ベルリン在住のガーデナー・hommyさんと、編集・デザインチーム「白梟」の荻原ゆか・小松﨑拓郎が、1DKの小さな小松﨑家の新居を舞台に、小さな植物園をつくるプロジェクト。「自然の力を借りて、季節と生きること」をテーマに進めていくことになりました。

Living with nature project のこれまで

０）小さなリビングに、小さな植物園を。Living with nature project をはじめます
１）【Living with nature project】Vol.1｜ガーデナー・hommyさん 我が家に来たる！

今回はガーデナーとしてロンドンとベルリンのガーデン事情を見てきたhommyさんと「理想の自然との関わり方」を考えていきます。

（写真左から、おぎゆか、hommyさん、拓郎）

東京時代、多忙さな日々を癒やしていたグリーンと、培ってきたデザインを掛け合わせて何かできないか？と、渡英しガーデナーの仕事を始めたhommyさん。ベルリンでは日本大使館のお庭など、こちらでの活動は多岐に渡ります。

拓郎　当時どれくらいの多肉植物が家にあったんですか？

hommy　ハマりにはまってエスカレートしていったら４００個くらい……。

ゆか　４００個は結構（ありますね……）。

hommy　えぐいよね。お父さんがねぇ、「おまえはお花屋さんになるのか！？」って焦ってた（笑）。

ゆか・拓郎　ははは！

hommy　「植物収集は趣味〜！」って言っていたのに、集めはじめて1年半くらいで会社をやめて渡英して庭仕事をはじめたので、両親はびっくりしたと思う。お花屋さんじゃないけど、どこか遠くへ行ってしまったと（笑）。

拓郎　ロンドンのひとたちの住まいと自然との距離って、どんな感じなんでしょう？

hommy　ロンドンで家を借りるとだいたい一軒家で必然的に庭がついているので、自然のものに対する距離が近いし、それにお金をかけることもいとわない人も多い印象でした！

ゆか　私たちも8月にロンドンに行くんですけど、イメージは新宿みたいな大都市なんですよね。

hommy　もちろん中心地は東京みたいなTHE・都会な雰囲気のところもあるけど、おおきな公園も多いし、休日は家族でガーデンセンターに行くし、アロットメントガーデンという貸し農地があるから、緑が多いですよ。

ゆか　そういえばベルリンにも貸し農地がありますよね。

hommy　あれはクラインガルテンですね！

拓郎　あれ、すごくいいですよね。

（ベルリンのクラインガルテン。↑は線路沿いにあり、桜の木を眺めながら過ごせる）

hommy　クラインガルテンはフラット（フラットは日本でいうアパート・マンションなど集合住宅）住まいの人たちがよく借りて、野菜を育てたりとか、夏場の今のシーズンはBBQだとか各々がお外で楽しめる場所です。

拓郎　貸し農地って、お気に入りの木が植わっていて、小屋が建っていて、くつろげる椅子まであれば、いっぽうで野菜だけをつくる畑もあるじゃないですか。ロンドンもおなじですか？

hommy　そうですね！　知り合いのガーデンデザイナーの夫婦は、リラックスできる庭は自宅につくっていて、アロットメントガーデンでは野菜を育てていて。

「晩ごはんに招待するからアスパラガスを摘みに行こう」って誘われて、「どこの庭に生えているんですか？」って聞いたら、アロットメントガーデンだと。そのアロットメントガーデンは借りているコミュニティのメンバーだけが入ることができる、秘密の庭みたいな場所でわくわくしました。

なかをぐるっと回らせてもらった時に、BBQをするために小屋を作っている人もいれば、風車みたいなアート作品をいっぱい建てて植物を植えているひとたちもいて、そのアロットメントガーデンは、もうやりたいように使っていい感じ。

拓郎　日本のともだちのお父さんが６畳くらいの共同農地を借りていたんだけど、その農地は野菜を育てるだけだったので、できればぼくは自然のある空間として楽しめるとうれしい。

hommy　収穫した野菜を洗える場所があって、すぐ食べることができて、なんならBBQできる場所が、アロットメントガーデンとかクラインガルテンですね。

ゆか　電車の車窓からいろんなクラインガルテンが見えるから、潜入してみたくなりますよね。

拓郎　借りてみたい！　日本の方でクラインガルテンを借りている人っているのかな。

hommy　うーん、ドイツ人だな〜。日本人で借りている人は知らないかも。たぶんロンドンのアロットメントガーデンもそうなんだけど、すごく人気で、手放す人を待っている状態みたいです。

拓郎　やっぱりこの住まいから、自然を取り入れていきましょうか。

hommy　おうちからコツコツね〜。

次回は、どういう暮らしをつくっていきたい？　という話からはじまり、そもそも植物が身近にある暮らしってどんな良いことがあるの？　植物とどういう関わりをしたいの？　というお話を、また3人でしていきます。おたのしみに。