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【検証】人は臨時収入をどう使うのか?完結編

【前回までのあらすじ】
20代の若者は臨時収入をどう使うのかという観察をすることに。観察対象となったシバタは12,500円のうち、2,100円を「七つの山菜」に費やしてしまう。

残り10,400円。果たして、彼は。

後編スタート

続いてシバタはAmazonで本を買ったという。一発目に買ったものが山菜のおもちゃだっただけに、「あれ、意外と普通の買い物やん」というのが率直な感想だった。まあ、問題は「どんな本を買ったのか」ということなのだが。
山菜事件から数日後、LINEが届く。

火蓋は切って落とされた。

1冊目
「My room 天井から覗く世界のリアル」

これは普通におもしろそうだ。シバタに買った理由を尋ねた。

熱がすげぇ。。。

なんでこんなにも一つのものに対して熱意をもった人間の、ファーストタッチが山菜だったのだろうか。山菜はこんなにメッセージがなかった。ただ「かわいいから」。好みの容姿は絶対的なものということか。

2冊目
「男子部屋の記録」

どうやら彼は「部屋」に対して何か壮大なロマンを追い求めているようだ。東京に行った時にはいつも泊まらせてもらっているが、確かに「凝った空間」を意識しているように見えた。漫画やレコードが大量に並べられており、お気に入りのTシャツは飾るようにして干されていたがあれが単に干していただけだったのか。その前にあの汚ねえ風呂どうにかならへんかな?と言いたいところだが泊まらせてもらっている身分なので自重します。
感想はこんな感じ。

3冊目
「Paris to calcutta」

これに関してはもうこちらの理解が追いつかないので「これがどんな本なのか」をラインで聞くこともなく「良い本買えたんだね。よかったね」といったスタンスである。どうやらCD付属の雑誌らしく、デーベンという音楽家が旅をしながら作曲をし、その時のメモだったり音源が一緒に楽しめるのだそうです。

一つ分かったのは、こいつとはまるで趣味が合わないということだ。
そして写真をクリックしてアマゾンのリンクに飛んで、値段を見ていただきたい。

3冊ともまあまあ高い。

特に最後のparisなんちゃらなんて6,000円オーバーだ。僕も読書は好きだがそんな本買ったことがない。というかこれ、雑誌じゃなくてCDとして販売されてるのね。まあ、知ったこっちゃない。

お察しの通り現時点で12,500円は優に超えている。彼の人間性がそのまま出た買い物だったのではないかと思う。奇妙×部屋×音楽。この羅列を見ただけでも「あ、シバタや」となるもの。
協力ありがとう。シバタ。

後日、シバタからラインが届く。

まだ終わっていなかった

シバタの夏はまだ終わらない。終わらせない。確かにルール上は「購買意欲を抑えられなくなったら、金額オーバーでもOK」というルールだった。シバタは堪えられなかったのだ。発射寸前のパンパン状態に耐えきれず、ついに訳の分からぬ植物にて完全発射。植物園で入念にどれを買うか選ぶ彼の姿を想像すると、居た堪れない気持ちになる。
ところで、なに?これ?マリファナか?

ざっと金額を計算
山菜   2,100円
男子部屋 2,500円
天井   3,050円
バリカル 6,000円
マリファナ4,000円
ーーーーーーーーー
合計   17,650円

さて、後輩に金を使わせておいて先輩である自分はせっせと貯金、というのも何か違う気がする。ロックじゃない。こうなったら僕も12,500円使う。
そこで、何がいいかと考えていた時に出てきた答えが「人に使う」ということ。

ほら、僕って年上の先輩とかに可愛がられやすいタイプじゃないですか?

今まで諸先輩方に奢ってもらった金額を親に言うと引かれるレベルにまではなっていると思う。なんで親に言うケースを例えに出したのかは自分でもよく分からないが、考える前に感じて欲しい。
という訳でたまには後輩に還元せなあかんなということで、大学時代の後輩を誘い、焼肉へ。

意外と安かった!ここ「平和」は一人単価3,000円くらいで十分満足できるのでおすすめです。というか食べ放題の焼肉とか行って、対して美味しくもない肉をバカほど注文して無理やり腹を満たすのはもうやめませんか?令和ですよ?

残額はスナワチさんに全てをぶち込みました。

社長の前田さんはツイッター上でしか交流がなかったということもあり、以前からぜひともお会いしたいと思っていた。ちょうどバット職人の友人が帰阪していたので、ついてきてもらうことに。ご覧の通り、入りにくさ満点の外観なので一人よりは二人の方が心強い。

前田さんはこちらの想像通りにジェントルマンだった。
話が「GUのTシャツ」に及んだ時、前田さんは「ユニクロとかGUのファストファッションではほとんど買ったことありませんねん……」と仰るではないか。続けて、「ジーユーっていう名前の割には、安賃金で働いている海外の労働者に自由なんてないでしょう?」と、シャレを混ぜながら皮肉った。そう。この方の、こういう考え方が好きで、会ってみようと思ったし、「スナワチ」で何か買ってみようと思えたのだ。

買ったのはこの「ウェットブルー・ポケットTシャツ 1.0」。レザー屋でTシャツ!?と思われるかもしれないが、胸ポケットの部分がレザーになっている。9,300円。「いい買い物をした」と、フィリピンで3000円くらいで買ったナイキのTシャツを着ていながら満足した。

物はもちろん納得なのだが、何よりも払いたい人にお金を払えたことが良かった。お金が健全に流れるために、そうあるべきだと思う。全ては人のつながりだ。大企業に搾取されてばかりの人生はもうおしまいにしよう。しかしそうは思っていても、見てしまうのはAmazonのプライムセール情報……

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