やさい

空気の読み方

「気を使いすぎる」という症状に悩んでいた時期がある。僕の実像を知っているひとからすると意外だと思う。

我ながら「空気ヨメ男」を地でやっていると思うし、足並みを揃えるのが苦手だ。でもずっとそうだったわけではない。

というより足並みをそろえなさすぎて叩かれた。ウザかったのだろう。叩かれるのが怖くなって、14〜20歳ぐらいの時期、「気を使いすぎる」が定期的に訪れた。

タイミングによっては「気を使わない方法がそもそも分からなくなる」というレベルの気遣い野郎になった。これはもう、とんでもないストレスだった。
自由にできないし、オラつかれるし、振り回されるし、なぜかやたらとキレられた。不満も文句もバシバシ飛んできた。

「優しくするとつけあがる」というのは実際あるらしく、人間はおとなしいひとに対して攻撃的になる傾向がある。気が弱そうな相手に態度がデカくなる性質を持つひとは確実に存在する。

僕はどんどん「気を使わない方法がわからない」の迷宮に迷い込んだ。奔放にふるまうやり方をすっかり忘れてしまった。

でも「気を使わない方法がそもそもわからない」という気持ちってわかるひとにはわかると思うのだ。こうなるとすべてに気を使ってしまう。相手が怒るんじゃないかと思ってますますビクビクするのだ。そして相手はどんどんイラついて態度がデカくなってくる。負の連鎖だ。

しかし、ある日抜け出すことができた。スッと苦しみが抜けて、ビビりも無くなって開放感に包まれた。

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