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酷暑について統計的に見てみた

9月に入って涼しくなってきましたが、2022年の夏は暑いですね。
梅雨明けも異常に早く、7月からずっと暑い夏が継続している感じです。
(なんとこのブログを書いているときに、梅雨明けは7月下旬に訂正する、なんて報道がありました!)

では、酷暑(※)で特に売れた品物は何でしょうか。
おなじみにV-RESASで見てみました。

V-RESASは本来、通常時(2019年)とコロナ禍(2020年以降)の経済状態の差を見るサイトなのですが、コロナに関係なく、週単位の売上の変化を簡単に見る用途にも使えます。

まずは、酷暑で売れる物はなにか、webで軽く調べてみます。

調査の結果
アイス、麺類、スポーツドリンク、香辛料、制汗剤、日焼け止め、
意外なところでは、漬物
が挙げられていました。

今回は、
アイス、麺類、漬物
について本当に酷暑で売れ行きが良くなるのか、V-RESASを使って見てみたいと思います。

その前に、基準となる2019年の天候を見てみましょう。
気象庁のデータによると次の通りです。

2019年(平成31年・令和元年)の日本の天候は、年を通して気温の高い状態が続き、年平均気温は全国的にかなり高くなりました。また、台風第15号、台風第19号の接近・通過に伴い、北・東日本で記録的な暴風、大雨となるなど、夏から秋にかけて各地で記録的な大雨となりました。

気象庁報道発表資料より

そこそこ暑い年だったようですが、酷暑とまでは言えないようですね。
ちなみに、年ごとの気象情報概要は気象庁HPにまとまっています。

1月の上旬に、前年の気象状況概要が発表されるようです。

V-RESASによる統計情報の検索

まず、V-RESASトップページ
https://v-resas.go.jp/
の一番上のタブから、「消費」を選びます。
少し下にスクロールすると「POSで見る売上高動向」があります。
プルダウンで品目を選びます。
品目は、なんと、200以上あります。

品目を選ぶとすぐに、2019年の同週比グラフが表示されます。

グラフは右下のアイコンからダウンロードできます。

早速、見てみましょう。

アイス

V-RESASでは、アイスクリームは「レギュラー」「プレミアム」「氷」と分類されているのですが、ここではレギュラーアイスを選びました

レギュラーアイスの売上げ動向

グラフはバタバタしていますが、明確なピークが2020年8月第4週と、2022年6月第5週にあります。
2020年8月4週は記録的酷暑だったそうです。また、2022年6月下旬は梅雨明け(もどき)直後の酷暑の時期に一致します。
まあ当たり前ですが、酷暑だとアイスがはっきりと売れますね。

麺類

酷暑で売れるのは「そうめん」を想定して、品目は「めん類-乾めん」を選びました。

乾めんの売上動向

こちらもアイスと同様に、2020年8月第4週と2022年6月第5週に明確なピークがあり、酷暑で売上が増加すると言って良さそうです。
興味深いのは2021年12月最終週のピークです。コロナ禍の中でも久しぶりに年末に帰省する方が多かった時期で、年越し蕎麦需要かもしれませんが、はっきりしたことは言えません。

漬物

品目は、漬物、惣菜-漬物を選びました。

漬物の売上げ動向

こちらはV-RESASで見る限り、酷暑とはあまり関係なさそうです。
2020年前半に緩やかなピークがあるのは、巣ごもり需要かもしれません。また、乾麺と同じく2021年12月最終週と、2020年12月最終週にもピークがあるのが面白いですね(改めてめん類を見返してみると2020年末にも小さいながらピークがありますね)。

まとめ

酷暑で漬物が売れる、と聞いてもホントかなと思いますが、V-RESASと気象庁情報を使うと手軽にチェックできます。
各種報告書を書く際の下調べ等にも十分活用可能だと思います。
今回取り上げなかった、香辛料、制汗剤(V-RESASの分類ではエチケット用品)などについてもすぐに出来ますのでぜひ調べてみてください。


※日本気象協会では、気温が40度以上の日を「酷暑日」、35度以上の日を「猛暑日」と言う事に決めたそうです。


IT系企業に所属する企業内診断士です。