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爆速シューケア

「靴は好きだけど手入れは手間がかかるし苦手」「数が多くて大変。普段は簡単に済ませたい」

今回はそんな方に向けた記事です。

noteを始めて、普段は自分で簡単にお手入れ、プロにしっかりフルケア、というスタンスの方が圧倒的に多いことに改めて気が付きました。

そこで今回は、短時間で手間暇かけず、それなりに綺麗に磨ける製品をご紹介しようと思います。
全てクリーナーとクリームの効果を併せ持つオールインワンタイプとして使用できるので、ブラシと布さえあれば簡単にお手入れが行えます。

使い方は全て同じで
①馬毛ブラシでブラッシング。
②製品を布に取り、塗り伸ばす。汚れ落としも兼ねているので拭き取りつつ馴染ませる感覚で。
③短時間放置して馴染む(乾燥)するまで待つ。
④豚毛ブラシでブラッシング。
⑤布で乾拭き。

*靴に鏡面がかかっていない前提で記事を書いています。つま先や踵にポリッシュが乗っている場合は、その箇所を豚毛ブラシで擦らないように注意して下さい。


また、次の各項目を★3段階で評価しました。

手軽さ : 使用時のベタつきや艶の出方等を含めた、仕上がるまでの速さの目安です。

保革 : 革に与える影響を点数付けしています。
これが低い製品は、お手入れした後に革が乾燥するまでの時間が短くなります。

   : 仕上がりの艶の強さを点数付けしています。

*あくまで感覚的なものです


今回は3つの製品をご紹介します。


Tapir / Leder Pflege

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手軽さ : ★★★
保革  : ★
艶   : ★★★

1つ目はタピール社のレーダーフレーゲ。
伸びが良く、素早く革に馴染み、硬質な輝きの強い艶が出ます。含まれている成分の揮発性が高いため、しっかりと保革したいというよりも、とにかく手軽さを求める場合に向いています。
香りは柑橘系の中にほのかなアンモニア臭(乳化剤として)がするため好みが分かれますが、今回ご紹介する製品の中では最も手軽に短時間で強い艶を出すことができる製品です。

【使用時のポイント】
蝋分が多く、適量を塗り伸ばした直後に革表面が白く濁ったようになりますが、豚毛でブラッシングすることで強い艶が出ます。場合にもよりますが、塗ってすぐにブラッシングしても艶が出るほど早く磨けます。


COLUMBUS / ALL IN ONE LEATHER SERUM / SHINE

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手軽さ : ★★
保革  : ★★
艶   : ★★

有名シューケアメーカーから販売されているオールインワンタイプ。適度な使用感、艶、保革性を併せ持っています。香りはシュプリームクリームに近いシダーウッドオイルのような香りで、部屋の中でも安心して使えます。
バランスが良いので、とりあえずお手入れしたいという時はこれで簡単に済ませても◯。

【使用時のポイント】
少量を布に取り、薄く塗り伸ばすように。
慣れないうちは塗布後に5分ほど待つと馴染みます。


COLUMBUS / ALL IN ONE LEATHER SERUM / MOIST

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手軽さ : ★
保革  : ★★★
艶   : ★

先程のレザーセラムの保革特化版。通常のクリームと比較しても高い保革性を誇ります。
揮発性の低い油分を豊富に含むため、しっかりと革のお手入れをしたい場合にお勧めできます。
難点としてベタつきが強めで、使用感はお手軽とは言い難いレベル。丁寧な塗り伸ばしと比較的長めの乾燥時間が必要です。

【使用時のポイント】
塗布量にもよりますが、塗布後10分〜15分ほど乾燥させてもベタつく場合があります。慣れれば適切な量を塗り伸ばせますが、そうでない内は塗って1日放置→ブラッシングでも良いと思います。


まとめ

とにかく短時間で強い艶を出したい
→レーダーフレーゲ

手軽にそれなりのお手入れがしたい
→レザーセラム シャイン

色々使わずにしっかりとお手入れがしたい
→レザーセラム モイスト


オールインワンに限らず、手軽に艶が出せる製品は保革する力が低いと考えています。油分の種類や含有量、保水性に関わる成分等も関係しますが、磨いてすぐにサラサラになるのにしっとりしているというのは、保革されているというよりは革が湿っている状態です。

市販されている製品は誰が使ってもトラブルが起こりにくいように設計されているものが多い反面この傾向が強いので、お金を頂いて本格的な革のお手入れについて考える場合はその辺りも加味して使用資材を選ぶ必要があります。

ただ、ご自分で靴のお手入れをされる場合は今回ご紹介したような製品で手軽に済ませていただいても良いと思います。面倒だからと放置するより適当でもお手入れ。質より量です。

数ヶ月に1度プロに任せきっておられる方も、たまにで良いので上記のようなケアを行っていただくと靴の状態をより良く保てます。


今回は靴好きが使わないイメージも多いオールインワンタイプの製品をご紹介しました。
香りが強烈だったり、大量の樹脂配合で簡単には除去できないレベルの皮膜を形成するものなど、問題アリな製品が多いのもこのカテゴリー。
ですが、今回ご紹介した3つの製品はその何れにも当てはまらない高品質な製品です。
また、3種類とも革のスニーカーにも使用でき、レザーセラムは一般的な革小物のお手入れにも使用できます。

手順を踏んで一から行うお手入れには敵わないものの、手軽に行えるケアとしては十分な仕上がりになります。
プロに依頼するほどではないけれど、少し靴を綺麗にしたいという場合にもぜひお試しいただければと思います。

綺麗な靴の気持ちよさを知っていただける機会になれば、これほど嬉しいことはありません。

次回は鏡面のかかった靴のお手入れに関して更新します。
・プロに磨いてもらった後はどうすればいい?
・つま先を擦って傷が付いてしまったら?
・鏡面が曇ってきたときは?

*この記事に限らず、ご紹介する製品は私物で試行して良いと思ったもののみ記載しております。

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