虫のいい生き物

「若いうちは色々やった方がいい」という言葉があるが、果たしてどうなのだろうか。

自分の人生で考えるとどうだろう。たとえば「歳をとってできなくなったこと」は増えたのだろうか。うーむ、CanもCan'tもまぁ増えた気がする。となると、やはり「歳をとって、できなくなってしまうこと」がそれなりにあるのは事実みたいだ。

そして若者はこれをよくよく知っているのだ。「もう少し若ければ」としり込みする老人を数多く目撃しているからだ。
そのせいで「こんなことできるのは今のうちだ」と思ってしまう。

「長生きはしたいが老いたくない」という大いなる矛盾の中でみんな息をしている。同様に後輩や子どもの成長を願うけれど、いつまでも未熟で可愛いままでいてほしいとも思っている。

ずっと子どもと暮らしたいが、自分の親と同居は嫌だと言い出す。推してるバンドが売れ出すと寂しいとか言い出す。売れなくなったら落ち目とため息をつくし、その上で解散したら「もっと観たかった」などと言う。

「矛盾している」というか、要するに人間は「虫がいい」生き物なのだろう。

「結婚はしたいが拘束はされたくない」というひともいる。「ならば自分の好きな生き方を選んでいこう」というひとも増えている。もう昭和ではないのだ。

拘束感や閉塞感から開放的になるのは悪くないと思う。
僕だって自由を制限されるのは死ぬほど嫌いだ。とにかく気ままでいたい。そんな気まま族が認められやすい、イマの世の流れは僕にとってとりあえず喜ばしいことが多い。

そうなると、すぐに少子化が問題視されるが、実際そこまで悪いことなのだろうか(良い悪いではなく、その傾向は止められないのだが)。

「高度経済成長からの人口爆発を経て、数十年後に少子化を迎えた先進国」なんて、まだこの地球上に存在した試しが無い。何気にこれからの日本が初めてのモデルケースなのだ。

今現在、凄まじい勢いで稼ぎ倒して、生み倒して、建て倒しているのがアラブや中国、インドなどだ。かつての日本のように生き急いでいる。そのパワーが落ち着くと、やがて人口ピラミッドは少子化になっていく。法則的なものがある。

そのときの先駆モデルに日本がなれれば、これ幸いではないか。政治家の先生方にはぜひとも「税収のウィークポイントが浮き彫りになることなどなんのその」と言ってほしいものだ。

それに個人的には人間が多すぎると苦しい。今だって十分多すぎる。環境破壊も遅くなるし、平和にもなるんじゃないだろうか。考え方一つで少子化も悪いことばかりでもない。

「人数が減ったら寂しいやんけ」と言うひとも居そうだ。まぁそうかもしれないが、僕は寂しいのも大好きなのである。そういうやつもいる。



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