルホール型のデッキコンセプトであり、オーフレイム型と全く別のデッキだと筆者が主張する理由なのです。

3. 採用カードピックアップ

キルホール型の強みはプレーの分岐を増やせる点にあります。
そのため採用カードも、2コスト・4コストのドローソースのようなマナカーブを意識したカードではなく、プレーの幅を広げられるものを優先して選んでいくことになります。

その思考を色濃く反映したのがブレイズクロー2枚目のヤヌスでしょう。

3.1 ブレイズクロー

ブレイズクローは単に1ターン目に出してノーリスクで盾を複数枚割ってくれるカードとしての役割だけでなく、中盤以降の余ったマナでヤヌスやジョンの覚醒を補助する役割を持ち、間接的にアンタッチャブルの覚醒に貢献してくれます。

アンタッチャブルを覚醒させることが重要な現環境では価値の高い1枚です。

また、3コスホールが12枚になったことから、4ターン目に3+1で動ける確率が高くなっている点も見逃せません。
後攻時では手札1枚の余剰リソースを盤面の脅威+覚醒補助に即時変換することで、マナが伸びないデッキの課題である後攻不利を緩和しています。

3.2 ヤヌスの増量

ブレイズクローの採用理由から見えてくるのは3コスホールとのシナジーによってデッキの出力を底上げするという意図です。
どんなゲーム展開であっても必ず序盤にプレーする3コスホールにとにかく価値を持たせることで、キルホール型が選択できる多様なゲームプラン全体の出力を高めています。
キルホール型のコンセプトそのものであるキルホール自体も、青白3コスホールとの親和性が非常に高くなっています。

その観点に立つと、3コスホールにドローやSAといった付加価値を出しやすいヤヌスを増量するのはごく自然な流れであると筆者は考えます。

例えばキルホール→エクストラホールで青ヤヌスが2体立てば、そもそもこの時点で1ドローの付加価値が生まれるだけでなく、次回5コスホールからのキル+チャブルでSAを2面に付与するという攻撃的な展開も視野に入れることが可能となります。

特にブレイズクローとのシナジーは凄まじいものです。

まず、ブレイズクローによって激しくなりがちな手札消費を青ヤヌスのドローで補いやすくなっている点だけ見ても、相性の良さが分かります。

加えて、3コスホール2枚とブレイズクローを抱えているような状況においては、プレーの選択肢がグッと広がります。

例えば手札にエクストラ+キルホール+ブレイズクローと抱えている場合、主要なものだけでも以下のようなゲームプランが考えられます。

  • 青ヤヌス→チャブル+ブレイズ (チャブル早期覚醒)

  • 赤ヤヌス→青ヤヌス+ブレイズ (大量ドロー)

  • ジョン→青ヤヌス+ブレイズ (超次元にヤヌスを残しながらジョン覚醒)

上段から順に「青ヤヌス→チャブル+ブレイズ」「赤ヤヌス→青ヤヌス+ブレイズ」「ジョン→青ヤヌス+ブレイズ」

最後のジョンパターンのように、序盤からヤヌスをプレーしても超次元ゾーンにヤヌスのストックを残せるのも無視できない点です。
これに加えてそもそも4ターン目にブレイズクローをくっつけないという選択肢もありますから、ヤヌスの増量とブレイズクローの採用によってかなり柔軟にプランを選べるようになっているのです。

3.3 バルザーク

ここまでヤヌスを増量するメリットばかりに注目してきましたが、これは同時に何かを犠牲にするということを意味しています。
今回の犠牲者はオーフレイムでした。

ヤヌスの2枚目と引き換えにオーフレイムを不採用にすると、小型サイキックにWブレイカーを付与することができなくなります。
そのためオーフレイム型に比べると、打点形成能力が乏しくなってしまいます。
これがキルホール型の明確な弱みでした。

それを解消したのがバルザークです。

デストラーデへの強烈なメタになりながら、オーフレイムが抜けたことによる打点形成能力を補完するこのカードは、キルホール型に求められる最後のピースだと筆者は考えています。
バルザークが採用されたおかげで、小型サイキックをばら撒くゲームプランに明確なゴールを設定することができるようになりました。

更に、バルザークのコストが5である点も見逃せません。
従来のラッカ超次元はゲンジによるフィニッシュをメインに据える関係でマナを6まで伸ばす必要がありました。
しかしバルザークによるフィニッシュを視野に入れる場合、マナは5まで伸ばせば十分です。
これにより、手札1枚ぶんを盤面の追加リソースへと変換することが可能になったのです。

「ゲンジで詰める展開だと手札が1枚足りなさそう」「ジェニーダーツでプランが崩壊しそう」という見込みがある場合でも、バルザークで保険が効くようになりました。

地味ながら、城というカードタイプであることも優秀です。
序盤に盾を詰めておいて、ドラヴィタを置かれた返しにバルザークで打点を増やしてフィニッシュ、なんていうこともしばしば起こります。

超次元呪文を唱えずとも、盤面の生物の数ぶん実質的なSAを用意できると考えると破格のスペックです。

以前の記事で「ブレイズクローとの両立が難しい」と述べていましたがそんなことなかったです。

以上、採用カードピックアップでした。
キルホール型のデッキコンセプトを理解した上で採用カードを眺めると、違った見え方ができるということが伝わったのではないかと思います。

今回はキルホール型のデッキコンセプトに沿ったカードをピックアップしたかったため割愛しましたが、オーフレイムがキルホールになったことによって価値を上げた他のカードとしては、ジャックアルカディアスやアクアバースターなどが挙げられます。
これまでの観念に捉われず、新しいデッキを調整するつもりでぜひ色んなカードの価値を検討してみてください。

4. プレー方針

あんまり書けることがありません。(え?)
先後やマナ埋めの状況に応じて最適なプレーが変わるのもありますが、そもそも自分があんまり分かっていないというのが正直なところです……。

対キリコ、後攻3ターン目のこの手札だとキルを出しますが……
同じく対キリコ、後攻3ターン目のこの手札だと赤ヤヌスから入ります。
エナスパは当たってもOK

したがって今回は、筆者がキルホール型のプレイングを検討するときに意識していることについて、簡単に説明できればと思います。
キルホール型のラッカ超次元に絞って話を進めはしますが、プレイング上達一般においてかなり重要な考え方だと筆者は思っています。

4.1 「通れば勝てる」は考えない

「通れば勝てる」は大体の場合において「通らなかったら負ける」ので考えるべきではありません。
そもそもキルホール型のコンセプトがリスクを最小化する点にある以上、そのようなプレーを選ぶ時点でデッキの強みを潰しています。

また、仮に「除去がある場合」をケアしたプレーをして、相手が除去を持っていなかったとしても、そのまま有利な展開になることが多いです。
オーフレイム型の場合は、除去を切ったプレーで得られる最大値リターンと、除去をケアした場合のプレーのリターンの差に開きがありすぎるのが問題でした。
キルホール型の場合はひとつの手札から色んな展開を用意できるので、消極的なプレーをとったとしても、最大値を狙ったプレーとのリターン差はそこまで大きくありません。
そのため、諸々ケアしたプレーをとっても大きな損にはなりづらいです。

最大値をとれるプレーを通して気持ち良くなりたいのは分かりますが、一旦深呼吸して負けない選択肢を選ぶようにしましょう。

(余談ですが、コントロールを使うとこの考え方ができるのに、ビートを使った途端意識できなくなる人は自分も含めてかなり多い気がします。少し古い環境になりますが、例えば「ゲキメツを通したいけど魂と記憶の盾をケアして別のカードで様子を見る」なんていうプレーは負けない選択肢をとろうとする典型例です。)

4.2 1枚のカードの仕事量を最大化する

実際の対戦でいくつかのプランを比較検討するとき、どうやって優劣をつければ良いか分からないことは多いと思います。
先述したように、特にキルホール型はプラン間でのリターン差が小さいのが特徴であるため、なおさら評価が難しいです。

ここで大事になってくるのが「そのプランを取った場合に、使用するカードが相手のカード何枚と交換しそうか」を考えることです。

こちらの例をご覧ください。

対MRC、先攻3ターン目、マナ未チャージの局面です。

この盤面は森忍さんとメポ隊長さんがキルホール型を回した配信から切り取ったワンシーンです。(リンク)

この状況で有力なプランは以下の2つです:

  • サプライズ→キルホールで相手のベリアルorディミトリを除去する展開
    (青ヤヌス→赤ヤヌスで2点詰める)

  • キルホール→エクストラで相手の墓地をリセットしつつドローする展開
    (赤ヤヌス→青ヤヌスで1点詰める)

どちらのプランが有力か、配信中でもその思考過程を語ってくれていますが、ここでは「カードの仕事量」という観点から再度比較検討してみましょう。

まずサプライズ→キルホールと動いた場合、墓地が増えたままになってしまうため盾と手札のヤミノオーダーがケア不可能です。
そのため、4ターン目終了時点で3コスホール2枚がした仕事量としては、「相手の盾1or2枚とブロッカー1枚との交換」ということになります。

サプライズ→キルホール時の4ターン目終了時の状況の簡略図。
1点目でオーダーを踏んでしまった場合は盾がもう1枚多く残ります。

一方キルホール→エクストラと動いた場合、相手の墓地をリセットしながら盾を詰めることになるので、盾と手札のヤミノオーダーがケア可能です。
更にエクストラで墓地をリセットしたため、MRC視点で見るとヤヌスをディミトリで止めるのもままならない状況です。
結果として、4ターン目終了時点で3コスホール2枚がした仕事量としては、「ヤヌス2体+墓地対策+1ドロー+盾1枚」となります。

キルホール→エクストラ時の4ターン目終了時の状況の簡略図。

結果として、このケースにおいてはキルホールでブロッカー破壊するよりも、エクストラホールで墓地をリセットして詰めたほうがより多くの仕事をするので、キルホール→エクストラのプランがより有力という結論になるのです。

「口で言うのは簡単だけど、そんなのその場で判断できるわけなくね?」

と思うかもしれませんが、そんな場合は「盾何枚と交換できそうか」を基準に考えると良いでしょう。

例えば序盤に引いたブレイズクローをプレーすべきか、抱えておくべきかという判断は、「ブレイズクローが盾を何枚割ってくれそうか」さえ考えれば妥当な結論になることが多いです。

序盤にプレーしても盾1枚割った返しに除去されそう。
でもここでキープしておいて青ヤヌスとセットでプレーするようにすれば、盾1枚の仕事量だけでなく隣にたまたまいたチャブルの覚醒補助になる見込みもありそう。

という評価をすることで、「ブレイズクローを出さない」という選択ができるようになります。

このようにカードの仕事量を評価尺度にしてプレーの比較検討を行うことは、良いプレイングをするためには非常に重要だと筆者は考えます。
マナを使い切って1ターンあたりの仕事量を最大化するプレーは、目に見えている情報だけですぐにできるようになりますが、カード1枚あたりの仕事量を最大化するプレーは、数ターン先に何が起きるかといった大局観がなければ正しい判断をすることができません。

強いプレイヤーであるためには絶対に身につけたい能力です。

5. おわりに

今回はオーフレイム抜きラッカ超次元について、デッキコンセプトの違いに注目してその強さ、オーフレイム型と比べたときの優位性についてまとめました。
本記事のまとめは以下の通りです。

オーフレイム型はマナカーブを重視したテンポデッキであるため、規定ターンから外れてプレーされたカードの価値が下がってしまいます。
その結果、ヤヌスオーフレイムのプランとそれ以外のプランのリターンに差がありすぎて、結局リスクの大きいヤヌスオーフレイムをとるように誘導されてしまうのが明確な弱点でした。

一方キルホール型は3コスホール12枚とヤヌス2枚を採用することで、ゲームプランに幅を持たせるだけでなく、プラン間でのリターン差が小さくなるよう工夫されています。
その結果、状況に応じて受けの広い最適なプランを選択しやすい点が強みとなっています。
ブレイズクローやバルザークはそのデッキコンセプトを支えるためのカードでした。

記事の後半では、キルホール型のプレイングにおいて考えるべきことについて、プレイング一般において大事なことと絡めて簡単に述べました。

本記事の執筆にあたって、気になっている点や質問事項をTwitterで募集したところ、ありがたいことに反応をいただけました。
にもかかわらず、自分の解像度の低さや文章力のなさが理由で、記事内で十分に回答できなかった点については本当に申し訳なく思います。
特にデッキ相性や対面別のプレーについては経験不足で全然分かっておらず、ハッキリとしたことが言えないまま15弾環境を終えてしまいそうです。

とはいえ、プレイングやデッキ構築における物事の捉え方については、多少なりとも実りある内容を提供できたかなと感じています。

また、本記事は普段色んな方と構築やプレイングの議論ができたおかげで執筆できています。
特に内容の大部分は、メポ隊長さんから教わった内容を自分なりに咀嚼して文章に落とし込んだものとなっています。
メポ隊長をはじめ、日頃デュエプレの議論に付き合ってくださる方々にこの場を借りてお礼を述べたいと思います。

この記事を通して何か得られるものがあったなら幸いです。
(今回の記事は本当に難産でした)
感想や質問等あればリプライや引用リツイートで仰ってくれると喜びます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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