もしイチローが「グリーンブック」を観に行ったら
記者会見場に現れるイチロー氏。
イチロー「こんなにいるの?映画の感想言うだけだよ」
記者「まずシンプルな質問をさせていただきます。このグリーンブックは差別問題をテーマにし、コメディ要素も入れながら展開していきます。率直に観終わった後の今の感想を教えてください」
イチロー「全然シンプルじゃないな(笑)うーん、感想かあ。
(10秒沈黙)
一つ言えるのは、誰かの思いを背負うというのはそれなりに重いことです。それは僕が野球選手としてのキャリアを積み重ねる中で体感してきたことだし、今作のピーター・ファレリー監督もそれなりの重圧を背負って、例えば差別を受けてきた人の思いとかをね。そういう方たちの思いを汲み取ってこの映画を作ったはずです。質問なんだったっけ?」
記者「映画の感想」
イチロー「あー、そうだった。うーん、一言で表現するならば、『重い』ですかね。コメディタッチで描かれていて、リズムも良くて観やすかったんですけど、僕はこの映画に潜む重さをずっと感じてましたね。
僕、なんか変なこと言ってます?」
記者陣失笑。
記者「映画の中では、とてもチャーミングな主人公の奥さんが登場しますが、弓子さんとかぶる部分はありましたでしょうか」
イチロー「それはここでは言えないなー!後で裏で話します」
記者「引退した今、野球に捧げてきた分の膨大な時間ができたと思います。その中で映画監督をするという可能性もあるのでしょうか?」
イチロー「絶対ないです。これに関しては『絶対』がつきますよ。人望がない。本当にないんです。だから無理です」
記者「この作品がアカデミー賞作品賞につながった理由はズバリ何だと思いますか」
イチロー「先輩をリスペクトしないあの感じじゃないですか?この『グリーンブック』はW主演という形を取っているのですが、ドクターという人気歌手がいて、そのドライバー職に就くことになったトニーという男がいる。本来ならばトニーはボスにあたるドクターに敬意を持って接しなければならない。しかし彼らはあくまで対等だった。そこにおもしろみがあったと僕は思います。なんか上原の顔が浮かぶなあ」
記者「イチローさんは映画館の中では何を食べていますか?」
イチロー「シアトルにいるときは妻が作るカレーだったり、あとおにぎりをね、食べるわけなのですが、映画館での僕の食生活なんて、まあ、むちゃくちゃですよ」
記者「具体的に何を食べられるのですか?」
イチロー「それもここでは言えないなー!」
記者「劇中に何かひとりごとを言っていたと思うのですが、何を言っていたのですか?」
イチロー「感情移入してついドクターと話してしまっていました。何を言っていたかに関しては、それはドクターから言う分には構わないですけど僕からは言えないです。野暮でしょ?二人の会話なのに自分から説明したら。そんな人は絶対に信用されないです」
記者「隣の川崎さんは何か映画の感想はありますか?」
川崎宗則「イチローさんは映画前にもユンケルを飲むんだなと思いました」
イチロー「試合前や映画の前にユンケルを飲まないなんて、そんなこと、あろうはずが、ないですよね」
記者陣爆笑
イチロー「え?もうこんな時間?今日はとことんグリーンブックに付き合うつもりだったけど、お腹空いちゃった。じゃあ、終わりましょうか!」
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。