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1割が不登校の中学校

生徒数約550人の某中学校。不登校が50人を超える。そこの教頭先生が、こっそり教えてくれた。その先生は、不登校生徒が、教室に入れなくても、せめて校庭内で少しでも時間が過ごせてくれたらという思いで積極的に校庭の美化、清掃をしている。数年前から私も土日に一緒にワチャワチャやっている。結構楽しい。近所の75歳のおじいちゃんも一緒だ。

注)すべての写真はイメージで記事とは無関係です。

昔と違う、不登校の理由

私が学生の頃(30〜40年前)の不登校の理由は、学校でのいじめが多かった。今は違うらしい。ほとんどが、成績不振だそうだ。特に親の期待に応えられないプレッシャーにやられるとのこと。にわかに信じがたいが、これが現実らしい。現役の教頭先生が、本気で悩んでいる。

教頭先生にできること。建築家にできること。

教頭先生からは、建築家として校舎内の環境整備の相談を個人的に受けている。私が意地悪で「そんなことは、教育委員会経由で市の営繕課に相談したら?」というと、「あいつらは、頼りにならん」と一蹴する。女性だから余計に言葉が鋭く感じる。言いたいことはよく分かる。手にとるように分かるが、同僚なので具体的な記述は避ける。公務員の信用失墜行為に該当する可能性がある?!
教頭先生は、教育のプロなので、不登校の人間(=生徒)の心のケアをするものだ。そんな先生が、学校の空間(=環境)をもって生徒の心を改善しようと試みている。これが教頭先生を支援している理由だ。
こちらも公務員(建築職)としてではなく、建築家(これまでのキャリア)としてなにか出来ないか考えてしまう。
いくら努力しても、理由もなく下がった成績を上げることは、ほぼ不可能だ。超ガリ勉タイプだった私の経験論だが、そこにサクセスストーリーはない。▶だからそこに行かない。▶不登校になる。この選択は、間違いではないと思う。問題は「不登校」の次の「▶」のアクションが用意されていないことだ。
一緒にワチャワチャやっている近所の75歳のおじいちゃんによれば、最近学校そばの空き家がまた3件増えたそうだ。学校内の成績競技で予選落ちした生徒が、次の競技種目にエントリーできる居場所がつくれないだろうかと考えている。
最近は、学校の成績競技に全く価値を見いだせず、あるいは、早々にそれ以外の価値のあるものを見出していまい、あえて学校での競技を棄権する積極的不登校生もいるようだ。そんな生徒たちも含めて、彼らが自由に集える居場所がつくれないだろうか? 必ずしも大した場所である必要はない。空き家にとりあえず自由に使えるパソコンをほりこんでおいても、彼らには十分かもしれない。大切なのは、設備の充実ではなく、固定観念をもった大人の支配力が及ばない空間だ。「○○中学校アネックスプラザ」とかいう名前にして、とりあえず学校に行っていることにして。

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