空き缶ポイ捨ての傾向について
一時期、空き缶ポイ捨ての様子を写真に撮って集めていたことがあるのですが、いくつか見てみると、ある傾向があるように思いました。
今回はその傾向のご報告です。ちゃんとした調査とかではなく完全主観的なレポートです。
傾向① 台の上に置く
最もよく見られるのは、缶を置くのにちょうど良さそうな台の上に置くという捨て方です。
傾向② レールに置く
街中に様々あるレールも、格好の置き場所になっていると思われます。
傾向③ 植木にぶっ刺す
道端の植木に缶をぶっ刺しているケースも見られました。
その他
その他、多くは見つけられなかったケースです。
一つは空き地にポイ捨てするパターン
またポイ捨てではないですが、ゴミ箱がいっぱいなので絶妙なバランスを保ちながら缶を置いているケースも。
ポイ捨ての様子から考えたこと
ポイ捨ての様子から、以下2つのことを考えました。
それぞれ詳しく説明します。
1. アフォーダンス的な思考が内在している。
街中にはゴミ箱以外に「空き缶を置く専用の場所」というのは存在しません。
ゴミ箱が無いときに、人はゴミ箱以外で空き缶を置きやすい場所を無意識のうちに判断しているのではないでしょうか。
心理学の用語で「アフォーダンス」というものがあります。
ざっくり言うと、モノの見た目や形が、人の行動を誘発しているということです。
ドアノブを回してドアを開けるという行為は、ドアノブの「形」がドアを開ける「行動」を誘発しているといえます。
この考え方はよくプロダクトデザインの現場などで用いられますが、有名な例を挙げます。
こちらの写真は、傘の先端を床の溝にひっかけることで、傘を安定して置くことができています。
傘立てのデザインを考える時に、この無意識の行為を観察することで、もしかしたら傘立ては筒状ではなくても、床に溝さえあれば成立してしまうのではないか、といった風に考えることができます。
空き缶の話に戻ります。
アフォーダンス的な視点を踏まえて考えると、なんでもないコンクリートの台や、階段の手すりが、空き缶を置くという行為を誘発しているといえるのではないでしょうか。
(ちなみに、この誘発を断ち切るには、台の形状をかまぼこ型にする、階段の手すりと壁の距離を長めにとるなどの方法があると思います。)
空き缶の観察はアフォーダンスだらけで、人間の無意識レベルの行為が見て取れる意義深いものかと思うのです。
どんなところに無意識が存在しているかを幅広く知ることは、傘立ての例のように何か新しいアイデアが生まれるヒントになるのではと思いました。
2. ポイ捨てにも思いやりが少しある
ポイ捨てはダメです。が、僕はポイ捨ての風景を多く見る中で、少し思いやりのような、必ずしも悪い面だけではない、人間味を感じました。
なぜならば、人が通る道や、子供が遊ぶ公園のど真ん中などに空き缶は見られなかったからです。
道の真ん中に空き缶が捨てられていたら、それを踏んだ人がつまづいてケガをするかもしれません。もしかしたらですが、ポイ捨てをする人は、そういった考慮は持ち合わせているのではないかと感じたのです。
「ポイ捨てはするけど、人がつまづかないようなところに捨てよう。」みたいな。
おわりに
この写真を撮っている時は周りの人の目が気になりましたが、集めてみてよかったと感じています。たかが空き缶ですが、なんでもない事象からあれこれ考えるのは楽しかったです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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