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LOG ENTRY: SOL 116

 クリスマス6連休が明けて、12月28〜30日の3日間は仕事。とはいえ、多くの人が有給休暇を使って、12連休を取っているので、キャンパスは静かだ。オーストラリア出身の同僚はシドニーの実家に帰っているが、僕は特に行くところもやることもないので、ゆるめに通常営業。上司と15分程度のおしゃべりをした以外、仕事のミーティングはなし。

 JPLで働く日本人の友人Y.T.くんが毎日自分で弁当を作って持参している、という話を聞いて感心し、僕も弁当を作ってみた。といっても、釜飯の素で炊いた松茸ごはんと冷凍食品のシュウマイを詰めただけの簡易弁当だ。弁当もいいもんだなぁ。ところがその日帰宅してみると、炊飯器の蓋を開けっぱなしのまま出勤していたらしく、残りの松茸ごはんがカッピカピに全滅していた。。「ごはぁぁぁん!!!」と叫ぶピッコロの気持ちがよくわかった。

 年末は人が減るため、所長や副所長の駐車場以外、どこでも誰でも停めてよいというルールになる。せっかくなので自分のオフィスの地下駐車場に停めてみる。そしてお昼、ランチを食べようとカフェテリアに行ってみると閉まっている。「そうか、年末は閉まるのか」と思いつつ、しょうがないから外にランチに出掛けようと思って駐車場に行くと、なんと僕の車の後ろに他の車が停まっていて出られないではないか!

 そこでルームミラーに掛かっている札に書かれた職員番号を覚えて誰なのか調べてみようと思いオフィスに戻ると、オフィスの電話に留守電が入っていることに気付く。メッセージを聞いてみると「君、僕の駐車場に停めてるね。そこはタンデムスペースといって、年末でも指定の車しか停めちゃいけない場所なんだ。とりあえず君の車の後ろに停めてるから出たいときは電話して。4時には帰るけど」と。

 そこは、札に特定のアルファベットが書かれた車が2台前後に停めるよう設計されたスペースだった。確かに、縦に長い駐車場だなーとは思った。リムジンでも停めるのかよ、と。知らなかった。。うーむ、4時まで待っていると餓死してしまう。。というわけで、その人のオフィスを調べ、直接会いに行った。「新入社員でして…(汗)」と聞き苦しい言い訳をしながら謝った。そして駐車場まで一緒に来てもらい、車を動かしてもらった。最後までペコペコしながらランチへ(苦笑)。

朝は満車だった地下駐車場も5時にはガラガラに。雨が降っていたので、濡れずに行けるのは助かった。

 仕事納めの今日30日は、朝からY.T.くんと一緒にコントロールルームへ行き、ひたすら観光客用のビデオクリップを見ること2時間。20以上のビデオがあるのだが、やはり火星ローバー『キュリオシティ』関連が一番見応えがある。途中30人ほどのお客さんを連れてオフィシャルなツアーが2回ほどやってきて中断されたが、職員の解説が面白くて参考になった。さすがプロ。

一番面白かったビデオは残念ながらYouTubeに見つからないので代わりにこれ。何度見ても熱い。着陸成功の瞬間の感動が蘇った。

以前紹介したコントロールルーム(SOL 52参照)。横から見るとこんな風になっている。上のビデオで出てくる部屋は、写真奥の部屋。

先日Mars Yardに行ったとき、車庫を外からのぞいていると、シャッターを開けてくれた。キュリオシティの本物でたぁぁぁ!!!ま、本物の本物はもちろん火星にいるんだけれども。

 最後は、誰もいなくなったオフィスで、福岡の実家とLINE電話。あっちは大晦日だ。妻が子供たちを連れて僕の実家に帰っている。オフィスに響き渡る娘の泣き声が、妙に心地良かった。

 さて、今年ももう終わり。2016年は僕にとって人生のターニングポイントだった。ロサンゼルスに引っ越し、念願のNASAに就職。この4ヶ月、新生活も仕事も、どうにかこうにか生き抜くことができた。長年の夢が叶った一方で、家族と海を隔てて一人、淡々と家と職場の往復をする生活は、映画『The Martian (邦題:オデッセイ)』で火星に一人取り残されたマーク・ワトニーと少し重なる。いや、友人や同僚にたくさん助けてもらったか。ありがとう。

 帰宅して『The Martian』を購入。いつもはレンタルするが、この映画だけは何度でも観たい。やっぱり良い映画。

★彡

皆様、良いお年を。来年もどうぞよろしく<(_ _)>

石松拓人

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