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医療の崩壊は突然に・・・

経験のないほどの突然の変容に、
驚きつつ、戸惑っています。
3連休の前までは少しずつでしたが、
明けたら別世界。
発熱外来も、救急外来も・・・

現在どんな状況なのか、書いてゆきます。

1.病院の状況

コロナの感染病床はすでに埋まっています。
発熱した患者の救急要請を受けたら実はコロナだったり、
骨折の手術予定で入院してきた方が、コロナ陽性だったり、
保健所からの要請を受け入れる前に、陰圧部屋が埋まりました。

まだ日により一般個室が空いていることもありますが、
BA.5の感染力を考えると、とてもコロナの患者様は入れられません。
コロナが院内でクラスターを起こしたら、オミクロンでも数パーセントの方がお亡くなりになってしまいます
入院している患者を守るためにも、感染対策が十分でない病床に、コロナの患者は入院させられません。

もうすでにコロナの新規受け入れはギブアップ状態です。

2.行き場のない救急隊からの受け入れ要請が頻回

そんな状況ですが、病院は救急隊からの救急要請の連絡が鳴りやみません。
何件か受けましたが、コロナが疑われ、かつ入院が必要そうな方は受け入れすることができません。
とりあえず診療のみでもして、自院で入院できなければ転送とするのが普通ですが、今の世の中コロナは転送もできません。結果コロナが疑われる救急隊からの要請は断らざるを得ません。

昨日は、救急要請はいつもよりたくさん受けましたが、たくさん断らざるを得ませんでした。
中には40か所から断られた方もいました。
どこも同じ状況なんだと思います。
搬送困難例を示す東京ルールは、あっという間に第6波を超えました。

救急医療の東京ルール(搬送困難例)の適用件数

熱中症でも胃腸炎でも、もちろんコロナでも、熱があったら搬送困難になることを覚悟しなければいけません。

3.発熱外来、コロナの検査すらも・・・

今自院の発熱外来は2日待ちです。すぐには診てあげられません。
すでに各回の発熱外来は、第5波・第6波よりも予約枠を広げましたが、それでも対応しきれません。

また発注しても納入できない検査試薬もあり、一部できない検査が生じています(一番迅速に結果が出るNEAR法)。
結果、病院のコロナの診療のアルゴリズムも、この混乱の中見直さないといけない事態になっています。

今後さらに感染が拡大したら、ニュースにもある通り発熱外来では対応できないかもしれません。
倉原先生もYahooのブログで申しておりますね。

4.地域によっては、もっとダメージを受けている

4-1.中核病院の一般外来と一部の救急外来を閉じた沖縄県

東京より少し前に感染の波が押し寄せて、今は人口比で東京の1.8倍の新規感染者がいる沖縄県では、もっと顕著に医療崩壊がおこっています。
病床利用が本島では80%を超え、待機ステーションも渋滞がおこっていると聞きます。
患者の急増と医療スタッフの感染による人員不足で、地域の中核病院が8月末まで、入院の必要がない患者の救急外来と、全診療科の一般外来を停止するなど一般の診療にも影響が出ています。

4-2.東京よりも人口比で、もっと感染数の多い県

沖縄のようなニュースは上がっていませんが、自分が肌感覚でヤバい!!と思っている東京のコロナ以上の新規感染者の波が押し寄せている都道府県があります。

都道府県単位に見る10万人当たりの感染者数

沖縄はもちろん熊本県や大阪府は、東京より人口比の新規感染者数が多くなっています。
また島根県や佐賀県も東京都同等に多いことが分かります。
島根県は高齢化率が高い県の4位です。
より多くの犠牲者が出てしまうかもしれません。

5.しかし、厚生労働省は今のところ社会経済活動を優先

最新の7月21日の厚生労働省のアドバイザリーボードでは、
・ 新たな行動制限ではなく社会経済活動をできる限り維持。
・整備してきた病床等をしっかり稼働、自治体や医療機関等の支援。
・ 重症化リスクのある高齢者を守るための感染対策に、国・地方が連携して機動的・重点的に取り組む。
とあります。

現在のところ感染拡大を防ぎつつ高齢者をまもるため、各世代間での感染対策が必要とされています。

BA.5系統への置き換わりを見据えた感染拡大への対応
:新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードより

第7波は自分の予想以上の高波になっています。
コロナに感染しないようにというのは勿論ですが、
・帰省などで年配者と会う前には、極力検査を。
・大人数での会食の前にも極力検査を。
・コロナ以外の病気にも気を付けて!!
をお願いします!!

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