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難しいけど面白い「攻殻機動隊」

難しすぎて意味がほとんど理解できないけど、でも面白い。
中学生の頃、そう思いながら「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を観ていました。

登場するキャラクターもカッコいいですし、電脳化・義体化という設定も面白いのですが、何より惹かれたのは今の時代にも通じる社会問題を扱っているというところでした(理解できたかどうかは別として…)

その後、劇場公開された「攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society 3D」は今まで観たきた映画作品の中でも三本の指に入るほど、とても好きな作品です。
少子高齢化社会において、家族を持たない老人の介護問題、子供への虐待問題についても描かれていて、今改めて観ても考えさせられます。
…作品自体は10数年前にできたものですが、時代が進んだ今もなお問題視されているところでもありますし、問題の根深さを感じます…。

この作品で一番印象に残っているシーンは、物語の終盤、事件が解決した後の荒巻課長とトグサとの会話です。
事件とは、虐待を受けている子供を救うため、その親の電脳をハッキングし、電脳化した子供とともに記憶を消した後、その子供を身寄りのない老人の子とする犯罪システムが構築されていたというものです。

トグサ「記憶が書き換えられていても、虐待の事実がわかっても、やっぱり本当の親のところに子供を帰すほうがいいんですかね……」
荒巻課長「その答えを、現段階で出せないところが、行政の限界なのかもしれんな」
(中略)
トグサ「願わくは成長した彼らが将来、個のポテンシャルを上げ、われわれの出せなかった答えを見つけてくれることを祈るばかりだ」


若干違うところもありますが、概ねそのようなやりとりでした。
特にトグサの最後の台詞は、まるで自分に対して投げ掛けられているように感じられて、10年以上経った今でも忘れられないほど心に深く刺さりました。

また3年前に公開された最新作「攻殻機動隊 SAC 2045」では、「現実を生きながら、摩擦のないもうひとつの現実を生きられるようになった世界」というものが描かれているのですが、無人島で生活する某動物ゲームを思い浮かべてしまいました…(苦笑)
一時期のめり込むようにこのゲームをやっていたのですが、本当にもうひとつのリアルな生活をしているようで毎日が楽しく、ゲームの中とはいえ、とても心地のいい場所でした。
このシリーズでは他にもネット上でのリンチ事件なども描かれていて、このストーリーもとても興味深いものでした。

攻殻機動隊という作品は、ふとしたことをきっかけに思い出すことが多く、今回こうして書きたいと思ったのも、主人公の少佐の言葉を思い出したのがきっかけでした。

「世の中に不満があるなら自分を変えろ」

ここ最近、仕事も、日々の生活もそうなのですが、色々と思うところがあり、不満を口にすることも多々ありました。
そんな時にこの言葉を思い出し、すっと落ち着きを取り戻せたような気がします。

四の五の言わずに、先に進め。
そう自分に言ってやりながら、また明日からも頑張っていこうと思います。

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