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BAUHAUSは貧しさを解決してきた

めちゃくちゃ暮らしを創ってるなあ…

日常に馴染みすぎていて気づかなかったけれど、暮らしの原点ここにあり!っていう場所に滞在してきまして。

先週末はパートナーのogiyk_に同伴して、デッサウにあるバウハウスに行ってきました。

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はじめて聞くかもしれませんが、バウハウスは現代の暮らしとその常識に、大きな影響与えているドイツの学校です。

彼らが次世代につないでくれたものを振り返りながら、これからの暮らしを考えてみたいと思います。

スチール製家具の原点

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(Bauhaus の校舎)

学校や公共機関で当たり前のように使っているスチール製家具の原点は、バウハウスにあります。

スチール製のパイプ椅子は、在学生でありジュニアマイスターになったマルセルプロイヤーが、リビング領域に本格的に金属性の部品を取り入れたことにはじまります。

いまや一家に1台あるようなボックス家具の原点も、なんとバウハウスです。「調度品は実用的で多面的であるべき」という初代校長であるグロピウスの思想から、シンプルなボックス家具が生まれました。

バウハウス発の作品の中でも、ワシリーチェアは代表作。今日のスチール家具普及の先駆けと言われています。

バウハウスは、挑戦的で、安価で、洗練された家具や日用品を作ることで、暮らしを提案してきました。

おもしろいなと思ったのは、暮らしの手帖との共通点を感じられたこと。

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(Dessau Bauhaus Museum)

暮らしの手帖は、戦後の敗戦して貧しかった日本社会に、少しでも暮らしが豊かになるような誌面を作ってきました。

たとえば、直線裁ちワンピースやりんご箱で作るデスクと椅子を開発をしています。

バウハウスも戦時中に開校し、ドイツや欧州の暮らしを担ってきたと言っても過言ではありません。

当時の社会の状況から、安く、量産しやすく、そして美しいものを作ることを目標に掲げていました。

たとえば、バーゲンフェルトは塩胡椒のセットやティーセットを作り、現在も量産され続ける日用品をデザインしています。

機能的、実用的、安価で美しいクラシックモダンの結晶とみられているバウハウスライトは、彼らの思想を体現するモノであると言えるでしょう。

簡単にバウハウスの一面を振り返りましたが、この学校は世界中に大きな影響を与えたことがわかります。

思えば小学生のころから高校生に至るまで、ずっとスチール製のデスクを使ってきました。

その源流は、ここドイツのデッサウにあったのです。

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しかし現在と当時では社会の状況が違いすぎるので、バウハウスが提案した暮らしは、今の時代にフィットしないと思います。

戦中・戦後に目標に掲げられた、安価で、少ない素材で、大量生産できる。それによって、たしかに人々の暮らしの質は向上しました。

一方で資本主義を加速させる1つの要因にもなっており、資源の枯渇をはじめとする環境への悪影響は、当時のグロピウスたちが考えてもいなかったような課題でしょう。

意図せずして生まれた悪影響にも、ぼくらは直面しています。

つまりバウハウスとは、貧しい時代から駆け上がってきた社会と、その暮らしを体現しているものであると僕は見ています。

バウハウスとは戦後から平成までの暮らしを教えてくるものくれるものだ、と思うのです。

貧しさという問題を解決している

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反面教師にすべきこともありますが、彼らから学ぶべきことはたくさんあります。

バウハウスが、安く、機能的で、量産しやすいモノを提案したあとに、バブル経済に象徴されるような、高価で、個性的な逸品が選ばれるようになりました。

現在は、手の届く価格で、機能性が高く、ミニマルで、温かみのあるユニクロや無印良品に見るようなモノが選ばれています。

こうして眺めると、どの時期も、社会の環境におうじたモノを作ることが、僕らの暮らしに浸透していることがわかります。

そして、どれもがその社会における貧しさを解決しています。

無印良品やユニクロが選ばれてきた背景には、情報が多すぎる社会における人々の可処分時間や処理能力の貧しさがある、と見ることもできると思います。

では、今の日本の貧しさとは、どのようなものなのでしょうか。


これからデッサウにあるバウハウスへ行く方へ。

❏バウハウスミュージアムデッサウ

バウハウスミュージアムは、混雑を避けるために時間制を採用しています。11時に到着しても、じっさいに中に入れたのは13時〜でした。

なので事前に↓からオンラインチケットを買っておくと良いと思います!

❏世界遺産に泊まる

当時の学生寮はゲストルームとして開放されています。

歴史的な建築に一泊すると、ダブルルームで60€。コペンハーゲンやアムステルダムと比べると圧倒的にお得です。

予約に関するお問い合わせは、予約フォームまたはaccommodation@bauhaus-dessau.deまでお問い合わせを。

❏行き方を調べる

ベルリンから DB Navigator でチケットを買っていくのがおすすめ。二人で片道22€でした。

アプリを使えばすべてオンラインで済ませることができますよ。

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