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UXデザインによるグロースハック

おはようございます。

Makuake Product Team Advent Calendar 2018 15日目の記事です。

現在、MakuakeにてUX/UIデザイナーとして働かせていただいておりまして、UX改善やグロースハックに主に取り組んでいます。

Makuakeでのグロースハックは自分を含むUXチームのメンバーによって発足された経緯もあり、UXの改善がベースとなっています。

今日は僕らのグロースハックについて紹介したいと思います。

UXデザインによるグロースハックの特徴

まずは、UXデザインの活動をベースとしたグロースハックにはどんな特徴があるのか考えてみました。

ユーザーへの深い理解・洞察
定量調査に留まらずユーザービリティテストなどの定性調査も行うことでユーザーへの理解を深めます。

ユーザーの課題やインサイトにフォーカス
調査して得た課題やインサイトを、カスタマージャーニーマップなどを使いユーザーの体験と課題を整理します。

ユーザー目線の施策
ユーザーに強制的に何かをさせる可能性を上げるような変更を行うのではなく、ユーザーの課題を解決したりインサイトを満たすことによってKPIを向上させます。

ユーザーをファンにする
CVRやCTRなどの即効性の高い指標だけではなく、LTVやNPSなども指標として設定することで長期的な目線での事業の売上も視野にいれながらグロースを行っていきます。

ユーザーの課題解決によるKPI向上を基本としており、ユーザーの課題やインサイトについて深く調査・理解しているのが主な特徴です。

通常のグロースハックとどう違うのだろう?

では、UX改善のグロースハックとそれ以外のグロースハックとはなんなのでしょうか。それについて改めて考えてみました。

一般的にグロースハックというは、「マーケティングの “製品・価格・宣伝/広告・流通” という4Pのうち、製品まで含めて全てを変数として扱って成長を達成する活動」とのことです。

製品を改善する活動にはUXデザインが多く含まれることから、以下の図のような関係になると思われます。

この図において、
・UXデザインのグロースハック
・UXデザイン以外のグロースハック
には具体的にどんな違いがあるのでしょうか。

それについて、具体的な例を挙げて考えてみましょう。

UXデザイン以外のグロースハックの例
・dropboxのような友人紹介インセンティブ機能の追加
・pixivのようにTOPページでコンテンツを見せずに会員登録を促すことで会員数を伸ばす

UXデザイン寄りのグロースハックの例
・(ユーザーが何を理解していないのかを把握し、)新規ユーザー向けのチュートリアルを改善してCVRを改善する
・(クレームの多い決済手段を体験し、)決済情報入力画面の分かりづらさを改善してCVRを改善する

両者を比較すると、UXデザインのグロースハックはユーザー目線での課題解決となっていることが見て取れます。
一方でUXデザイン以外のグロースハックはユーザー体験の向上ではなく売上にフォーカスされています。

どちらが良い/悪いということではなく、
最終的には両方の目線からやっていけるのがベストだと思いました。

メリット

UX改善によるグロースハックのいいところは、
以下のようなところだと考えています。

施策ヒット率が安定しやすい
定量/定性データから確実に課題解決を行うことで施策のヒット率が安定しやすいように思います。

長期的に安定した売上を作りやすい
サービスの体験としてあるべき姿を目指しながらKPIを改善していきます。
目先の目標のためにサービスの体験価値を崩してしまわないようにLTVやNPSを意識することで、目先の目標のためにユーザーを欺くような方法を採ることがなく、一度限りのコンバージョンだけではなく、一人のユーザーが何度も使ってくれるようなプロダクトへ成長させやすくなります。

顧客目線の考え方でKPIを改善していくためユーザーが離れづらく、長期的な目線でも安定した売上げを作りやすいのがUX改善によるグロースハックの良さだと思われます。

おおまかな全体の流れ

グロースハックのコアとなるサイクルはこのような調査/仮説検証の繰り返しになっています。

これらを詳しく解説していきます。

1. 調査

グロースの素となる課題やインサイトの調査をします。
明確にKPIが決まっている場合には、そのKPIに影響していそうな課題/欲求を探します。

ここで質のいい課題や欲求を発見することができれば、それを以降のステップで解決することで数値をグロースさせることができます。

調査の手法は主に定量調査と定性調査に分類されます。

定量調査: 数値データについての調査
定性調査: 人の意見や気持ちについての調査

定量調査の例
・GoogleAnalyticsを使い、ユーザーがどこで離脱しやすいのかをファネル分析を行って調査する
・データベースにSQLを投げて1度目のリピートコンバージョン率を調査する

定性調査の例
・ユーザビリティテストを実施しユーザーとプロダクトの間に潜む課題を探す
・CSへのお問い合わせからユーザーが抱えている課題を整理する
・SNS上でエゴサーチを行いユーザーの課題を探す

ここで見つけた課題やインサイトはRealtimeBoardやGoogleSpreadSheetなどにストックしていき、継続的に管理していきます。

2. 施策出し

KPIに影響していそうな課題が集まったら、その課題を解決するためのソリューション、つまり施策を考えます。
※例えばUIの変更や新機能のアイデアなど

施策もRealtimeboardやSpreadSheetなどにストックしていき、管理していきます。

3. 優先順位付け/計画

施策が集まったら、どの施策から検証/実装していくのかを優先順位付けを行い、プランニングします。

優先順位付けの方針としては、想定コストと想定インパクトの2軸のグラフ上にで施策をマッピングして決めることが多いです。
チームの規模/状況を考慮しつつROI の高い施策などをピックアップして計画に組み込みます。

4. 仮説検証

実際に施策を実装するかどうかの判断をするため、施策の仮説検証を行います。

手法としては基本的にABテストを使います。
GoogleOptimizeなどのABテストツールを使用し、
一定期間(大抵1~2週間)、施策を擬似的に実装したものなどを一部のユーザーのみに見せ、オリジナルパターンに対しKPI(またはKPIに紐づくKPI)がどれだけ改善するかを計測します。

より細かく調査したいことがある場合はGoogleTagManagerなどを利用して一時的に計測イベントを追加することもあります。

効果検証後
施策に充分な効果が見られた場合は施策実行に移ります。
もし施策に効果がなかった場合は別の施策の検証に移ります。

検証後のデータから施策の改善点が見つかった場合はその施策を改善してもう一度ABテストをリリースすることもあります。


このような課題解決のサイクルを繰り返すことで、
UXデザインの活動を通したグロースハックを行っています。

まとめ

僕らのチームではこのようなプロセスで日々KPIを改善していますが、まだまだ発展途上であり、そのプロセス自体の改善もしていきたいと考えています。
また、今後はUX改善によるグロースにとどまらずマーケティングの観点なども含めるなど広い視野でグロースハックしていけるようなチームに成長していきたいと思います。

最後になりますが、Makuakeでは一緒に働く仲間を募集しています。

・エンジニア
・UXエンジニア
・UXデザイナー
・UIデザイナー
・デザインエンジニア
・グロースハッカー
・マーケター

このようなグロースハックやUXに興味を持って頂けた方がいましたらぜひ一度、「各種エンジニア募集! クラウドファンディングMakuake」からご連絡ください。

Makuake Product Team Advent Calendar 2018 まだまだ続きますので、明日以降もよろしくお願いします。

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