花

「素敵」という言葉を使わず、素敵を語れ!

コピーライター阿部広太郎さん主宰「言葉の企画」第4回目の講義。

今回は、「あなたの素敵な人についてエッセイを書いてください」という課題だった。私は、母について800字程度で「簡単」にまとめてしまった。「全然、伝わらないな」と反省しかない。

私が書いた文章は上記だ。

その文章に対して、阿部さんから下記のコメントを頂いた。

素敵とはなにかをエッセイの中に、定義する必要はないです。ただ、「支えてくれた人」である以上に、どんなエピソードがあったのか、もっとそこにある物語を知りたくなった。

伝わる文章は、「支えてくれた人」とか、簡単な言葉では伝わらない。

だって、自分のイメージする「支えてくれた人」と読者の考える「支えてくれた人」のイメージは違うんだもの。だからこそ、もっと情景が浮かぶ、「ぐぐぐっ!!!」って、読者を惹き込ませるエピソード(物語)、文章が必要なんだ。「支えてくれた」とか、「誰でも書けるコトバで逃げるじゃねーよ!」と頭をトンカチで殴られたような気がした。こんな簡単な言葉(形容詞)で小さくまとめちゃ、誰にも伝わらない。


「素敵ですね~」。あれ?「素敵」ってなんだっけ?

「素敵ですね」。そんな言葉を私はよく言う。でも、「素敵な人ってなんだ?」。「何がどう、素敵なんだ?」。もっと突っ込んで考えなきゃ全然ダメだった。その人が素敵だと思えた時のエピソードが必ずある。そこにある物語をとことん追わないと素敵は伝わらない。思っている以上に「素敵という言葉を使わずに素敵を語る、書く」ことは難しいぞ・・・。そんなことに今更、気が付けた講義だった。でも、ポジティブに考えよう。今、私は29歳。今、気が付けたんだ。それは、この講義に参加したからこそ。もし、この講義に参加しなかったら、自分は一生「素敵な人ですね」、そんな誰にでも言える言葉で相手と浅ーく、浅ーく接していたのかもしれない。でも、これからは違う。何が「素敵」なんだろう、もっと言葉を分解して、深く考えるきっかけを得たのだ。それだけで、この講義に参加した意義はとてつもなく深いと思う。これから次第だが。


遠慮はするな!配慮はしろ!

だからこそ、これからは、「素敵ですね」とか誰にでも言える言葉ではなく、素敵を語ろうと思う。そのためには、もっと相手を知らなくちゃいけない。相手の素敵を見つけることは、思っているよりも難しいのかもしれない。素敵なエピソード、素敵な会話・・・もっととことん相手のことを知らないと語れないもんね。阿部さんは言った。「遠慮はするな!配慮はしろ」と。これからの人生。遠慮はせずに相手の素敵を探すためにもっともっとたくさんの人と会話をしたい。配慮をしながら。それが豊かな人生を送れるきっかけになるかもしれない。


WritingよりもLightingだ!

遠慮をしない。配慮をしながら、相手に突っ込んでいく。素敵を見つけるために。そんな、決意をこのnoteで今した。

そして、素敵な人に光を当てたいと思う。阿部さんは言った。「書く(writing)であり、Lighting(光を当てる)だ」と。書くことで素敵な人に光を当てることができる。そんな可能性を秘めているのだ。

私は、今、記者をしている。「声なき声を届けたい」。そんなことに憧れたこともある。障害に苦しむ人。難病に苦しむ人・・・。世の中のたくさんある小さな声。でも、そんな小さな声にも必ず「素敵な」ことがあるはずだ。そんなエピソードをとことん掘り下げたい。そして、それを「素敵」という言葉以外で素敵に伝えたいんだ。それで、誰かが前を向いてくれたら。嬉しい。「素敵は人の原動力になるから」と阿部さんが言うように。


素敵なことが世界には、たくさんある。

でも、その素敵を素敵という言葉を使わずに語れるようにすると

自然と、相手の素敵なことがもっと具体的に見えてくるかもしれない。

言葉の企画も残り2回。もっとみなさんの素敵を素敵という言葉を使わずに語らせてくださいっ!!!!   文:坪田拓郎


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