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選びたくなる器とは?──君のいまがより良くなるように。

心惹かれる器に出会うと、つい持って帰ってきてしまう。

そして毎日、その日の気分に沿った飲みものにあわせて、器を選ぶ。

仕事のあいまに飲むお茶やコーヒーが贅沢なのだ。

朝の定番は、うおがし銘茶の深むし茶と、小鹿田焼の器。

おやつの時間以降は、雪国和紅茶や薬膳のブレンド茶、黒豆茶と、島根の森山窯のカップで。

最近になってようやく自覚した。どうやらぼくは、お茶と器にそれなりにお金を使っている。

器好きは、器好きの母の影響があるのかもしれない。

「料理は、食材やつくってくれたひとに感謝して器にもるの。だからちゃんとお皿にとって食べなさい」

学生時代、部活かなにかで帰りが遅くなり、どこかで買ってきたお弁当をプラスチックの容器のままで食べようとすると、度々こんなふうに注意された。

このままで充分おいしいから、わざわざ器によそわなくてもいいじゃないかと思っていた。

母の考えを全肯定しているわけではないが、手に取ったときにひんやりしていたり、ツルツルしたりと、人の手でつくった温かみを感じられない器ではなく、触れていたいと思える器がいい。

ぼくらが意識している以上に、人は手のひらや指先で触れて、感じ取っているからだ。

手のひらにフィットする、おさまりのいい器。
さらさら、ざらざら、肌ざわりのいい器。

心惹かれる器とは、そう。見た目以上に触れていたいと思わせる。

見た目の美しさだけに、人は惹かれないのかもしれない。

君のいまがより良くなるように。
父さんは今日も願っています。


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