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BitStarの新ミッション・ビジョンの策定プロセスを公開

はじめに

昨年の夏前から議論を開始して半年以上かかりましたが、プレスリリースで発表したとおり、この度新しいミッション・ビジョンやカルチャーコードを策定しました。

プレスリリースはこちら

カルチャーブックBitStar 10 SPIRITS」の詳細はこちら


普段noteを全然更新できていないのですが(笑)、新ミッション・ビジョンやカルチャーコードを策定していく過程を社外に共有することは、ステークホルダーやこれからBitStarに入社していただく人に対しても有益であると思い、重たい筆を取ることにしました。

今回の新ミッション・ビジョンやカルチャーコード策定により、今まで以上に全社戦略との紐付きが強くなり、カルチャーの醸成に寄与できると確信しています。今回のnoteはミッション・ビジョンにフォーカスしているので、その策定の過程をぜひご覧ください。

BitStarが抱えていた課題

現在BitStarは創業から8年半が経ち、従業員は220名、複数事業を展開しています。大きく分けるとYouTube、TikTokを中心とするクリエイター支援事業およびコンテンツ制作事業の2つですが、細かく分けるとエージェント、プロダクション、コンテンツ制作、D2C、プロダクトと様々な事業があり、メンバーの数も急拡大してきました。

事業やメンバーが増えるにつれて「今のミッションだと、自分の担当事業は対象にならない気がする」だったり、「今のミッションは抽象度が高くて実感が湧きづらい」、「ハードルが高すぎて嫌いでした」など(笑)、様々な声を聞くようになりました。事業ごとにもミッションとの相性にばらつきがある状況でした。
※ちなみに以前のミッションは「100年後に名前が残る産業・文化をつくる」で、ビジョンは事業が複数に増えてきた段階で合わなくなり無くした経緯があります。

そこで、改めて「BitStarとは何か、何を目指すのか」をミッション・ビジョンとして再定義することにしました(本当はビジョンだけを設定するつもりだったのですが、議論を深めていくうちにミッションも変えたほうが良いのではないか、という結論に至りました)。

今までも半期ごとの社員総会で常に「BitStarとは何か、何を目指すのか」、ブラッシュアップしたものを説明していましたが、やはり決まった言葉があった方が多くの人を束ねられ、強い組織をつくることができると考え、思い切って創業時から掲げていたものを大きく変えたことは大きな決断でした。

旧ミッションの課題

では、新ミッション・ビジョンの策定の背景をご説明する前に、まずはミッション・ビジョンとは何かさらっと触れていきます。

ミッションとは会社の存在意義であり、「企業が社会において果たしたいと考える役割」や「企業活動を規定するもの」です。

これらの定義に対して旧ミッションはどうだったかというと以下のような課題がありました。

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旧ミッション
100年後に名前が残る産業・文化をつくる

課題1
「社会や世の中の人々のための目標」ではなく「会社目標」として捉えられてしまう

課題2
クリエイター寄りの印象があり、多くの事業やステークホルダーを包含する役割に欠ける
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新ミッションについて

そして、上記の課題を解決するミッション・ビジョンを策定するにあたり他社の事例も見てみることにしました。CAMPFIREさん、ラクスルさん、ヤフーさん、マネーフォワードさんを調べてみるとある共通点が見えてきました。

ここで共通していたのは、どんな方法(HOW)で社会における役割を果たす会社なのかが明確でした。それぞれのHOWは以下の通り。

そこで「BitStarのHOWは何か」ということを考えると、多くの事業をやっていることから様々なワードが出てくるのですが、どれかのキーワードをピックアップすると何かに偏りすぎたり、拡大していく事業領域をカバーできなくなってしまうジレンマがありました。

しかし、BitStarの根底にあるものを掘り下げると、以下の3つが浮かび上がります。

・コンテンツを見る人の気持ちを動かしたい。
・クライアントの気持ちを動かしたい。
・商品/プロダクトで人の気持ちを動かしたい。

そして、何よりもBitStarの根源となるコンテンツの最大の武器は、
「人の感情を揺り動かすこと」

であって、そこから辿り着いたキーワードが「情動」でした。

もう少し文章にしてみると、

BitStarは、人々の感情を揺り動かすコンテンツをクリエイターとマーケティングの力で生み出し、社会を発展させていく存在」

だと定義し、その上で新しいミッションを以下のように表現しました。

感情を動かす。世界を動かす。

感情を揺さぶる一手が、
世界を動かす一歩になると信じて。

BitStarのHOWと、世の中へ影響を与えていく存在になることを端的にまとめた一文です。旧ミッション「100年後に名前が残る産業・文化をつくる」との整合もあり、世界を動かしたその先に産業や文化に寄与できるぐらいの会社にしたいと思っています。
  

新ビジョンについて

続いて新ビジョンですが、これまでビジョンがない状態だったので「ミッションを達成するために目指すべき姿は何か?」について議論していきました。

そこで改めてBitStarの起源に立ち戻りました。

BitStarの由来は2つあります。1つは、インターネット企業の集積地である渋谷がビットバレーと呼ばれるように、「ネット発のスター」という意味。もう1つは、Bitを直訳すると「ニッチな、小さな」という意味。ネット発のスターはニッチな存在でも活躍できるし、そんな方達も支援していきたいという想いからBitStarという名前を付けました。

BitStarにはこのような意味合いがある中で、現状の強みにも創業時の想いがそのまま反映されており、BitStarの売上の70%以上が50万フォロワー未満のクリエイターとの取引によるものになっています。

売上だけを追いかけるのであればフォロワー数の多いトップクリエイターとの取引をメインにすれば良いのですが、それではBitStarがやりたいことや独自性、BitStarの社会的な意義が弱いと考えています。

創業時から多くの人たちを支援していきたいという想いで、多少非効率でもロングテールのクリエイターとの取引を大事にしてきました。一見、非効率だと思えるためあまり人がやりたがらないところなのですが、オペレーション・仕組みを磨いていくことでしっかりとビジネスとして成立するビジネスモデルを構築することが可能です。

具体的な仕組みとしては、私たちは日本最大のインフルエンサーデータベースを構築することで、データドリブンなクリエイターの発掘・育成やマーケティングに活用しています。

今後このデータをプラットフォーム運営に活かしていくことで、企業とクリエイター間の取引をより加速させ、クリエイターエコノミーの拡大に貢献していきたいと考えています。

前置きが長くなりましたが、つまり、BitStarがやりたいことをまとめると、

「BitStarが蓄積してきたノウハウを活用し、まだ光が当たっていない世界中の人や企業の可能性を押し広げる」

ことです。これをビジョンとして以下のように表現しました。

世界中に眠るすべての情熱が、
スポットライトを浴びる社会を実現する。


上記スライドの通り、「すべての」という言葉は今や事業が拡大していることから、多くのステークホルダーに向けたメッセージであることを示しています。

スポットライトというワードも好きです。BitStarのロゴも光が当たっている様子を表しているのですが、BitStarに関わっている方たちにスポットライトがあたり、より活躍できるような社会を実現していきたいという想いを込めています。

また、「眠る」というワードですが、もちろん眠っていない企業やクリエイターも多いのですが、それはまだ市場のごく一部です。ロングテールのクリエイターのように潜在的な市場を顕在化させていくという意志を込めています。

旧ミッションの取り扱い

新ミッション・ビジョンを策定と同時に、今までのミッションを残すのか無くすのか、とても悩みました。

今までのミッションは私の起業の目的でもあり、アイデンティティでもあり、原動力にもなっている言葉でした。

しかし、今の実態に即しているのは間違いなく新ミッション・ビジョンであり、ミッションからは無くすという決断をしました。

一方で、「100年後に名前が残る産業・文化をつくる」というミッションがあったからこそ新しいドメインに勇気を持って参入できたり、多くの仲間がジョインしてくれたこともまた事実です。

そこで今までのミッションは「社長メッセージ」へ移行することにしました。

尊敬するソフトバンクがどうなっているか見てみると、孫さん自身や自社の目標の宣言は社長メッセージや全社IRページに持っていっていました。

これで無事に全てのメッセージが整理されました。

以上が、BitStarの新ミッション・ビジョンを策定した背景や想いです。

もし、少しでも「参考になった」「興味深かった」などありましたら、いいねやフォローなどお願いします(今後もう少し投稿していくはず・・・)。

次回は「社員総会でのインタラクティブな浸透施策」や「ビジョンと戦略をつなぐ中期目標」、バリューを具体化した「カルチャーコード」などなど、最近取り組んだことについて書いていければ良いなぁと思っています(もし、こんなこと書いて欲しいなどあったらそれはそれで教えていただけると嬉しいです)。

長文お読みいただきありがとうございました!それではまた。


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