十五年ほど前から歌詞を書くようになった。さらにステージに立つようになった。気がつけば幼児が成人するほどの年月が経ってしまったのだ。
当たり前だけど慣れてきている。
最初は恥ずかしかったが、それに対しての恥を感じなくなっている。
慣れと共に失ったのが「恥じらい」だ。
始めた当初は僕にも「出すぎた真似をしてすみません」という感情があった。自作の詞を歌うおこがましさに対しても「恥じらい」を伴った。
だからこそ余計に興奮した。
やっちゃいけないことほど楽しい。
行っちゃいけない場所ほど行きたい。
見ちゃいけないものほど見たい。
誰の人生にも、踏み出すのに勇気が必要だった何かがある。そこに踏み出したときのカタルシスが凄まじい。
少し前に、ボクシングジムの門を叩いたことがある。二年ほど前だ。
あれは久しぶりの「恥じらい」だった。大人になって何かを始めるというのはやはり勇気がいる。子どものときの、数倍のエネルギーを消費する。
でも、あれはやはり気持ちいい。慣れ親しんだ場所だけでは高揚は作れない。
「新しいどこかに飛び込む」って若い行動とされることが多いけど、たぶん「恥じらい」と「若さ」は連結しているからだ。
おばはんとかおっさんとかに「恥じらい」は無いまんなぁ。老けたくない、というより腐りたくないなぁ。
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