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【会社員必見】年末調整とは? ぜひ知っておきたい基礎知識を徹底解説(後編)

こんにちは! たくろうです。
前回に引き続き「年末調整」の基礎知識についての後編をお届けします。

今回は年末調整の手順、提出が必要な書類など、具体的な手続の解説が中心になります。「年末調整」においてはとても重要なポイントとなりますので、繰り返し読んでいただいて、正確な知識を身に付けましょう。

なお、今回も大まかに概要を説明していますので、さらに詳しいことを知りたい方は、国税庁のホームページ、関連書籍などで確認することをおすすめします。


年末調整のスケジュールと3つの手順

ここからは年末調整の一般的なスケジュールと3つのSTEPについて解説していきます。コンパクトに整理すると次表のとおりです。

【STEP1】準備期間
まず、準備期間として、原則としてすべての従業員に対して年末調整を実施すること、関係書類の提出期限、提出が必要な書類などを確実に周知する必要があります。

さらに、中途入社の人は、前職の「源泉徴収票」を確実に提出することも重要なポイントです。これを怠ると担当部署の事務が滞り正確な年末調整ができませんので、手元にない場合などは早急に入手してください。

配付された各種申告書は、各個人により提出の有無や内容が変わってきますので、記載の仕方や記載例を参考に正確に記載してください。

なお、提出した書類の写しをとっておくと翌年の提出にとても参考になります。スムーズに書類の記載をするためのコツです。

【STEP2】計算期間
ここからは給与計算の担当部署の作業となります。提出された各種申告書により、各種控除などを利用して個人個人の年税額を計算します。過不足額を精算し、所得税の還付または追加徴収が行われます。

年税額が確定したら、「源泉徴収票」が作成され、従業員に交付されます。

【STEP3】提出期間
このSTEPも担当部署の作業で、一般従業員には関係のない手続です。
参考として、次のような期限があります。
・1月10日まで ⇒ 源泉徴収した所得税の納付
・1月31日まで ⇒ 源泉徴収票、法定調書合計表、報酬、料金等の支払調  
          書、給与支払報告書の提出

年末調整において提出が必要な書類

給与所得者が会社に提出する必要がある書類は次のとおりです。それぞれ年末調整には欠かせない重要な書類ですので、正確に記載し期限までに確実に提出しましょう。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金
 額調整控除申告書
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

年末調整を受けない場合の4つのデメリット

通常の場合、年末調整は会社で行いますので、関係書類を提出せず年末調整を受けないことはないのですが、何らかの特別事情で書類を提出できなかった場合は、多くのデメリットが発生してしまいます。

最終的には確定申告で救済されるとはいえ、手間や期限の利益が失われることに違いはありません。

回避できるリスクで思い悩まないように、必要な書類は期限までに確実に提出しましょう。

① 所得税の還付が受けられない

毎月の給与や賞与から引かれている所得税は、仮の計算でやや多めの金額となっている場合が多いです。年末調整により正しい所得税の年税額を計算し、本来納付すべき所得税額を確定しています。

一般的に、会社員の場合、各種控除などを考慮せずに概算をしていますので、年末調整の結果、過払いとなっているケースが多くなっています。

ところが、年末調整を受けない場合は、正しい所得税額が計算されずに、過払い分の所得税が還付されることはありません。

② 各種控除が受けられない

年末調整により受ける各種控除はたくさんあります。扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除、生命保険料控除などは、正しく申告して年末調整で控除が可能になる所得控除です。

また、住宅ローン控除などの税額控除も受けられなくなります。

③ 翌年の住民税の負担が増える

住民税は前年の課税所得額をもとに、住所のある地方自治体で算定されます。年末調整で各種控除などを受け、課税所得金額を少なくしていないと、当然に住民税の負担が増えることになります。

④ 自分で確定申告を行う手間が増える

何らかの事情で年末調整を受けられなかったり、各種申告書の提出もれ、記載内容の誤りなどが発生してしまうと、正しい所得税の年税額が計算されていません。

したがって、これらの問題をすべて解決して正しい所得税額を算定する、すなわち所得税の還付を受けるためには、2月~3月の時期に確定申告するしか方法はありません(還付申告は1月から行うことができます。)。

しかしながら、年末調整さえ受けていれば、各種控除が受けられ早い時期での所得税の還付も可能になります。

他の要因がなければ一般的な会社員の納税は年末調整で完結するのに、わざわざ手間がかかる確定申告を行うことは避けるべきです。

還付の時期も確定申告の場合、年末調整より数か月遅れることになります。手間がかかり、しかも還付の時期も遅れるのであれば、会社の年末調整を受けるに越したことはありません。

まとめ

会社員の場合、年末調整と確定申告の2段階で、所得税の還付を受ける方法はあります。しかし、本文で述べたようにコストパフォーマンスが高い年末調整を受けることがベストの選択です。

確定申告は、医療費控除などの年末調整では処理できないもののために活用するという位置付けを理解してください。

一部の控除を除き大半の控除については、年末調整で処理が可能ですから、正確な情報に基づき、正しい知識を身に付けるようにしましょう。


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