笑顔でいてくれれば、それだけで──君のいまがより良くなるように。
この週末は、嬉しいことがあった。
別居中の彼女が、遠路はるばる茨城まで来てくれたのだ。
湖を眺めに行こう。
彼女を誘って霞ヶ浦まで足を伸ばした。
ぼくは運転が好きだ。車窓から見えるお店の名前をよみまちがえてフフっとしたり(それはもちろんぼくではない)、あれやこれや、翌日には思い出せないくらいちいさなことを話している時間に、安心する。くつろいでいる。
そういう状態でいる時間のことを、贅沢な時間というのだと思う。
その日は父の誕生日でもあった。
夜は1年前に地元にできた、父の大好きなほうとうを食べられるお店へ。
「仕事がまだあるんだよ私は…!」
彼女はそう言って、やらなきゃオーラを出していたのに、結局夜遅くまで付き合ってくれた。
たくさん時間を割いてもらったから、すこし申し訳ないなという思いもあった。
「さいきんは色々なことに追われてたからリフレッシュできたよ〜」
帰り際に駅へ向かう車内で、彼女は笑顔だった。
やさしいな。
でも、気遣った言葉ではなく、本当にそう思っている言葉。
その一言で、最高の週末になった。
帰っていく後ろ姿を眺めながら、2人でいられる時間をもっと大切にしなければと、強く、再確認。
大切なものはどこかではなく、ここにあるんだよね。
自己犠牲なんてできないが、彼女が笑ってくれさえいれば、それでいい。
それがいい。
君のいまがより良くなるように。
父さんは今日も願っています。
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