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【速報!】診断士試験の統計情報

本日(2024年1月31日)、診断士試験の最終合格発表が行われました。
最近は2次試験合格判明までの期間が長期化しているため、受験生の方は不安な期間が長かったかと思います。
合格された方も、残念だった方も、長期間お疲れ様でした。

今回のブログでは、診断協会から発表されている診断士試験の統計情報を見てみたいと思います。
統計情報の元ネタは以下にあります。

■全体

合格者数と合格率の推移は以下の通りです。

合格者数と合格率の推移

2021年度からのトレンドとして、2次試験の合格者数が急増していることが挙げられます。
一方で合格率(オレンジ色の折れ線)はあまり変わらないので、合格者が増えているのは、母数である2次試験の受験者が増えているからといえます。
要するに、1次試験の合格者が増えてきているのです。
2023年度になってもこの傾向は変わりません。

ちなみに、1次試験の合格者が増えても問題ない状況は今後も続くのでは?というブログを前回書きました。
2次試験から合格発表までの日数が最近長くなってきており、固定化されていることを根拠としています(2次試験の採点処理にかけられる時間が増えているということです)。

次に、1次試験に合格し、2次試験を申し込んだものの、実際に会場に来なかった方の割合(辞退率)を見てみました。結果が以下の通りです。

辞退率:2次試験申込済で、試験会場に来なかった方の割合

2020年度は、コロナ感染の場合に診断書等の証明書があれば翌年に試験を延期できましたので突発的に増えています。
2021年度以降はその制度はなくなったのですが、辞退率が多めで推移し回復していません。
少しトレンドが変わったように思います。

さて、ここから先は、各属性ごとの合格状況を見ていきたいと思います。
本ブログでは属性ごとの「合格者数のシェア」に注目しています。
シェアを見ることで、診断士試験合格者の中で、ある属性の勢力が拡大しているのかいないのか、などの情報を得ることができます。

早速見ていきましょう。

■男女別

男女別シェア

ここ数年で女性のシェアが伸びています。2023年度も同じ傾向でした。
ただ、まだまだ女性のシェアが低いです。
診断士の業務内容は男女関係ないと思いますので、もっと比率が均等に近づいたほうが良いと思います。

■年代別

年代別シェア

相変わらず30代が強いですが、最近は40代の勢力がじわじわ伸びている傾向があります。
ちなみに年代別の合格率は、30代が22.0%、40代が18.2%ですので、合格率では30代が優勢です。
つまり、40代の勢力が増えたのは、40代受験者の母数自体が大きくなったからといえます。
これは、日本の人口が40代が多いからなのか、それとも、社会に出てある程度経ってから受験を考える傾向が強まっているからなのか、等の理由が考えられます。

その他の注目点としては、70歳以上が地味ながらも勢力拡大している点が挙げられます。20歳未満のシェアと競っています。
70歳を超えても学習意欲を保ち続ける姿勢には頭が下がります。

■受験地区別

受験地区別シェア

相変わらず東京が強いですが、過去に比べると東京のシェアは低下傾向となっています。
本データは受験地区が東京だったことを示しているに過ぎないので、合格者が東京在住とは限りません。
ただ、遠隔受験することもあまり考えられないので、東京近郊の方が多いものと思います。

地域別の診断協会の会員数をみると、東京協会が圧倒的に多いので、この点からも東京近郊の方の合格者が多いと推測できます。
(令和2年時点で、診断士登録者2万7千人、協会会員1万人、東京協会会員が4千5百人だそうです)。

■勤務先別

勤務先別シェア

民間企業と政府系以外の金融機関の合算で8割弱のシェアとなっており、これは2023年度も変わりません。
2004年から20年間ずっと同じ傾向です。
企業(銀行含む)に在籍中に診断士資格を取り、その後に独立したり企業内診断士を続けたりする方が昔から今まで主流派と言えるでしょう。

■おまけ:沖縄県の1次試験はどうだったか

2023年度、沖縄県では災害により1次試験が日程通りに開催できず、12月に実施されました。
その結果、沖縄では1次試験と2次試験の日程が逆転して実施されました。

沖縄の受験生は1次試験の学習をいったん中断し、2次試験の学習を行い、2次試験終了後に1次試験の勉強を再開することになり、非常に戸惑ったものと思います。

このような混乱の影響は1次試験後比に影響を与えたのでしょうか。
本日1次試験の統計情報も発表されましたので見てみました
(ちなみに今年から金沢会場四国会場(松山市)が新設されています!)

1次試験 受験地区別シェア

統計情報から見ると、那覇会場の1次試験合格シェアは例年通りでした。
幸いなことに、日程逆転の影響はあまりなかったものと考えられます。

■まとめ

コロナ禍の影響がほぼなくなり診断士試験も通常運転に近づいたと思われますが、女性シェア増、40代シェア増というコロナ禍で表面化してきた結果は、引き続き継続ている状況でした。
一方で勤務先の状況はコロナがあってもなくてもあまり変わらないものとなりました。

この傾向は今後も続くのか、引き続き見ていきたいと思います。

IT系企業に所属する企業内診断士です。